生命保険の営業職に対して、「高収入」「実力主義」というプラスのイメージがある一方で、「ノルマがきつい」「離職率が高い」などの怖いイメージをお持ちも方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、生命保険の営業職への転職を考えている方のために、保険営業の実態や魅力をご紹介していきます。
あなたが本当に生命保険の営業職に転職するべきかどうかを見極める材料にしていただければと思います。
また、生命保険の営業職への転職を成功させるためのコツや、おすすめの転職エージェントについても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
転職エージェントは3社登録がおすすめな理由と正しい選び方
転職エージェントを複数利用する際も、同じ領域で業務を展開するエージェントに登録しても意味がありません。例えば営業職で転職を検討している場合、まず登録すべきは大手で求人数を多数抱える『マイナビエージェント』や『doda』『type転職エージェント』のいずれか一つをまず選択。
「マイナビエージェント」や「doda」の両方に登録しても構わないのですが、どちらも総合的な職種を扱うエージェントですので、高確率で紹介される求人に被りが出てしまいます。
では、2社目のエージェントはどこにするかというと、『営業職の転職に強みを持つエージェント』です。
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とはいえ、営業職はどこの会社にもある最もポピュラーな職種ですので、比較検討すべき軸としては・・・
『行きたい業界に特化しているエージェント』
『自分の年代に近い求職者が集まっている』
の2軸になります。
この場合は、行きたい業界で選ぶなら・・・
不動産業界の営業職に転職したいなら『宅建ジョブエージェント』
IT業界の営業職に転職したいなら『レバテックキャリア』
コンサル業界の営業職に転職したいなら『ムービン』
広告業界の営業職に転職したいなら『マスメディアン』
を、私たちは提案します。
そして3社目の、自分の年代に近い求職者が集まっているエージェントですが、エージェントが抱える求職者も年代にはばらつきがあり、どの年代層が得意といった色があるので、最後に年代別に強いエージェントにも登録しておくと盤石です。
たとえば、
20代後半までの第二新卒であれば『ハタラクティブ』
29歳までの狭間の世代なら『U29JOB(ユニークジョブ)』
30代前半から後半の範囲であれば『パソナキャリア』
40代後半までであれば『ビズリーチ』
50代なら『JACリクルートメント』
が良いかと思います。整理するとこんな感じですね。
評判の良い各業界別・年代別のエージェントは「こちら」にまとめてありますので、ぜひ参考にして頂けますと幸いです。
保険業界の動向
2018年現在、保険業界の動向としては、好調であるといえるでしょう。
一時期は少子高齢化の影響で、業界全体として売り上げが落ちることが予想されていましたが、2016年度末の個人契約件数は1 億 6,772 万件となり、9 年連続で増加しています。
保障性の高い定期保険の契約高は35兆9,772億円と、前年比112.8%の増加を達成しています。
国内だけでなく、海外で事業を展開している保険会社も多く見られ、今後も保険業界全体で業績が伸びることが予想されます。
参考:生命保険の動向(2017年度版)|生命保険協会
保険の営業に転職するなら知っておきたい年収やノルマの実態

