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退職届の書き方や注意点は?円満退職につながる正しい手順を解説

仕事を辞めたい方
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転職活動の努力が実り無事に内定を得たあとには、現職を辞める手続が待っています。その中でも退職届についてよくわからない方は多いのではないでしょうか。

 

  1. 退職届の書き方に決まりはあるの?
  2. 退職届を作成する前に何を準備するべき?
  3. 退職届はいつ提出すればいいの?
  4. 退職届と退職願、辞表のどれを提出すればよいの?

 

この記事では退職届の書き方や注意点、提出のタイミングなどを中心に解説します。あわせて退職届の基本的な知識も押さえておきましょう。

 

 

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押さえておくべき退職届の基礎知識

 

退職届とは労働者が会社に対し、労働契約の解除を一方的に宣言する書類です。民法第627条は、期間の定めのない労働契約の当事者はいつでも解約の申し入れをできると述べています。

 

この申し入れは書面であることは求められていませんが、相手方への確実な告知のために退職届を提出するケースが多くあります。

 

法的には提出を義務づけられているわけではないものの、円満退職を望む場合や不要なトラブルを回避したい場合に提出するべき書類といえるでしょう。

 

退職届が必要な場面

退職届が必要なのは退職を決めたときです。しかし退職届を事前の相談もなしにいきなり提出することは「退職を一方的に突きつける」という印象を与え、トラブルのもとになります。

 

そのため事前に退職交渉をおこない、退職が確定したあとに形式的な退職届を提出するというのが一般的に想定される場面です。

 

もっとも、事前の相談なしに退職届を提出しても法的に問題があるわけではないため、退職の意思が固く「何をいわれてもこの日に退職する」と決めている場合に提出するケースもあります。

 

こんなケースは退職届が不要

退職届は退職の意思を示す書類なので、そもそも退職する意思がないのに書く必要はありません。

 

たとえば退職する理由もないのに退職を強要されている、退職届を書くよう脅されているといったケースです。こうしたケースは悪質なので労働局などへ相談してもよいでしょう。

 

派遣社員や契約社員のように、期間の定めがある労働者が期間満了とともに辞める場合も退職届は不要です。この場合は、契約更新の意思表示を確認された際に更新しない旨を伝えれば期間満了をもって退職となります。パートやアルバイトなども、期間が決まっている場合には同じく不要です。

 

契約期間の途中で辞める場合にも退職届を提出する法的義務はありませんが、やむを得ない事情がないと辞められないという点は知っておくべきでしょう。

 

退職願や辞表との違いは?

退職願とは退職を願い出るための書類です。退職届と違って一方的に退職を宣言するのではなく「退職させてもらえませんか?」とお伺いをたて、会社の承諾によって合意退職を目指すものです。

 

退職願を提出すると退職交渉が始まると言い換えることもできるでしょう。退職願も退職届と同様に法的に提出義務のある書類ではないため、口頭で上司に退職したいと伝えて了承を得られれば問題ありません。

 

同じく退職を届け出る書類に「辞表」がありますが、これは経営層が役職を退くときや公務員が辞めるときに提出する書類です。一般的な会社員が退職するときには用いません。

 

退職届を提出するタイミング

民法第627条によれば、相手方に退職の意思が到達してから2週間で解除の効力が生じます。

 

つまり退職届は退職予定日から2週間前までに提出すればよいわけですが、通常は就業規則などの会社のルールでいつまでに提出するのが定められています。円満退職のためには会社のルールに従うのがよいでしょう。

 

【関連記事】

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退職届を書く前の確認・準備事項

 

退職届を作成する前に確認しておくべきポイントや準備するべきものを整理しておきましょう。

 

就業規則をチェック

まずは就業規則を確認しましょう。「退職の申出は退職の1ヶ月前までにおこなうものとする」などと記載されているケースが多いです。

 

就業規則は会社独自のルールなので会社ごとに違いがありますが、退職予定日の1ヶ月~2ヶ月前、長くても3ヶ月前までと定めているケースが大半でしょう。

 

これから転職活動を始める方は退職するときを想定し、あらかじめ就業規則を確認しておくことをおすすめします。

 

就業規則がない職場の場合

就業規則は常時10人以上の労働者を雇用する使用者に対して作成と行政官庁への届け出が義務づけられているものです(労働基準法第89条)。

 

そのため、そもそも就業規則が存在しないケースがあります。この場合は、就業規則に準ずる規則や、労働契約書・労働条件通知書などに退職時のルールが書いてある可能性があります。どこにも書いていない場合は2週間前までを最低基準とし、基本的には職場の慣習に従うのがよいでしょう。

 

就業規則が存在するのに「就業規則がどこにあるのかわからない」という人もいます。就業規則は使用者が個別に配布する、職場のわかりやすい場所へ備えつけるなどの方法で周知する義務があるため(労基法第106条)、周知方法が不明なら職場で聞いてみましょう。

参考:就業規則の周知方法|効力を発揮する正しい周知方法とは

 

