
販売員やデザイナー、そして商品企画…アパレル業界で働く人々には、華やかなイメージがあります。
しかし、その仕事の実態については、意外に知られていません。
この記事では、アパレル業界の職種や労働実態、アパレル業界への転職を成功させるコツについて紹介します。
アパレル業界の労働実態
アパレル業界は、服飾やファッションを扱うため、市場規模はとても大きなものとなっています。
また、ファッションに関心があるのは、若者が中心なので、消費者と従業員も若者が多くなっています。
以上のことから、アパレル業界の求人は、若い人材を求める傾向にあります。
もちろん、中高年向けのブランドは、その層にあわせた人材を募集していますが、それでも、求人は20代を対象としたものが多いです(応募は30代がもっとも多くなっています)。
また、販売員の募集は多いので、転職のしやすい業種だといえます。
ただし、お店は土日祝日はもちろん、お盆やお正月も開店していますので、休みは不定期です。
しかも、レイアウトやディスプレイの作成や変更といった重労働があります。
アパレル業界は、華やかなイメージですが、実際の労働環境はとてもハードなのです。
アパレルに属する職種
アパレル業界には、さまざまな職種があります。
以下は、アパレル業界を支えている主な職種です。
店長や管理職を目指せる販売員
販売員は、店頭に立ち商品を販売します。
それだけでなく、閉店後に店内のレイアウトやディスプレイの作成や変更もおこないます。
また、商品の発注や、在庫の管理、店内の清掃などもするので意外に重労働です。
なお、アルバイト採用が多い職種ですが、後に正社員登用があり、管理職や店長に昇格できる職種でもあります。
ブランドの新商品を提案する商品企画
商品企画は、市場を調査して新商品を考える職種です。
新商品は、消費者のニーズを予測し、トレンドを意識します。
さらに、シーズン毎のコンセプトを加えたものを提案して、採用されれば新商品としてお店に並びます。
新商品の企画は、素材の入手経路や生産量、予算なども考慮するので、扱う商品によって、必要とされる知識が大きく異なります。
ECプランニング/Webマーケティング
ECプランニングは、インターネットの販売サイトを企画・運営する職種です。
会社によっては、Webマーケティングと呼ばれています。
ちなみに、EC(エレクトロニック・コマース)は、インターネットで売買や決済をする「電子商取引」のことです。
ファッションの知識はもちろん必要とされますが、それ以上にWEBの知識が必要とされる職種なので、異業種からの転職がしやすい職種といえます。
アパレルの花形職業デザイナー
服やファッション小物といった自社商品をデザインする職種です。
非常に人気が高い職種で、販売員からデザイナーへの異動は、すべての販売員の夢といっても過言ではありません。
なお、デザイナー職は、多くの企業が販売員としての経験を必要としています。
社内での競争が激しいので、たいていの企業では、成果を出せないデザイナーは、すぐに販売員や商品企画といった別の職種に異動させられます。
ちなみに、求人はほとんどありません。
デザイナーへの転職は、とても狭き門となっています。
アパレル転職を成功させるコツ
アパレル業界は、ほかの業種に比べて、転職しやすい業界です。
しかし、だからといって、どんな人でも転職できるというわけではありません。
まず、ファッションに対して、強い関心と興味をもっていることです。
10代や20歳前後で入社した人たちは、ファッションが好きでたまらないといった人ばかりです。
転職したら、そのような人たちと一緒に働くわけですから、同じレベルの情熱は難しいとしても、失礼にならない程度の熱意と知識は求められます。
また、トレンドが目まぐるしく変わる業界なので、それについていけるだけの柔軟さも求められます。
どのようなファッションが流行るのか常にアンテナを張り巡らせる必要がありますし、どのような販売方法が受け入れられるのかも模索しなければなりません。
以下は、そんなアパレル業界への転職を成功させる3つのコツです。
好印象を与える服装で面接を受ける
アパレル業界は、私服で面接するところがほとんどです。
もちろん、これはどんな私服を着てくるのかをチェックするためで、ここでつまずくと、どんなに素晴らしい経歴の持ち主でもまず採用されません。
転職を希望する会社の服を着ていくのが無難ですが、その会社のブランドコンセプトに沿った、別のブランドの服を着ていってもかまいません。