ここでは、保険営業の気になる実態について解説します。
年収、ボーナス
生命保険の営業職の一番の魅力と言える年収、ボーナスについてみていきましょう。
給与体系は完全歩合制で、売り上げを上げられればかなりの給料を手に入れることができるため、入社して数年で年収1,000万円を超えることも可能な世界です。
中でも生命保険のトップ営業だけが加入できる『MDRT 』という組織があり、その加入基準は
- 手数料が年間1,206万9,700円以上
- 保険料が年間3,620万9,100円以上
- 収入が年間2,075万9,900円以上
となっています。
トップクラスの保険営業マンであれば年収2,000万以上は手に入れているということですね。
ちなみに日本では約24万人の保険営業マンがいる中で、MDRTに加入しているのはわずか2850名程度といわれています。
生命保険の営業職を目指すのであれば、ぜひMDRTへの加入を目標に頑張りたいところです。
ノルマ
給料はよいけどノルマが厳しそう、というイメージが強い生命保険の営業職ですが、実態はどうなっているのでしょう。
求人には「ノルマなし」と書いてある会社もありますし、明確なノルマがない会社も存在します。
ただし、目標の契約件数が取れなければもらえる給料はどんどん減っていきますので、実質的なノルマはあると考えたほうがよいでしょう。
しかし、『ノルマ=目指す目標』ととらえ、目標を達成するためにはどのように仕事をしていけばよいのかという考え方にシフトさせることができれば、自然に売り上げも上がっていきます。
自分の頭と足を使って自分なりの仕事をすることができる点は、厳しいながらもやりがいを感じられるところでしょう。
離職率
ずばり、入社3年以内の離職率は約8割です。
生命保険の営業マンは会社に所属する社員でありながら自分で契約を取って収入を得るという、個人事業主のような働き方です。
成果を出し切れずに給料がどんどん減ってしまうような場合には離職してしまいます。
生き残る2割に入るためにはどのように仕事をして契約を取っていけばよいのか、自分なりのスタイルを早い段階で確立させることが肝になるでしょう。
保険会社の種類
生命保険会社にどのような種類があるのかを見ていきましょう。大きく分けて以下の3つがあります。
1つ目は国内生命保険会社と呼ばれるもので『日本生命』『第一生命』『住友生命』などが代表例です。
特徴としては、女性の直販営業マンが多いということが挙げられます。
2つ目は外資系生命保険会社で、『アリコジャパン』や『プルデンシャル生命』『アメリカンファミリー』などが有名どころです。
外資系生命保険では男性の少数精鋭の直販営業マンによる販売や、販売を委託している代理店での販売が特徴です。
保険会社によっては直販のみであったり、代理店販売のみであったりするケースもあるようです。
3つ目は損保系生命保険会社で、『損害保険株式会社』を親会社に持っており、『東京海上日動あんしん生命』『損保ジャパンひまわり生命』が有名です。
特徴は、直販部隊での販売と親会社が持つ損保代理店が生命保険も販売する代理店販売のチャネルを持っているということです。
直販か代理店販売か
生命保険会社の種類を確認しましたが、保険会社によって取り入れている販売方法が若干異なります。
つまり転職するとき「直販としての保険の営業」をやりたいのか、「代理店販売としての保険営業」がやりたいのかを考えておかなければいけません。
直販の保険営業であれば、成果さえ出せばかなりの報酬を得ることができるため、自分の力を試したい人や給与に魅力を感じて転職を考えている人、営業に自信のある人にはおすすめです。
一方、代理店販売での保険営業は、数社の保険会社の商品を扱っているため、一社専属の営業と違い、お客様のニーズにより多く応えられるというメリットがあります。
どちらの方法で保険の営業をやりたいかは人によって大きく異なる部分だと思いますので、保険の営業のどこに魅力を感じるのかをじっくり考えてみるとよいでしょう。

保険の営業には以下のような魅力があります。
- 自分の頑張り次第で高い給与を獲得できる
- 自分が成長できる環境がある
- 時間の使い方を自由にできる
詳しい内容を確認してみましょう。
自分の頑張り次第で高い給与を獲得できる
給料、ボーナスの項でも触れましたが、保険営業では完全歩合制となることがほとんどのため、自分の頑張り次第でかなり年収を上げることが可能です。
自分の営業力に自信がある場合や、実力主義の世界で成果を上げる自信がある場合、また、自分の実力を試したい場合などは、結果がわかりやすく給料にも反映されるため、かなり魅力的な仕事といえるでしょう。
自分が成長できる環境がある
契約を取り続け、給料をアップさせるためには営業スキルや保険の知識などを常にスキルアップし続ける必要があります。
そのため、がむしゃらに頑張って仕事をし続けてから、ふと振り返ってみると自分自身がかなり成長していると感じることができるでしょう。
また、会社に所属している身でありながら個人事業主のような扱いになるため、継続して収入を得るために経営的な視点を身につけられます。
また、成果を出し続ける責任感や、顧客に誠実に対応する倫理感を身につけられる点も、他の職では得難い魅力といえます。
時間の使い方を自由にできる
保険営業の場合、売り上げや契約の結果で評価が決まるため、逆に言えば働き方がキッチリと決められることはほぼありません。
休みも比較的自由に取れるため、自分の働きやすい方法で仕事ができる点も魅力の1つです。
ただ、自由な働き方ができるため、サボり癖がある人などセルフコントロールが苦手な場合は苦労することが多いかもしれません。

