未経験で医療事務に就職したい、でもどうしていいのかわからないという人は多いと思います。
そんな人のために、医療事務の魅力と求人数・おすすめサイトや資格・押さえておきたい面接のポイントをまとめました。
転職エージェントは3社登録がおすすめな理由と正しい選び方
転職エージェントを複数利用する際も、同じ領域で業務を展開するエージェントに登録しても意味がありません。例えば営業職で転職を検討している場合、まず登録すべきは大手で求人数を多数抱える『マイナビエージェント』や『doda』『type転職エージェント』のいずれか一つをまず選択。
「マイナビエージェント」や「doda」の両方に登録しても構わないのですが、どちらも総合的な職種を扱うエージェントですので、高確率で紹介される求人に被りが出てしまいます。
では、2社目のエージェントはどこにするかというと、『営業職の転職に強みを持つエージェント』です。
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とはいえ、営業職はどこの会社にもある最もポピュラーな職種ですので、比較検討すべき軸としては・・・
『行きたい業界に特化しているエージェント』
『自分の年代に近い求職者が集まっている』
の2軸になります。
この場合は、行きたい業界で選ぶなら・・・
不動産業界の営業職に転職したいなら『宅建ジョブエージェント』
IT業界の営業職に転職したいなら『レバテックキャリア』
コンサル業界の営業職に転職したいなら『ムービン』
広告業界の営業職に転職したいなら『マスメディアン』
を、私たちは提案します。
そして3社目の、自分の年代に近い求職者が集まっているエージェントですが、エージェントが抱える求職者も年代にはばらつきがあり、どの年代層が得意といった色があるので、最後に年代別に強いエージェントにも登録しておくと盤石です。
たとえば、
20代後半までの第二新卒であれば『ハタラクティブ』
29歳までの狭間の世代なら『U29JOB(ユニークジョブ)』
30代前半から後半の範囲であれば『パソナキャリア』
40代後半までであれば『ビズリーチ』
50代なら『JACリクルートメント』
が良いかと思います。整理するとこんな感じですね。
評判の良い各業界別・年代別のエージェントは「こちら」にまとめてありますので、ぜひ参考にして頂けますと幸いです。
医療事務への転職は未経験でも可能

医療事務は、未経験者でも転職可能です。
大きな病院であれば、『事務に関する知識・資格』や『実務経験』を求められるところもあります。
一方、小さな病院の場合には『未経験可』という求人が多く見られます。
詳しくは『医療事務の仕事内容』で説明しますが、医療事務の仕事において『レセプト業務』は専門的な知識も必要になりますが、『受付』や『会計』の場合には特別必要な知識はありません。
未経験可のような病院では、まず『受付』や『会計』などの業務から始め、先輩に教わりながら『レセプト業務』などの専門性のある仕事を覚えていくことが一般的なのです。
医療事務の仕事内容
医療事務の仕事内容は各医療機関の規模によって大きく変わります。
ただ、医療事務の代表的な仕事としては以下の4つが挙げられます。
事前に仕事の内容を把握しておけば、働くときのイメージも掴みやすいはずです。
ここでは、医療事務の主な仕事内容を紹介します。
受付業務
受付業務は、来院した患者に初診の手続きや、診察室までの案内などを行なう業務です。
初診の場合には診断書の記入などを、再診の場合には診察券や保険証の提示などを患者に求めます。
受付は患者と最も触れ合う仕事ですので『病院の顔』といえるかもしれません。受付の対応によって病院の印象が決まってしまうこともあり、コミュニケーション能力や臨機応変な対応をすることが求められるでしょう。
会計業務
会計業務は、診察を終えた患者に、自己負担分の治療費を請求する業務です。
ご存知の人も多いかと思いますが、健康保険などに加入している場合、発生した治療費の約7割を保険者が負担し、3割を患者が負担します。
会計の仕事は、診療報酬点数(治療の内容によって決まる点数)と自己負担分の割合を計算し、患者に医療費を請求するのです。
お金を扱う業務ですので、ミスの少なさ・正確さが求められる仕事だといえるでしょう。
レセプト業務
レセプト業務とは、公的医療保険などに治療費を請求する書類を作成する業務です。
前述のとおり、保険者は治療費の7割を負担しますが、それを請求する際に『診療報酬明細書』を送付します。
この診療報酬明細書のことを『レセプト』といい、レセプト業務では、患者の治療に応じた点数をレセプトに記載します。
レセプト業務もお金にかかわる仕事ですので、正確さが求められる仕事です。
カルテ管理
カルテ管理とは、患者の症状や治療内容などを記載する『カルテ』を作成・管理する業務です。
カルテは継続して治療を行なう際に非常に重要な書類です。
なお、近年では電子化が進んでいるので、ある程度のパソコンを操作する能力が必要になるでしょう。
医療事務の重要性
医療事務は病院・診療所の顔として最初に患者を安心させ最後に見送るという重要な役割を担っています。
