
転職時に多くの方が利用する転職エージェント。アドバイスをしてくれたり、おすすめの企業を斡旋してくれたりと、とても便利なサービスですよね。
では、そんな転職エージェント、一社に集中するべきか、複数利用すべきか…どちらがよいのでしょう?
大手転職エージェントによると、求職者の60%以上の人が、少なくとも2つ以上の転職エージェントに登録していることが分かります。
転職エージェントを複数利用することは一般的ですし、転職エージェント側も、複数利用について悪く思うケースは少ないでしょう。
しかし、転職エージェントを複数利用する際も、同じ領域で業務を展開するエージェントに登録しても意味がありません。例えば、営業職で転職を検討している場合、まず登録すべきは大手で求人数を多数抱える『マイナビエージェント』や『doda』『type転職エージェント』のいずれか一つをまず選択します。
マイナビやdodaの両方に登録しても構わないのですが、どちらも総合的な職種を扱うエージェントですので、高確率で紹介される求人に被りが出てしまいます。
では、2社目のエージェントはどこにするかというと、『営業職の転職に強みを持つエージェント』です。とはいえ、営業職はどこの会社にもある最もポピュラーな職種ですので、比較検討すべき軸としては・・・
- 『行きたい業界に特化しているエージェント』
- 『自分の年代に近い求職者が集まっている』
の2軸になります。
この場合は、行きたい業界で選ぶなら・・・
- 不動産業界の営業職に転職したいなら『宅建ジョブエージェント』
- IT業界の営業職に転職したいなら『レバテックキャリア』
- コンサル業界の営業職に転職したいなら『ムービン』
- 広告業界の営業職に転職したいなら『マスメディアン』
を、私たちは提案します。
そして3社目の、自分の年代に近い求職者が集まっているエージェントですが、エージェントが抱える求職者も年代にはばらつきがあり、どの年代層が得意といった色があるので、最後に年代別に強いエージェントにも登録しておくと盤石です。
たとえば、
- 20代後半までの第二新卒であれば『ハタラクティブ』
- 29歳までの狭間の世代なら『U29JOB(ユニークジョブ)』
- 30代前半から後半の範囲であれば『パソナキャリア』
- 40代後半までであれば『ビズリーチ』
- 50代なら『JACリクルートメント』
が良いかと思います。整理するとこんな感じですね。
総合転職エージェント |
1社目 |
業界別のエージェント |
2社目 |
不動産業界 |
|
IT業界 |
|
コンサル業界 |
|
広告業界 |
|
年代別で選ぶエージェント |
3社目 |
この記事では、複数の転職エージェントを利用する際のメリットとデメリット、複数利用するときに注意すべきことについて解説します。
また、おすすめの転職エージェントも一覧で紹介しますので、転職を検討している人は参考にしてください。
転職エージェントを複数利用する4つのメリット
転職エージェントを複数利用するメリットは次の通りです。
- 幅広く求人を紹介してもらえる
- いろんなキャリアアドバイザーに相談ができる
- 質のよいキャリアアドバイザーに出会える
- 転職エージェントの使い分けができる
ここでは、それぞれの内容について確認してみましょう。
①幅広く求人を紹介してもらえる
各転職エージェントには、独占求人と呼ばれる、その転職エージェントでした紹介してもらえない求人を多数保有しているケースがあります。とくに、大手の求人は8割近くが非公開求人とよばれ、登録するまで詳細が分かりません。
たった1つだけに登録していた場合、その転職エージェントで紹介してもらえる求人が、あなたにとって最適ではない場合もあります。
複数登録し、さまざまな求人から比較検討することで、後悔のない転職ができる確率が上がるでしょう。
②いろんなキャリアアドバイザーに相談ができる
転職エージェントでは、あなたの転職が成功するよう、さまざまなサポートをキャリアコンサルタントが行います。
キャリアアドバイザーは技術職ですので、あなたの相談に対して、10人いれば10人とも回答が異なるといったこともありえます。
とくに、キャリアの棚卸や、あなたに最適な転職先の相談については、今後の転職先を決める非常に重要な内容です。
いろんなキャリアアドバイザーに相談することで、あなたが本当に必要とするアドバイスを得られる可能性が上がるでしょう。
③質のよいキャリアアドバイザーに出会える
上でもお伝えしましたが、キャリアアドバイザーには力量があります。
相談への回答だけでなく、履歴書作成や面接対策などもキャリアアドバイザーによるサポートの1つ。