ここまで、生命保険の営業の実態についてと、保険営業を仕事とする魅力をご紹介してきましたが、ここからはデメリットについても見ていきましょう。
基本給がないこともある
研修期間中は基本給を出してくれますが、研修期間が過ぎれば基本給がなくなり完全歩合制になっていく…という会社もあります。
一般的なサラリーマンであれば、契約が取れても取れなくても月末になれば自然に口座にお金が振り込まれていますが、研修期間が過ぎた生命保険の営業マンはそうはいきません。
しかし、裏を返せば契約を取ることさえできれば給料に上限がないため、メリットとしてとらえることもできます。
結果が出せなければ朝~深夜・休日も拘束される
いつどこで働いてどこで休んでも、結果さえ出していれば自由というのが保険営業の世界です。
成果をしっかり出せる人にとっては、サラリーマンでは実現しにくい子供の運動会に行くことも、授業参観を見に行くことも、平日に遊びに行くこともできるため、大きな自由を手に入れられます。
しかし、結果が出せなければ毎朝早くから深夜までテレアポや保険の勉強、資料作り、ロープレなど、時間も労力も使うことになってしまうでしょう。
研修が少ない
多くの会社では最初に入社したらある程度の研修があります。
研修で業界の常識や営業方法のコツなどを教わり、OJTをしながら仕事を覚えていくものですが、保険営業ではOJTはほとんどありません。
ただ、他人のやり方を押しつけられることが嫌いな人や、自己流で仕事をしたい人には向いている部分かもしれません。
友人、知人から嫌われることがある
生命保険を売るために、最初にアタックしようとするのが既存の人脈です。
家族をはじめ親戚や学生時代の友人、前職の同僚などすべてが見込みのお客様になります。
そのような人たちに連絡を取り、生命保険の提案をすれば嫌われてしまうこともあるでしょう。
できることならすべて新規の見込み客にアタックすることをおすすめします。
経費が自己負担になる会社もある
会社に勤めているサラリーマンであれば、経費はあまり気にしたことがないかもしれませんが、一般的に、生命保険の営業マンは交通費、喫茶店でのお茶代などすべて自分で負担します。
保険の営業をやっていると、いろいろな場所に出向いてお客様とお茶を飲みながら保険の提案をするため、1回1回は気にならない額でも1ヶ月、1年で見るとかなりの額になります。
これらすべてを自分で負担し、自分で確定申告をしなければいけない点もデメリットとなるでしょう。

生命保険の営業職は必ずしも保険の知識があることが前提になったり経験を重視されたりすることがないため、窓口が広い転職先と考えることができます。
ただし、直販の営業なのか、代理店販売の営業なのか、そもそも営業に向いているかどうかなど、自分自身ではわからないことも多いと思います。
そんなときに活用していただきたいのが転職エージェントです。
転職エージェントにはあなたの転職をサポートする『キャリアアドバイザー』が在籍しており、あなたに以下のようなことを提供してくれます。
- キャリアの棚卸し
- あなたの適性の判断
- あなたの強みの発見
- 最適な転職先の紹介
- 履歴書・職務経歴書の作成
- 面接対策
- 面接のフィードバック
- 入社条件の交渉
- 退職のアドバイス
転職サイトや個人のツテなどで転職活動を行なうこともできますが、自分に合った職場を発見できるとも限りませんし、サポートがない分転職が成功する確率も下がることが考えられます。
もし、保険業界への転職を検討している場合には、転職エージェントの利用を強くおすすめします。
【関連記事】
転職エージェントと転職サイトの違いと賢い利用方法
転職エージェントを利用するメリットとデメリットの全知識
保険営業への転職におすすめの転職エージェント
ここからは、保険業の営業に強い、おすすめの転職エージェントを紹介します。
転職エージェント選びの参考にしてください。
【関連記事】 営業職の転職を成功させる転職エージェントの選び方と比較方法

