仕事を辞めると、多くの悩みやストレスから解放されて、自由な時間もできるため、ゆっくりしたいと思うかもしれません。ですが、いくつかやっておくべき手続きがあります。
- 健康保険
- 雇用保険
- 年金
- 確定申告(税金)
これらの手続きには、期限が決まっているものもあります。放置すると、いざというときに面倒なことになるため、すみやかに手続きをしましょう。この記事では、仕事を辞めたあとにするべき手続きの流れや方法について、詳しく解説します。
仕事辞めたらする手続き1:健康保険への加入
仕事を辞めた場合、基本的には退職日の翌日から、会社で加入していた健康保険の利用ができなくなります。
新たに健康保険加入のための手続きが必要となりますが、以下の3つの選択肢が考えられます。
- 任意継続健康保険に加入する
- 国民健康保険に加入する
- 家族の保険に加入する
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.任意継続健康保険に加入する
通常、仕事を辞めた場合、会社で加入していた健康保険は、退職日の翌日から利用できなくなりま。ただし、健康保険の任意継続をすることで、個人での加入が可能となります。
任意継続をするためには、以下の条件を満たしている必要があります。
・資格喪失日までに健康保険の被保険者期間が継続して2ヵ月以上あること。
・資格喪失日(退職日の翌日等)から20日(20日目が土日・祝日の場合は翌営業日)以内に「 任意継続被保険者資格取得申出書 」を提出すること。
退職日の翌日から20日以内に、住んでいる地域の管轄をしている協会けんぽ支部に、『 任意継続被保険者資格取得申出書 』を提出してください。
申込み場所 |
住んでいる地域を管轄する協会けんぽ支部 |
申込み期限 |
退職日の翌日から20日以内 |
申込みに必要な書類 |
・任意継続被保険者資格取得申出書 ・必要に応じて、加入者の身元が確認できる書類や、被扶養者に関する書類が必要 |
2.国民健康保険に加入する
国民健康保険に加入する場合は、退職日の翌日から14日以内に、住んでいる地域の市役所で手続きを行う必要があります。
手続きに必要なものは以下の通りです。
- 本人確認書類
- マイナンバー
- 健康保険資格喪失証明書
- 印鑑
※市役所によって、手続きに必要なものが異なる場合があるため、事前に確認が必要
加入手続きが遅れても罰則はありませんが、未加入時期の保険料も遡って支払わなくてなりません。
申込み場所 |
住んでいる地域の市役所 |
申込み期限 |
退職日の翌日から14日以内 |
申込みに必要な書類 |
・任意継続被保険者資格取得申出書 ・本人確認書類 ・マイナンバー ・印鑑 など |
3.家族の保険に加入する
転職先が見つかっていない方で、被扶養者の条件を満たしている場合は、家族の保険に加入することができます。
被扶養者の範囲は以下の通りです。
《被扶養者の範囲》
被保険者と同居している必要がない者
・配偶者
・子、孫および兄弟姉妹
・父母、祖父母などの直系尊属
被保険者と同居していることが必要な者
・上記1.以外の3親等内の親族(伯叔父母、甥姪とその配偶者など)
・内縁関係の配偶者の父母および子(当該配偶者の死後、引き続き同居する場合を含む)
また、以下の収入要件も満たしていなくてはなりません。
年間収入130万円未満(60歳以上又は障害者の場合は、年間収入※180万円未満)かつ
同居の場合 収入が扶養者(被保険者)の収入の半分未満
別居の場合 収入が扶養者(被保険者)からの仕送り額未満
手続きは、保険に加入している方が会社に対して『健康保険被扶養者(異動)届』提出して行います。
期限が、事実発生(退職日の翌日)から5日以内と短く、収入要件・続柄確認のための書類が必要となるので、早めに準備しておきましょう。
申込み場所 |
保険に加入している人が勤める会社 |
申込み期限 |
事実発生から5日以内 |
申込みに必要な書類 |
・続柄確認のための書類(戸籍謄本等) ・収入要件確認のための書類(退職証明書等) |
仕事辞めたらする手続き2:年金の切り替え
会社を辞めた場合、厚生年金から国民年金に切り替える必要があります。切り替えの手続きは、住んでいる地域の市役所で行います。
手続きには、年金手帳または基礎年金番号通知書、離職票が必要で、その他に印鑑、本人確認書類が必要な場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