これら2つは転職が成功するかどうかに直結する非常に重要なポイントで、アドバイスが的確でない場合本来のあなたの魅力をうまくアピールできず、不採用が続いてしまう…といったことになりかねません。
転職が成功するかは、キャリアアドバイザーの力量によるといっても過言ではありません。
特に初めての転職となればコツやノウハウはまったく得られていないでしょうから、いっそうキャリアアドバイザーの力が必要となるでしょう。
複数登録しておくことで、質の高いキャリアアドバイザーに出会える確率が上がるのです。
④転職エージェントの使い分けができる
冒頭でもお伝えしましたが、転職エージェントにはそれぞれ強みがあります。
業界や職種意外にも求人数が多い、サポート充実、入社後の条件交渉に長けているなど、それぞれ強みを打ち出してはいますが、この辺は実はどこも似たり寄ったりです。
『ハタラクティブ』は第二新卒やフリーターをメインターゲットにしているため、20代の面談対策や職歴書の添削などのサポートは他エージェントよりも充実していますが、ここ以外のサポートに関しては月並みと思っていて良いでしょう。
あと、総合転職系エージェントで特質すべき点としては、『マイナビエージェント』は内定率よりも、『転職後の定着率(長く働ける会社にいくことが正)』という考え方をしていることでしょうか。
転職先の業界がはっきりしている場合、業界特化型エージェントの方が総合系よりも内部事情や面談時の勘所を押さえているため、あなたの理想にぴったりの求人を紹介してくる可能性は高いです。ではなんで他のエージェントにも登録すべきなのかというと、『担当者レベルでもっている情報が違うこと』『担当アドバイザーとの相性』『企業研究が捗る』の3点があります。
転職エージェントの複数利用・掛け持ちをすることで、それぞれの長所を同時に利用することができるというのが一番のメリットです。
転職エージェントを複数利用するデメリット
転職エージェントの複数利用はメリットだけではありません。
- スケジュールの管理が大変
- 選択の幅が増える分迷う可能性がある
という、2つのデメリットが挙げられます。ここでは、複数利用のデメリットについて簡単に確認してみましょう。
➀スケジュールの管理が大変
転職エージェントを利用すると、キャリアアドバイザーの面談に始まり、応募の手続きや面接の日程調節など、さまざまなことに対応しなければなりません。
連絡も複数のキャリアアドバイザーとやり取りしなければなりませんので、スケジュール管理が大変になるでしょう。特に面接の日程に関して、1社から連絡が来ないために、別のエージェントから紹介された日程が決定できないといったことにもなりかねません。
煩雑なスケジュール管理を面倒に思う人は、1つの転職エージェントに絞った方がよいかもしれません。
②選択の幅が増える分迷う可能性がある
複数の転職エージェントを利用すれば、その分紹介される転職先の数も多くなってしまいます。
転職先の業界や転職後の条件などが明確に決まっていれば別ですが、そうでない場合、いろいろな求人が目に入ってしまい、どこに行くべきか迷ってしまうこともあるでしょう。
また、キャリアアドバイザーがどういったアドバイスをするかに関しても、転職エージェントによってさまざまです。いろいろな情報に触れられる分、どのアドバイスを採用すべきか判断できないといったケースもあるかもしれません。
転職エージェントの複数利用は2社以上の利用がおすすめ
結論、転職エージェントは2社以上の利用がおすすめします。
とくに希望の転職先の条件が定まっている場合には、総合型の転職エージェントと、専門型の転職エージェントを併用しましょう。
総合型転職エージェントは求人数が多い反面、業界知識に関しては専門型の転職エージェントに劣ります。
一方、専門型転職エージェントは求人数は多くないものの業界知識が豊富です。キャリアアドバイザーも業界出身者だというケースも少なくありませんので、専門的な立場からの生きたアドバイスが可能です。
とりあえず総合型3社、専門型2社程度に登録しておき、転職エージェントの雰囲気やキャリアアドバイザーの質を見極めながら、2〜3社に絞るとよいでしょう。
総合・業界特化・年代別で選ぶおすすめの転職エージェント
ここからは、特徴ごとにおすすめの転職エージェントを一覧で紹介します。
総合型転職エージェント5選
名前 |
特徴 |
サポートに定評あり。利用者満足度NO1。 |
|
年収交渉に強みがあり。利用者の7割が年収アップ。 |
|
業界最大手。圧倒的な求人数と交渉力に強みがあり。 |
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サポートに定評あり。転職が初めての人にもおすすめ。 |
