
転職は、志望動機の書き方ひとつで採用・不採用が左右されると言っても過言ではありませんが、そもそもみなさんは志望動機をどのようなものだと認識しているのでしょうか?
もしかしたら、「その会社で働きたい理由」と考えている人もいるかもしれませんね。
これは間違いではありませんが、これだけでは完璧ではありません。
志望動機には「会社に対する志望動機」と「職種に対する志望動機」があると考えられます。これらはどちらも志望動機ですし、会社によっては特に区別をしていない場合もあります。
どういったものなのか確認していきましょう。
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志望動機とは?
企業によって異なりますが、志望動機はエントリーシートや面接で聞かれることが多いと言えます。
2つの志望動機をそれぞれ聞かれることはないかもしれませんが、応募者が2つの志望動機を整理して答えることで、採用担当者にもなぜこの会社、この職種を志望しているのかが伝わりやすくなるはずです。
会社に対する志望動機とは
まず、なぜその会社で働くことを希望するのか、という会社に対する志望動機を考えておく必要があります。
この志望動機は、応募する会社の事業の特徴や強み、企業理念といった会社の持つ特徴に、自分がいかに共感することができるのか、といった内容になります。
例えば「◯◯という事業を展開している点に魅力を感じ志望した」と書いたとします。
一見すると問題なさそうに見えますが、採用担当者からしてみると、これだと同じ事業を展開している他の企業でもいいのでは?と考えることができます。
つまり、会社に対する志望動機にはその会社でなければいけない理由を明確に述べる必要があるのです。そのためにも、応募する会社のことをよく調べておかなければいけません。
もし消費者向けのサービスや商品を展開しているのであれば、それを利用してみるのも1つの手段ですし、ライバルとなる企業との違い、業界での立ち位置などいくつもの情報を集めていくことで、その会社に対する志望動機を磨いていくことができます。
職種に対する志望動機とは
なぜその会社で働きたいのか、という会社に対する志望動機に対して、職種に対する志望動機は、なぜその職種がいいのかという仕事内容に対する志望動機です。
これは、営業なら営業、技術なら技術となぜその職種を希望するのか、といった内容になります。
もし前職でも同じ職種であったのであればなぜ転職して同じ職種に就くのかといった部分の説明も必要になります。
また、前職とは違う職種に転職する場合もありますが、そういった場合でも、なぜ違う職種に就くのか、という部分を明確にしておかなければいけません。
志望動機に書くべきこと
では、志望動機の内容にはどのようなものを書けばいいのでしょうか? ここでは4つ紹介します。
自分の特徴や強み・会社にどう貢献できるか
企業理念やその会社の市場での立ち位置などは少し調べれば誰でもその情報を得ることができます。誰でも得られる情報だけで書かれた志望動機では、採用する企業にとって魅力的とは言えません。
志望動機にはその人ならではの特徴や強みのほか、それらを活かすことによって会社にどのような貢献ができるかといった点を絡めていくことが大切です。
会社としても、自分の経験が会社に対してどのように貢献できるのかという点を整理できている人のほうが、その会社に対しての理解度が高いと考えることができます。
ただし、これらの情報のバランスを欠いてしまうと、イマイチな志望動機になってしまいます。
経験や強みばかりを述べだけでは、それがどういった点で会社に有効なのかがわかりませんし、貢献したいことだけを述べても根拠となる経験や強みがなく信用できるのか不安に感じてしまうので、あまり偏りすぎないようにしましょう。
なぜその企業、その職種なのか
先ほども伝えた部分になりますが、企業、職種に対する志望動機は明確にしておく必要があります。
そのために情報収集をすることはもちろんですが、それまでの自分の経験や前職と応募企業の違いなどを盛り込んでいくことで、誰でも書くことができる志望動機から、その人にしか書けないものになるはずです。
なぜ転職したいのか
そもそも転職活動を行なっている理由はなんなのか、という点を明白にすることも大切です。
このとき転職理由を、その会社を志望する理由、その職種を志望する理由と関連づけることがポイントになります。
例えば、今の職場では裁量があまりなく、裁量権のある仕事がしたいということが転職の理由だったとします。それが理由であれば、裁量権が与えられそうな仕事に応募することになるため、