手続きの期限は、退職日の翌日から14日以内です。切り替えをせずにいると、将来受給できる年金額が少なくなったり、もらえなくなったりするかもしれないので注意しましょう。
申込み場所 |
住んでいる地域の市役所 |
申込み期限 |
退職日の翌日から14日以内 |
申込みに必要な書類 |
・年金手帳または基礎年金番号通知書 ・退職したことが確認できる書類 (離職票、退職証明書など) ・必要に応じて本人確認書類、印鑑等が必要 |
仕事辞めたらする手続き3:雇用保険の申請
会社を辞める(辞めた)方で、まだ転職先が決まっていないのであれば、雇用保険の申請をすることをおすすめします。
受給要件や手続きの方法を確認しておきましょう。
受給要件
以下の受給要件に該当すれば、一定期間給付金を受け取ることができます。
すでに、内定をもらっている方や、転職が決まっている方は対象にならないので注意してください。
手続き方法
雇用保険の手続きは、住んでいる地域を管轄するハローワークにて行います。
手続きには、以下のものが必要です。
- 離職票
- マイナンバーが確認できるもの(マイナンバーカード、通知カードなど)
- 身元確認書類(免許証やマイナンバーカードなど)
- 印鑑
- 写真2枚(タテ3.0cm×ヨコ2.5cm)
- 本人名義の預金通帳又はキャッシュカード
参考: Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~|厚生労働省
ハローワークに手続きをしに行く際は、開庁時間が8:30~17:15と短く、平日しか開いていないことが多いので注意してください。
期限
雇用保険を受給できる期間は、原則離職日の翌日から1年間です。受給期間を過ぎてしまうと、雇用保険が受け取れなくなります。また、手続きが完了しても、すぐに雇用保険を受給できるわけではありません。
雇用保険には、7日の待機期間があり、さらに自主都合退職の場合は、3ヶ月の給付制限があります。
自主都合退職の方は、給付制限が終わる前に転職先が決まってしまうと、雇用保険を受給できなくなりますので注意してください。
また、給付制限中のアルバイトは、場合によっては可能ですが、受給金額が減る可能性もあるので、ハローワークに確認してから判断しましょう。
仕事辞めたらする手続き4:確定申告(税金)
仕事を辞めて、その年内に再就職をする予定がない方は、年末調整がないため、納め過ぎた税金の還付が受けられません。
必要に応じて、確定申告をしましょう。手続きに必要なものは以下の通りです。
- 確定申告書
- 源泉徴収票
- 保険料控除があれば、その証明書
- 医療費控除を受ける場合は、その領収書 など
確定申告の時期は、2月16日から同年3月15日です(例:2018年1/1~12/31分の確定申告は、2019年2/16~3/15までに行う)。
確定申告の方法がよくわからないという方は、『 確定申告書等作成コーナー 』を利用したり、税務署に相談したりしてみてください。
まとめ
仕事を辞めたあとにすぐ再就職しない場合は、健康保険と年金の切り替え手続きは、すみやかに行いましょう。
任意継続健康保険への切り替え |
退職日の翌日から20日以内 |
国民健康保険への切り替え |
退職日の翌日から14日以内 |
家族の保険への加入 |
退職日の翌日から5日以内 |
国民年金への切り替え |
退職日の翌日から14日以内 |
雇用保険の受給手続きと確定申告は、必要に応じて行う必要があります。
特に雇用保険の受給に関しては、自己都合退職の場合と会社都合退職の場合で、受け取り開始時期が異なるので注意が必要です。
各種手続きでわからないことがあれば、市役所やハローワークに相談してみましょう。
参照元一覧 |
転職・人材業界に深く関わるディレクターが『今の職場に不満があり、転職を考え始めた方』や『転職活動の進め方がわからない方』へ、最高の転職を実現できる情報提供を目指している。
本記事はキャリズムを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
※キャリズムに掲載される記事は転職エージェントが執筆したものではありません。
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