患者と最初に顔を合わせるのが医療事務であり、体調不良の人と接する場合、声のかけ方ひとつで気分が悪くなってしまうことも考えられるでしょう。
患者に心地よく治療してもらうという、非常に重要な役割を医療事務は担っているのです。
また、医療事務はカルテ管理やレセプト管理など、医療機関の仕事を円滑にする役割も同時に担っています。
医療事務の仕事がなければ医師もスムーズな治療が困難になり得るので、社会的に大変意義のある仕事だといえるでしょう。
医療事務に求められる資質
医療事務に求められる資質は、『コミュニケーション能力』と『事務能力の正確さ・スピードの早さ』の2つだといえます。
何度も説明していますが、医療事務は患者と接する機会の多い仕事ですので、心地よく過ごしてもらうために、患者と円滑なコミュニケーションをとるスキルが必要です。
また、レセプト業務やカルテ管理は、病院によっては膨大な量を処理しなければならず、仕事のスピードを求められます。
同時に、お金や患者の治療にかかわる仕事ですので、間違いは許されません。仕事を正確にこなす能力も求められるでしょう。
医療事務の6つの魅力

ここでは、日本医療事務協会が掲げている6つの魅力を紹介します。
参考: 医療事務6つの魅力
1:働き方が自由に選べる
ライフスタイルに合わせて働くことができます。フルタイムの正社員、パート・バイトなどで家庭を優先する働き方もできます。
2:正社員を目指せる
異業種や未経験からでも就職・正社員を目指せます。本人の意思でキャリアアップをすることができ、そのための講座がいろいろな場所で開催されています。
3:子育てと両立できる
ブランクがあると再就職は難しいと思われがちですが、医療事務は違います。女性が多い職場環境ということもあり、同じ境遇の母親がいるので協力して働ける仕事です。
4:年齢に関係なく学べ、働ける
年齢にとらわれず、自分の実力で一生ものの仕事にできるのがこの医療事務の魅力です。特に人柄を重視される仕事なので、若いうちに接遇力をつけ、知識を学んでいくことができます。
5:学歴は問わない
就職に学歴を問われないのも魅力です。また資格にも学歴は問われないので受けやすく、働きながら挑戦する人も多くいます。
6:全国どこでも通用する
医療事務の資格やスキルは全国で通用します。引っ越しなどで退職しても次の就職に困りません。
また医療機関の規模に左右されず、今多い美容クリニックなどでも通用するスキルと資格です。
押さえておきたい医療事務7つの資格
資格は絶対必要なものではありませんが、医療事務が行なっている業務についてよく知ることができます。
仕事に全く知識がなくて就職するより、基礎知識を持っていたほうが採用される確率が高くなるでしょう。
日本医療事務協会おすすめの資格
資格名
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お勧めの人
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試験内容
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受験料
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医事コンピュータ能力技能検定試験
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- 医事コンピュータによるレセプト作成能力と医療事務、コンピュータの知識
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6,000円
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メディカルマナー検定試験
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5,000円
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レセプト点検業務検定試験
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6,000円
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参考: 日本医療事務協会
これらの資格の試験は専門や講座を受講した後に受けられます。
初心者向けの資格であり、知識をつけることを目的としているので、医療事務に就職する前や就職活動中に取ってもいいかもしれません。
国が認可している資格(認可しているだけで国家資格ではない)や民間資格で信頼性が高い資格
資格名
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おすすめの人
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資格の概要と目的
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試験内容
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受験料