退職日を確定させる

退職届には退職日を記載するため、退職日を確定させる必要があります。退職日は自分で決めることができますが、会社側の意向も踏まえ、上司と話し合って決めるのが好ましいでしょう。余裕をもって引継ぎできるように退職日を設定するのが円満退職の秘訣です。

 

ただし転職活動中の内定状況などによって、どうしても時間がない場合があります。転職活動に際しては引継ぎ期間を考慮して、応募先に余裕をもった入社可能日を伝えておくことが大切ですが、応募先が早めの入社を希望するケースはあるでしょう。

 

この場合、応募先と交渉する余地があれば交渉しますが、難しいのであれば仕方がありません。ズルズルと退職日を引き延ばすと応募先の心証がよくないですし、場合によっては内定取消といったリスクもあります。これから働く職場の意向を優先し、現職へは限られた時間の中でも引継ぎできるよう努力すべきでしょう。

 

便箋・封筒とボールペンを用意する

退職届を記載する用紙は無地の白紙かコピー用紙を使います。無地の用紙で書くときに文章が曲がってしまう場合は、下に罫線つきの紙を敷いて書くときれいに書けます。難しければ罫線がある便箋でもかまいませんが、柄やイラスト入りの便箋は避けましょう。

 

封筒は広く用いられている茶色の封筒ではなく、白い封筒を使います。手渡しする場合は郵便番号を記載する四角もない無地のものが好ましいでしょう。封筒のサイズは用紙の大きさにあわせます。退職届がA4サイズなら封筒は長形3号、B5サイズなら封筒は長形4号が適しています。

 

筆記具は黒のボールペンか万年筆を用意します。退職届はあとに残るオフィシャルな書類なので、摩擦などで消えるボールペンはNGです。

 

会社規定の退職届がある場合も

会社によっては規定の退職届が用意されている場合があります。一般的な用紙で書いても受理されませんので、必ず規定のものを使いましょう。

 

また人事部や総務課などでファイリングする都合などから、封筒に入れずに提出を求められることもあります。規定の退職届があるかどうかがわからない方は、退職を願い出て承認されたあと、上司に提出方法を確認しましょう。

 

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退職届の書き方|主なポイントと注意点は?

 

退職届を作成する機会はめったにないため、書き方に迷ってしまう方は多いでしょう。退職届に必ずこうしなければならないという決まりはありませんが、社会人としてある程度の体裁は保って退職したいものです。ここでは退職届と封筒を書く際のポイントや注意点を紹介します。

 

自己都合退職の場合(例文)

まずは自己都合退職するときの退職届を確認しましょう。

 

 

退 職 届

 

私儀

このたび、一身上の都合により勝手ながら2020年5月31日をもって退職いたします。

 

2020年3月31日 部署名 氏名㊞

株式会社〇〇 代表取締役社長 △△殿

 

会社都合の場合(例文)

会社都合で辞める場合には退職届をだす必要はありません。法律上の義務がないと伝えて拒否すればよいでしょう。

 

ただし事務処理の都合上、退職理由にかかわらず退職届の提出を求める会社はあります。やむを得ず提出する場合、退職理由の書き方には注意が必要ですが、以下のように書きます。

 

 

退 職 届

 

このたび、業績不振に伴う事業所閉鎖のため2020年5月31日をもって退職いたします。

 

2020年3月31日 部署名 氏名㊞

株式会社○○ 代表取締約社長 △△殿

 

書き方の主なポイント

例文を見ながら、項目ごとに書き方のポイントや注意点を確認していきましょう。

 

冒頭

1行目の中央に「退職届」と書きます。前述したとおり退職届と退職願は意味が違いますので、実際に退職する場合には退職願と書かないように気をつけましょう。

 

私儀

作法としての書き方なので必須ではありませんが、1行あけて右下に「私儀」(わたくしぎ)と記載します。「私個人のことで恐縮ですが」などの意味がある謙遜表現なので、謙遜の意味を込めて行末に下げて書きます。会社都合の場合は個人的な理由ではないため「私儀」は不要です。

 

退職の理由

自己都合退職の場合、本来の理由には結婚や家族の介護、職場の人間関係への不満などさまざまな事情があるでしょう。

 

しかし退職届には細かな理由を記載する必要はありません。通常は「一身上の都合により」と書きます。そもそも理由を書かないといけない決まりもないため割愛しても問題はありません。

 

会社都合の場合は「退職勧奨に伴い」「部門縮小に伴い」など簡潔に記載します。会社都合なのに「一身上の都合」と書くと自己都合として扱われ、失業保険の受給などで不利になるリスクがあるため注意を要します。

 

またすでに退職が決まっているため文末は「退職いたします」と言い切りのかたちにします。「お願い申し上げます」は退職願で使う表現です。

 

日付

退職届に記入する日付は2種類あるため注意が必要です。「×月×日をもって退職いたします」の部分には退職する日を書きますが、その後には届出日(提出する日)を書きます。稀に退職日の箇所に届出日や記入した日を書いてしまう人がいるため気をつけましょう。

