女性が転職を考える際、事務職を視野に入れる方も多いのではないでしょうか。特に結婚や子育てをしていても仕事を続けていきたい女性にとって、事務職はとても魅力的な仕事に感じるかもしれません。
今回は、事務職への転職を考えている女性のために、事務職を選ぶメリットやデメリット、気になる給料の実態、そして受かりやすくなるための面接のポイントをまとめてみました。
事務職の種類と未経験者求人が多い事務職
まずは、事務職について初めて調べるという女性のために、事務職の種類から見ていきたいと思います。
事務職にも特別な資格や実務経験者、大卒を条件にしている種類のものがあります。ここでは資格なし・未経験者でも転職可能なものをお伝えします。
知っているようで知らない?事務職の種類4つ
①一般事務
さまざまな業界や企業において、事務業務を中心に行ないます。主に資料や契約書などの書類作成、電話・メール・来客対応・データ収集・ファイリングなどを行う仕事です。
②営業事務
企業などで営業担当者のサポートを行なう仕事です。主に顧客からの電話対応・商品管理・在庫や納期管理・請求書やプレゼンテーションの資料作成などです。
③人事事務
企業や組織において、人材募集・採用選考などの人事採用・社員の異動や退職に関する管理・給与支給額計算・年末調整などの給与計算・雇用・労働保険手続などを行ないます。
業務範囲が多岐に渡り、任される範囲も広くなりがちです。
④総務事務
企業などの総務部において、社内の設備・備品の発注・株主総会の契約書作成・防災関連や福利厚生の手続を行ないます。各部署が円滑に業務を進めていけるように社内環境を整えます。
未経験でも求人が多い事務
コールセンター
製品・サービスの注文受付や利用方法に関するお問い合わせ対応、新商品の案内・アンケート・市場調査などを行ないます。
受付
来客への対応、案内を主に行ないます。また、商品開発・イベントプランナー・店舗開発などは、未経験の方でも内定になる可能性もあります。
女性が転職後に事務職を選ぶメリット
転職の際、事務職を希望する女性はとても多いですが、具体的にどのようなメリットが期待できるのでしょうか。
転勤がない
営業職などの職種だと転勤がつきもの、というイメージもあるかと思いますが、事務職ではよほど大きな事情がなければ転勤はありません。
落ち着いて子供を育てたいという女性や、結婚後に夫婦で一緒に住めないのは嫌だという女性にとっては大きなメリットだと思います。
残業がないことが多い
事務では他の職種と違い、ノルマに追われることはありません。そのため、会社が定めた定時できっかりと仕事を終えて家に帰れることがほとんどです。
家に帰れば夕飯作りや洗濯などの家事仕事が残されている女性にとって、残業がないことは嬉しいメリットでしょう。
未経験でも採用されやすい
事務職で必要とされるスキルは、他の職種に比べてそこまで難易度の高いものではありません。
それよりも言われた仕事をきっちり丁寧にこなすまじめさや、他の社員とスムーズにコミュニケーションを取れる適応力の方が要求されます。
そのため、未経験であっても採用されやすく、初めて事務職への転職を考える女性も安心です。
ブランクがあっても採用されやすい
未経験でも採用されやすいということと似ていますが、ブランクがあっても採用されやすいという特徴があります。
「子育てのために1年、2年事務の仕事から離れていたけれど、子供も保育園に預けられるようになったので、仕事を再開したい!」という数年のブランクがある女性でも、問題なく採用されるケースがほとんどです。
育児、介護に理解がある
事務で働く女性には子供を持っている人が多かったり、親の介護をしながら仕事をしている人がいたりするので、会社としても育児、介護に理解をしっかりと持っている場合が多いのも、大きなメリットではないでしょうか。
「突然子供が熱を出してしまった」「介護中の父親の容体が心配」などの突然のトラブルに関しても柔軟に対応してくれるでしょう。
子育てや介護をしながら働きたい女性にとって、事務職を選ぶ大きなメリットと言えます。
事務職に転職する時の4つの落とし穴