「今の仕事は裁量権があまりないので転職を決意しました。御社の仕事は社員に与えられる裁量が大きいことが特徴であり、自分の希望と合致するため志望しました。」
といった形で書くことで、転職理由と志望動機に関係を持たせることができます。この文章はあくまでも例ですが、転職理由と志望動機との間に一貫性があるかどうかは、非常に重要なポイントになります。
将来についてどう考えているのか
会社としては、採用した人に長く働いてもらいたいと考えています。そのため、その会社に入社したらどのようなキャリアを描いていきたいかという将来像を伝えることもポイントだと言えます。
極端な例ですが、「この会社での経験を活かしてできるだけ早く独立したい」といったキャリアプランを伝えると、会社は採用してもすぐに退職してしまいそうだな、と考えてしまいます。
あくまでもその企業でどのように成長していきたいと考えているのか、という点を伝えるようにしましょう。
志望動機のNGな書き方例
志望動機を書くにあたっては書かないほうがいい内容というものもあります。続いては、志望動機におけるNGな書き方を紹介します。
勉強したい
「仕事を通して勉強したい」という内容は、一見すると勉強熱心さや真面目さをアピールした志望動機のように見えます。しかし、会社は学校とは違い、勉強する場所ではなく成果を上げ、自分の力で貢献していく場所です。
勉強したいということは、その分野に関しては現時点では力がないと言っているのと同じこと。力のない人を企業が採用するかというと、よっぽどの理由がない限りあり得ないと考えられます。
もちろん未経験の分野への転職となると学ぶことが多くなってしまいますが、その中でも前職の経験を活かして何ができるのかということをアピールするようにしましょう。
違う業界を経験していることが、新しい仕事において役に立つことも十分にあります。
志望動機が待遇中心
・完全週休2日だから
・給料が前職よりもいいから
・複利厚生が充実している
・家から近い
これらも仕事を選ぶ際には非常に重要なポイントですが、志望動機が待遇面の内容ばかりになってしまうと、条件へのこだわりが強い人となってしまい、企業としては採用していいのか悩んでしまいます。
また、例えば完全週休2日制を採用している企業はいくつもあるため、他の企業でもいいのではないか、と考えることもできます。
もし志望動機の中に待遇面の話を入れるのであれば、その背景となる理由についても触れるようにしましょう。
例:完全週休2日制を理由に挙げる場合
→前職は休みがほとんどなく、資格取得など自分の力を磨くことができなかった。プライベートの時間も確保することで仕事に必要な資格を取得し、会社に貢献したいと考えている
未経験職種へ転職する場合に書いておきたいこと
最後に、異業種から未経験の業種へ転職を行なう場合の志望動機の内容について紹介します。
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なぜ未経験職種に挑戦するのか
未経験の人から応募が届いた場合、企業はなぜ異なる業種に応募してきたのかという点が気になるはずです。そのため、転職の理由に加え、違う業界の仕事に応募した理由を明らかにしなければいけません。
情熱や意欲だけではアピールとしては不十分なので、なぜ同じ業界、同じ職種ではなく、あえて違うものを選んだのか、業界に興味を持った理由をできるだけ具体的に示すようにしましょう。
未経験の中で自分にどんなことができるのか
未経験の人がいきなり経験者のような仕事ぶりを発揮することはできません。しかし、異なる業界であっても共通している部分や前職での経験を活かせる部分はあります。
自分の志望する業界、企業の特徴と自分の経験をうまく紐づけることで、未経験であっても会社に対して貢献できることをアピールしましょう。
また、すでに転職に向けてその業界で使える資格の勉強などをしているのであれば、その点もアピールすることができます。
まとめ
今回は転職する際の志望動機の書き方について紹介してきました。新卒の際に就職活動を経験している人が多いかもしれませんが、新卒時の志望動機と転職時の志望動機とでは、その内容は異なります。
仕事での経験を積んでいる分、仕事における自分の強みや会社に求めること、仕事で達成したい目標などはより具体的になっているはずです。
まずは、自分のこれまでの仕事を振り返り情報を整理したうえで、今回紹介した内容を参考にし、志望動機を書いてみてください。
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