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診療報酬請求事務能力認定試験
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- 経験・未経験を問わず誰でも受験をすることができるので就職や昇給に有利
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- 厚生労働省認可の資格なので信用性が高い
- 請求事務を迅速かつ正確に行なうことのできる人材の育成・確保
- 請求業務従事者の資質の向上
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- 医療関係・保険などの制度
- 診療報酬請求事務・薬学の基礎知識など
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7,500円
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保険請求事務技能検定試験
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- 保険請求事務の専門家として働きたい人
- 日本医療事務協会併設の人材派遣会社に登録して派遣として働きたい人
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- 30年前からある技能検定で、ハローワークや県の技術訓練校も推奨している信用性の高い資格
- 受験資格があり日本医療事務協会が主催する医療事務講座修了生が受験することができる
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- 医療の保険制度・診療報酬・医学や薬学に関する基礎知識
- レセプト作成
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7,000円
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医療事務管理士技能認定試験
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- 事務スタッフのスキルの証明になる資格
- 他の仕事にも有利になる(保険調剤薬局・検診センター・健康保険組合・保険審査代行機関・医事コンピュータのシステム会社・損害保険会社など)
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- 医療保険制度などの法規・保険請求事務・医学一般(臓器の名称・傷病)の知識
- レセプトの作成
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7,500円
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医療事務技能審査試験
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- 「メディカルクラーク」として仕事の幅を広げたい人
- 自身のスキルアップを目指す人
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- 40年以上続く信頼性の高い資格
- 診療報酬請求事務・良質なサービスの提供としての患者接遇などより質の高い専門技能を持つスタッフの育成
- 合格者には「メディカルクラーク」の称号が与えられ、医療事務職としての能力を備えていることの証明になる
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7,500円
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このほかにもたくさんの資格が用意されています。
働きながら取得する人もいますので、自分の目的に合った資格に挑戦しましょう。
資格必須の職業ではありませんが、資格があることで待遇にも差がつき、働く幅が広がります。
面接で押さえておきたいポイントと未経験者がよく聞かれる質問と答え方
まだ足を入れたこともない業界への就職は不安だと思います。
未経験者にとって面接はとても大切な自己アピールの場所です。
ここでは、未経験者が面接を受けるにあたっての考え方や、面接でよくある質問と回答例を解説します。
就職活動を始める前に明確にしておくべき3つの考え
これは医療事務に限ったことではありませんが、以下の3つをしっかりと考えたうえで、履歴書や面接に取り組みましょう。
- なぜこの業界・勤め先を選んだのか
- これからどのように働きたいのか
- 自分の得意なことや、自分の性格の把握
一番下の性格把握は求人サイトなどの診断ツールを活用しましょう。
また前職がある場合は、何故辞めたのかをしっかり考えましょう。
医療事務は資格がなくても働けますが、医療機関に携わるため、志望動機や考え方をよく見られます。自信を持った対応で、自分をアピールしましょう。