面接官は、自社の服のよいところも悪いところも熟知しているので、下手なセレクトをするよりも、他社の服を着ていったほうが好印象を与えることもあるでしょう。
面接時の服装で、ファッションの知識と、社風に合ったセンスの持ち主であることをしっかりアピールしましょう。
正社員登用はあるのか、求人の目的を見抜く
アパレル業界のなかで、未経験や異業種から転職しやすい職種は販売員です。
ECプランニングやデザイナーなど、ほかの職種を希望しても、まずは販売員からスタートという会社は多いのですが、この販売員という職種は、一般的には激務なうえに薄給です。
雇用形態もアルバイトからスタートだったりしますので、転職する際は、労働条件をしっかり確認しましょう。
また、正社員登用は、登用試験の成績や販売実績によって決められるのか、それとも上司の推薦によるものなのか、そもそも正社員に登用された人はどれくらいいるのか、さらに、店長や異職種へのキャリアパスは開けているのかなど
も調べておくとよいでしょう。
ただ単に、販売員を補充したいだけかもしれません。求人の意図をしっかり読み取りましょう。
メンズや顧客年齢など会社の実績を確認
アパレル業界は、消費者の視点を重要視しています。
というわけで、消費者に近しい人材を採用する傾向にあります。
たとえば、20歳前後の女の子に向けたファッションブランドは、20歳前後の女性が採用されやすいですし、中高年に向けたゴルフウェアの会社は、30代40代の男性を採用したがります。
このマッチングを意識すると、転職の成功率は格段に上がります。
また、顧客の年齢だけでなく、会社の実績や経営方針にも注意しましょう。
たとえば、来期からメンズ商品を発売する、またはメンズから撤退するなど、そういった事業展開が読めれば、どのような人材を求めているのかが分かります。
面接ウケのいい資格
異業種からアパレル業界に転職するときは、その熱意をアピールするためにも、資格を取るのがおすすめです。
以下は、面接ウケのいい資格です。
ファッションビジネス能力検定
一般財団法人日本ファッション教育振興協会がおこなっている民間のファッション検定です。
ファッション商品の企画・生産・流通にまつわるビジネス知識や、ファッションの専門知識やそれを扱うためのスキルを問われます。
ファッション販売能力検定
ファッション販売能力検定は、ファッション商品の販売員に求められる知識とスキルを測る検定です。
こちらも一般財団法人日本ファッション教育振興協会の検定で、ファッションの商品知識と、販売の基礎知識、接客の基本的なスキルについての試験を受けます。
シューフィッターの資格
シューフィッターとは、お客さんにフィットする靴を選んで提案する職業です。
シューフィッターになるためには、足と靴と健康協議会が認定しているシューフィッターの資格が必要です。
とはいえ、一番ランクの低い資格でも、靴に関する仕事の経験が3年以上必要なので、転職のために取得する資格というよりも、取得していたら転職が有利になる資格といえます。
ファッションに靴は欠かせないものですので、この資格を取得していると、面接官に好印象を与えられるでしょう。
アパレル業界に強い転職エージェント
アパレル業界の転職は、転職エージェントの利用がおすすめです。
以下は、アパレル業界に強いおすすめの転職エージェントです。
クリーデンス
『クリーデンス』は、ファッション・アパレル業界に強い転職支援サービスです。
ファッション業界の求人企業数は、2,700社以上で、デザイナーから店舗スタッフまで幅広い職種で仕事を探せます。
FASSIONE(ファッショーネ)
『FASSIONE』は、アパレル業界専門の転職支援サービスです。
求人企業数は200社以上で、非公開の求人数は1,000件以上となっています。
エラン
『エラン』はアパレル・ファッション業界を中心に、転職・派遣を支援する求人情報サイトです。
デザイナーや店長、販売員だけでなく、コンシェルジュやWEB系の求人も取り扱っています。
▶エラン
まとめ
アパレル業界は、転職しやすい業界です。
しかし、企業の求める人物像がハッキリしており、ファッションの知識も必要とされるので、個人で転職先の情報を集めるのはなかなか大変です。
アパレル業界への転職を考えている人は、ぜひ転職エージェントを利用してください。
きっと最適な転職先が見つかります。
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