ここまで、事務職に転職をするメリットをお伝えしてきましたが、この章では事務職に転職する際の落とし穴をご紹介していきます。
事務職に転職する上で落とし穴があることもしっかりと把握し、事務職を志望するかどうか検討してみてください。
競争率が高い
女性にとって人気の職種であるがゆえに、競争率はとても高いです。特に、
- 給与面の待遇がよい
- 福利厚生が充実している
- オフィスが綺麗or立地がよい
などの条件の求人は応募が殺到するので、採用されるにはハードルが高いと考えた方がよいです。
給料の跳ね上がりが見込めない
営業やマーケティングなどの仕事では、成果を出せば出すほど給料が上がっていきます。特にベンチャー企業や外資系企業であれば、年齢や社歴に関係なく、実力に応じて給料が跳ね上がるケースも多々あります。
しかし、事務職に関しては、ノルマや残業などの苦労がない代わりに、そのような給料の跳ね上がりも期待できません。
「キャリアウーマンとしてバリバリ仕事していました!」というような女性にとっては、物足りない仕事に感じるかもしれませんね。
経歴、職歴が生かせない恐れがある
先ほど、メリットの1つとして未経験でも採用されやすいということをご紹介しましたが、裏を返すと経験や職歴を活かせないということになります。
「これまで頑張ってきた仕事の経験を活かした職に就きたい」という方には、事務職はあまりおすすめできません。
仕事自体は淡々としている
仕事そのものに関しても淡々としているので、人によってはつまらないと感じてしまうこともあるでしょう。
「うまくいくかどうか分からないけど、自分の頑張り次第でどうにか成功させてやる!」というスタンスで仕事を楽しんでいた女性が事務職に転職すると、物足りなさやつまらなさを感じてしまうリスクが高いので、あまりおすすめできません。
自分のスキル・性格は事務職に活かせるか
続いて、事務職にはどのような資格や性格が向いているのか見ていきましょう。資格はあくまで有利になるということで、絶対ではありません。応募する会社の業務内容と照らし合わせながら、参考にしてください。
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目的別|女性の転職が有利になる資格まとめ
簡単に取れる!事務職に有利な資格4つ
簿記検定
経営活動を記録・計算・整理して、経営成績と財政状態を明らかにする技能です。3級はビジネスパーソンに必須の基礎知識を習得できます。経理、財務担当以外でも評価してくれる企業は多いそうです。
2級レベルになると、経営管理に役立つ知識として最も求められる資格の1つです。企業の財務担当者を狙うのであれば、必須の資格でしょう。
秘書検定
「言葉遣い」「話し方」「態度」「振る舞い」など、「人柄の要素」を学び、判定されます。知識以上に「人柄」が見られますので、事務職に就かなくても、女性なら持っていて損はない資格と言えます。
MOS
*MOS(マイクロソフト オフィススペシャリスト)とは、マイクロソフト認定の国際資格です。スペシャリストレベルとエキスパートレベルがあり、スペシャリストでは基本的な内容が出題されます。
また、ExcelとWordの2つの資格があります。業務内容にもよりますが、最近はパソコン業務が多いので、持ってない人との大きな差が出てくるでしょう。
TOEIC
大学では当たり前のようになりました。全く使わないと思われるかもしれませんが、英語ができるだけで業務が広がり、信頼される要素になります。
事務職に向く人の特徴
実際にどのような性格の人が事務職に向いているのでしょうか。
- まじめな人
- 細かいところまで気を遣える人
- 人とのコミュニケーションをスムーズに取れる人
- 人のサポートをするのが好きな人
- 同じ作業をコツコツ進めることができる人 など
性格の面では絶対とは言えませんが、同じことを続けることが苦手な人や、自分が表舞台でぐいぐい引っ張りたい人にとっては、かえって辛い仕事になるかもしれません。
また、女性の多い職業のため、コミュニケーションをしっかり取って働ける方に向いている職業だと思われます。
女性の事務職の給料|いくらくらいもらえるの?