よくされる質問と答え方のポイント
「なぜ医療事務を選んだのか」「なぜこの病院を選んだのか」
- 自分の体験談をふまえて話す(高熱で待ち時間が辛かったときに事務員さんが優しく励ましてくれたなど)
- その病院がほかとどう違うのか(コンセプトでもいいですが、どんな人たちが診察に来ているのか把握し、その人たちにどう貢献したいのか)
医療機関で働くうえで何が大切か
- 自分が患者の場合どのような医療機関だったら安心できるか考える(患者の安心を一番に考えて不安をなくせるように接すること・患者の健康にかかわるので医師や看護師との意思の疎通を大切にしたいなど)
前の仕事について
- 前の仕事で嫌だったことではなく、自分が働いてきたことで得た強みをどう医療事務で活かせるかをふまえて話す
例: (前職ではお客様が気持ちよくお買い物ができるような接客を心がけておりました。医療事務でもこの経験を活かし、患者様を安心させる対応ができると思います。など)
- 前職と今の職が全く離れていても必ず重なる場所があるので自分がしてきたことをしっかりと見直す
例:(前職トラックの運転手:注意を払った仕事ができる・体力に自信があるなど)
未経験から医療事務への転職を目指すなら転職エージェントの利用がおすすめ
未経験から医療事務への転職を目指すのであれば、転職エージェントを利用することをおすすめします。
転職エージェントとは、転職を希望する人と、新たに人材を確保したい企業・事業所をマッチングさせるサービスです。
転職エージェントには『キャリアアドバイザー』と呼ばれる、あなたの転職をサポートする転職のプロが在籍しており、以下のようなことをしてくれます。
未経験から医療事務として働きたいと思ったとき、あなた自身で就職先を見つけるのは困難だといえるでしょう。
キャリアアドバイザーは各医療機関と連絡をとり、どのような人材を必要としているのかや、病院の内情について詳しく情報を集めています。
ご自身で転職先を選んだ場合、「思っていたような職場でなかった…。」といったミスマッチが発生する可能性が考えられますが、転職エージェントを利用すれば、そのようなことが発生する可能性は低くなるといえるでしょう。
また、面接対策も非常に重要です。
面接は、採用担当者にあなたの強みや仕事への意気込みを伝える場所です。
本来であればあなたに採用されるだけの資質があるにもかかわらず、対策が十分でなかったために不採用といったことにもなりかねません。
転職エージェントはそのような事態を防ぐために、面接の練習も行ないます。充分な対策をとることで、安心して面接に臨めるでしょう。
【関連記事】
転職エージェントを利用するメリットとデメリットの全知識
転職を絶対成功させたい人必見|活用すべき転職エージェント5選
医療事務への転職におすすめの転職エージェント3選
最後に、医療事務へ転職する人におすすめの転職エージェントを紹介します。
【関連記事】 事務職に強い転職エージェントの選び方と利用する際の注意点
どの転職エージェントも、転職希望者に寄り添ったサポートを行なうことに定評がありますので、ぜひ登録してみましょう。

『パソナキャリア』は、自社の利益よりも転職希望者に最適な転職先を紹介することをモットーとしています。
また、未経験業界へ転職したい人に対して、親身に対応することに定評があり、
- どこに転職したらいいか分からない
- 未経験でホントに転職できるのか不安だ
- 転職をするにあたって何をしたらいいのか分からない
といった、未経験業界へ挑戦する人が持つ悩みに対して、あなたの心に寄り添って対応してくれます。
未経験の業界に挑戦する人にとっては、最適な転職エージェントだといえるでしょう。

『マイナビエージェント』は『マイナビグループ』が運営する転職エージェントです。
『パソナキャリア』と同様に、転職希望者に寄り添ったサポートをすることに定評があります。
転職希望者と必ず面談を行ない、あなたの希望をヒアリングしたうえで最適な転職先を一緒に探します。
また、転職エージェント大手ゆえの求人数・非公開求人数の多さに強みがあるといえるでしょう。

『doda』は医療事務を含め国内最大級の求人数を誇ります。それゆえdodaにしかない独占求人も多数ありますので、必ず登録しておきたい転職エージェントです。
dodaは病院側からのスカウトメールが届くことも少なくありませんので、あなたの市場価値を判断しながら転職を行なえるというメリットがあります。
dodaのキャリアアドバイザーもあなたに寄り添ってサポートを行ないますので、未経験から医療事務を目指す人には最適の転職エージェントだといえるでしょう。
まとめ
どのような仕事でもはじめは未経験からなので、その職で何がしたいのかを明確に、時間があるのならば資格を取り就職活動に臨みましょう。
なお、未経験分野に挑戦する際には、何から始めればよいか、面接対策はどうすればよいかなど、悩みは尽きません。
そのような場合には、転職エージェントの利用を検討しましょう。キャリアアドバイザーがあなたの転職が成功するように、さまざまなサポートを提供してくれます。
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