 

西暦、元号のどちらでもかまいません。

 

署名捺印

自分の名前を記載し、認印や三文判で捺印します。朱肉がいらないシャチハタは受理されないケースが大半なので気をつけましょう。

 

宛名

社名は(株)などと省略せず正式名称を用います。宛名は代表取締役社長名でフルネームを記載します。実際に退職届を渡すのは直属の上司になりますが、退職届の宛名は社長にするのが一般的です。敬称は「殿」が丁寧な印象です。自分の名前よりも上になるように記載します。

 

封筒の書き方

封筒の表面に「退職届」と、封筒の裏面にご自身が所属する部署名、氏名を記入します。宛名は必要ありません。便箋は用紙の下側から折り、上側をかぶせるようにして三つ折りにします。

 

封筒裏の右上と、退職届の右上が重なるようにして用紙を封筒に入れましょう。手渡しの場合、通常は上司や人事担当者がすぐに確認できるよう封はしません。封がシールになっている封筒などは封をしても問題ありませんが、「〆」マークをつけます。

 

郵送する場合の封筒の書き方

退職届は手渡しが基本ですが、休職のまま退職する場合のように郵送で提出するケースもあります。

 

その場合は、手渡しと同じ手順で退職届が入った封筒までを作成し、添え状とともにひとまわり大きな郵送用の白い封筒に入れます。郵送用封筒には赤字で「親展」と記載し、受け取った人しか開封できないようにします。

 

郵送用封筒の宛名は一般に直属の上司や人事部などになりますが、誰宛てに送るのかは会社の指示に従います。最後に封筒をしっかりのり付けして郵送しましょう。テープはラフな印象なので使用しませんが、両面テープのようにのり付けと同じかたちになれば問題ありません。

 

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退職届の書き方でよくある疑問

最後に、退職届の書き方でよくある素朴な疑問にお答えしましょう。

 

手書き?パソコン入力?

退職届は一般的に手書きが好ましいとされます。書き損じたら書き直す必要があるため面倒に感じるかもしれませんが、お世話になった会社を辞めるための最後の手続だと思って手書きにしましょう。

 

パソコンのワード文書や無料でダウンロードできるひな形などを使ってもビジネスマナーとして問題はありませんが、上司の考え方などによってはあまりいい顔をされないことはあります。パソコンで作成する場合でも、署名部分は手書きにします。

 

縦書きと横書きどちらがよいの?

縦書きでも横書きでもかまいませんが、一般には縦書きが丁寧な印象を与えやすいとされています。横書きも縦書きと記載内容は変わりません。違うのは記載の順番で、本文より前に提出日や宛名、署名捺印をします。次のとおりです。

 

  • 冒頭の中央に「退職届」と書く
  • 上の行から提出日、宛名、署名捺印の順で記載
  • 「私儀」を右端に寄せて書く
  • 本文
  • 最後の行の右端に「以上」と書いて締める

 

なお、退職届を横書きにした場合でも封筒は縦書きにします。

 

正社員とパートで書き方に違いはある?

雇用形態によって書き方に違いはありません。ただパートやアルバイトの場合は退職届が不要だといわれるケースも多いようです。一度上司に聞いてみましょう。

 

なお、パートやアルバイトの契約は期間の定めがあるのが一般的ですが、この場合には労働契約の解除にあたり一定の制限があります。

 

  • 原則として契約期間中の退職はできないが、やむを得ない事情がある場合に限り退職できる(民法第628条)
  • 1年を超える期間で契約を結んだ場合、上記の規定にかかわらず契約から1年を経過した日以降はいつでも退職できる(労働基準法第137条)

 

やむを得ない事情というのは健康上の理由や家族の介護、職場でハラスメントを受けた場合などです。こうした理由で退職を希望する労働者を引き留めるのは会社としても難しいため、通常は退職が認められるでしょう。

 

契約期間途中でどうしても辞めたいが会社が契約違反を理由に断っているなど、何かトラブルがあれば弁護士などへ相談してみましょう。

 

 

まとめ

退職届は退職が確定したあとに会社へ提出する書類です。書き方に厳密な決まりはありませんが、会社のルールがあればそれに従い、なければ一般的な書き方を参考にするのがよいでしょう。

 

また退職届は必ず提出するべき書類ではないものの、一般企業で正社員として働いている方が転職などを理由により辞める場合には作成するのが望ましくあります。

 

とくに円満退職を希望する方は丁寧に書いた退職届を提出し、気持ちよく次のステップへ向けて進むのがよいでしょう。

この記事の執筆者
キャリズム編集部

転職・人材業界に深く関わるディレクターが『今の職場に不満があり、転職を考え始めた方』や『転職活動の進め方がわからない方』へ、最高の転職を実現できる情報提供を目指している。

本記事はキャリズムを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
※キャリズムに掲載される記事は転職エージェントが執筆したものではありません。

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