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IT・金融・メーカーに強み。経験者優遇の求人多数。 |
※左にスライドします。
年収600万円以上|ハイクラス向け転職エージェント3選
名前 |
特徴 |
ハイクラスNO1。年収2,000円越えの求人も多数掲載。 |
|
年収は800万円以上。必ず課長以上の役職を約束。 |
|
リクルートが運営。経営層を目指す人におすすめ。 |
※左にスライドします。
アパレル業界特化型転職エージェント
※左にスライドします。
看護師特化型転職エージェント
※左にスライドします。
薬剤師特化型転職エージェント
名前 |
特徴 |
マイナビが運営。利用者満足度5年連続NO1! |
|
京阪神の転職希望者に強みあり。 |
|
日本調剤グループが運営。好条件求人多数掲載。 |
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求人数3万件越え。 |
|
M3グループが運営。薬剤師登録数NO1! |
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調剤薬局を専門に紹介。逆指名制度あり。 |
※左にスライドします。
保育士特化型転職エージェント
※左にスライドします。
第二新卒向けエージェント3選
名前 |
特徴 |
JAIC |
研修合宿あり。営業職に強み |
自己発見カウンセリングであなたに最適な仕事が見つかる。 |
|
DYM就職 |
就職成功率96%。手厚いサポートが定評。 |
※左にスライドします。
IT・エンジニア向け転職エージェント3選
名前 |
特徴 |
幅広い求人と優良企業とのネットワークに強み。 |
|
専門特化型で給与交渉に強みあり。 |
|
丁寧なカウンセリングで最適な就職先を紹介。 |
※左にスライドします。
転職エージェントの複数利用をするときの注意点
転職エージェントを複数利用する際には、次の2つの注意点があります。
- 複数利用は初回の面談時に伝える
- 複数の転職エージェントから同じ求人に応募しない
簡単に内容を確認してみましょう。
➀複数利用は初回の面談時に伝える
転職エージェントの複数利用に気が引けてしまって、キャリアアドバイザーに伝えないといった人もいます。
ただ、複数利用していることは、初回の面談時に伝えるようにしてください。あなたのことを本当に考えている転職エージェントであるならば、複数利用を悪いことだと感じることはありません。
複数利用を伝えていることで、面接の日程について配慮してもらえます。また、転職エージェントは転職が成功して初めて利益が生まれますので、他の転職エージェントより先に転職を決めてもらうため、スピーディーに対応してもらえる可能性が上がるでしょう。
②複数の転職エージェントから同じ求人に応募しない
複数のエージェントに登録していると、それぞれの転職エージェントから同じ企業の求人を紹介されることもあります。
このとき、1つの転職エージェントからのみエントリーするようにしてください。キャリアアドバイザーが信頼できる、応募先の企業にあっていそう、といった理由で転職エージェントからエントリーするとよいでしょう。
同じ企業に複数のエージェントから応募してしまうと、転職エージェントにも企業にも悪い印象を与えてしまいます。企業からは自己管理ができていない人材と判断されかねませんし、転職エージェントからも、積極的にサポートしてもらえなくなる可能性があります。
同じ企業への複数応募だけは避けるようにしてください。
まとめ
最初に3社ほど登録しておき、キャリアアドバイザーとの相性や雰囲気を見極めながら、自分にあった2~3社に絞るようにしましょう。
また、転職エージェントを利用しただけで転職が成功するとも限りません。転職エージェントを上手に使う方法については、次の関連記事を参考にしてください。
【関連記事】
▶ 初心者必見|転職エージェントとの面談の流れとその対策
▶ 転職エージェントに効率よく相談するコツとおすすめの相談先
参照元一覧 |
転職・人材業界に深く関わるディレクターが『今の職場に不満があり、転職を考え始めた方』や『転職活動の進め方がわからない方』へ、最高の転職を実現できる情報提供を目指している。
本記事はキャリズムを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
※キャリズムに掲載される記事は転職エージェントが執筆したものではありません。
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