保険を含む、金融業界の転職に定評のある転職エージェントです。
『マイナビ金融エージェント』は、キャリアアドバイザーの親身なサポートに定評があります。
アドバイザーが業界出身者で構成されているため、相談者それぞれの状況に応じて適切な紹介を受けることが可能です。
またマイナビは対面のサポートを重要視していますので、実際にキャリアアドバイザーと顔を合わせてじっくりとしたサポートをしてほしい、という人におすすめの転職エージェントです。

1994年から人材紹介事業を行なっている老舗の転職エージェントです。
転職市場に精通した、領域別の専任アドバイザーがあなたをサポートしますので、営業が未経験の人にもおすすめだといえるでしょう。
既卒・第二新卒といった若手から、ミドル世代まで幅広く対応していますので、一定のキャリアを積んだ人も利用する価値があります。
なお、『type転職エージェント』のキャリアアドバイザーは『企業の情報提供』と『面接対策』に力を入れています。
保険営業への強い思いはあるけれど、面接対策が不安だという人も利用するとよいでしょう。

人材紹介業界大手の『リクルート』グループが運営する転職エージェントです。
求人数の多さと質の高さに定評があり、非公開求人も多数所有しています。
非公開求人には、年収などの条件がよいものが多く見られますので、転職先に強いこだわりを持つ人におすすめのエージェントであるといえるでしょう。
また、キャリアアドバイザーの交渉力が高いことにも定評があります。
自身で入社後の条件などを交渉するのは気が引ける…という方にはおすすめです。

ハイキャリアと外資系の転職に定評のある転職エージェントです。
30代だけでなく、40代の転職成功率が高いのも『JACリクルートメント』の特徴であるといえます。
主なターゲットは年収600万円以上といったハイクラスの転職ですので、今まで他の業界で成果を出してきた営業マンにおすすめです。
また、ハイクラスをメインにしているだけにキャリアアドバイザーの質も高く、高い専門性を持った人のみが在籍しております。
転職でキャリアアップを狙っている人にもおすすめの転職エージェントです。

世界NO.1の総合人材サービス企業である『アデコ』が運営する転職エージェントです。
世界60の国と地域で事業を展開しており、そのパイプを活かして、国内企業、外資系、成長を遂げるベンチャーなど、あらゆる転職先を紹介できます。
『Spring転職エージェント』のキャリアアドバイザーは、転職希望者からは希望する条件を、企業の採用担当からはどのような人材が欲しいかを聞いていますので、高いマッチ率を実現しています。
転職先で長く働くことを考えており、企業の風土も含めた、自身に最適な転職先を見つけたい人におすすめの転職エージェントです。
生命保険の営業職に魅力を感じながらも、実態が不安であと一歩踏み出せなかった人も、これまで生命保険の営業職への転職を考えたことがなかった人も、参考になりましたでしょうか。
結果がすべての世界ですので厳しい面も多いですが、その分やればやっただけそのまま報酬で返ってくるという魅力のある仕事ですので、検討材料の1つにしてみてはいかがでしょうか。
また、転職の際には転職エージェントを利用することで成功する可能性が上がりますし、入社後の条件(年収など)もよくなる傾向にあります。
保険の営業への転職を検討している人は、ぜひ一度転職エージェントを利用してみてください。