やはり大切なのは月々のお給料ですよね。どんなに働きやすい環境での仕事であっても、お給料が納得できなければ意味はありません。実際どのくらいもらえるのか、ボーナスはちゃんと出るのか詳しく見ていきましょう。
【参考: はたらいく】
平均月収
【引用:はたらいく】
7割近くの方が月収15~20万のようですね。平均すると、年収が252万、月収が18万円です。成果に応じてインセンティブをもらい、毎月しっかり稼いでいたような女性にとっては物足りない給料だと感じてしまうかもしれません。
ボーナス事情
事務職もボーナスをもらえる会社がほとんどのようです。
一般事務は2ヶ月~4ヶ月分で、また、夏と秋の年に2回支給が一般的です。ただし、働いている地方によっては差が生じる場合もありますので、入りたいと考えている会社に直接確認するのがベストですね。
面接を成功させるために押さえておきたいポイント
転職活動の面接に慣れている方はおそらくあまりいないでしょう。まして、初めての職種の面接であれば、なおさら不安が大きいと思います。この章では、事務職への転職を成功させるために押さえておきたいポイントをまとめました。
身だしなみについて
第一印象は見た目で決まります。どんなに丁寧な話し方でも、見た目がきちんとしていないと悪い印象を与えてしまいます。
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女性の転職|好印象を持たれるスーツマナーと業界別着こなし術
面接時の服装
事務の面接はリクルートスーツがおすすめです。また、短くなければスカートスーツでも問題ありません。来客時にお茶出しなどが業務としてあり得ますので、目立つより品のある服装を心掛けることが大切です。
インナー
やはり白シャツが定番と言えますが、薄いストライプ柄やベージュでも問題ありません。ただし、胸元の空き具合には気をつけましょう。
パンツのライン
体のラインを強調せず、全体的にやや細身に見える細身のストレートパンツがおすすめです。自分にしっかり合っていないとだらしなく見えてしまうので、しっかり試着して気をつけましょう。
髪型
髪は長くなると雑なイメージになってしまうので、前髪が長過ぎたり、胸元まである方は、ピンでとめたり、後ろで結んでおくのがマナーです。また、明る過ぎる髪色も避けましょう。
詳しくは、「転職活動の面接で相応しい髪型と服装を男女別に解説」をご覧ください。
番外編|私服・普段着と言われた場合…
普段着で来てくださいと指定されるケースも少なくありません。この場合は、ビジネスカジュアルと呼ばれる服装であれば問題ありませんが、「ビジネスカジュアルってよく分からない!」という場合は、スーツを着用していきましょう。スーツを着てマイナスイメージを持たれることはありません。
面接でよく聞かれる質問に対しての返答について
「転職理由は何ですか?」に対する返答
転職の理由は必ずしも前の会社の話をしなくてはいけないわけではありません。転職理由を考える時に前の会社の不満を考えるのではなく、なぜこの会社でこの職業を選んだのか、前向きな理由から考え、まとめることが大切です。
また、この会社でどのようなキャリアを積みたいのか、具体的にどのように活躍したいと考えているのか考えておくと、採用する側もイメージしやすくなります。
「自己PRをお願いします」に対する返答
日本人にありがちですが、自己評価を実際以上に低くしてしまい、謙遜気味に伝える方が多いのですが、あまりよくありません。誇張する必要はありませんが、実績は実績としてこれまでの経験はしっかりとアピールしておきましょう。
また、前の仕事と応募先の仕事内容で重なっている部分を探し、そのことを強くアピールすることが大切です。
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あなたの自己PRは大丈夫?転職における面接テクニック
「当社のことは知っていますか?」に対する返答
面接前には、ホームページ・店舗・会社の経営理念など実際に確認できるものは確認し、どんな会社なのか知ることが大切です。知っていれば、そこから面接時に話題を広げることもできます。
「採用されたらいつ入社できますか?」に対する返答
在職中なら引き継ぎ状況のことも考え、即答できるようにしましょう。すでに退職をして転職活動中ならば、「すぐ入社できます」と答えましょう。
他の求職者との差別化の方法について
ここまででもご説明してきたように、事務職は必ずしも特別なスキルや経験が要求されるわけではありません。他の求職者と差をつけて採用されやすくなるために、どのようなことに気を付けて面接に臨めばいいのでしょうか。
それはズバリ、「この会社で働くことが楽しみでしょうがない!早くこの会社で働いてみたい!」という前向きなオーラを面接中に出すことです。
面接官も人間です。一緒に働いて楽しそう、一緒に働いたら自分も頑張れそうな相手を選びたくなります。緊張していても、自然な笑顔で会話できるように心がけてみてください。
絶対活用すべきサービスとそれぞれのメリット&デメリット
自力での転職活動は不安も苦労も多くなってしまうでしょう。そこで、今回は転職活動をする上で強い味方になってくれるサービスをご紹介します。また、それぞれのサービスの違いと活用の仕方についてもまとめました。
エージェント(転職サービス)
転職エージェントと呼ばれるアドバイザーが転職サポートをしてくれるのが最大の特徴です。
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転職エージェントを利用するメリットとデメリットの全知識
メリット
- 非公開求人情が多く掲載されている
- 経験、スキルを登録すると、企業からスカウトメールが送られる
- 書類の審査や面接のアドバイスをしてもらえる
- 企業への推薦をしてもらえる
- 面接の日程調整をしてもらえる
- 給与・入社タイミングの交渉をしてもらえる
- 選考結果の連絡をしてもらえる
- 担当者がつく
デメリット
- 営業時間があり時間にしばられる
- 雇用形態は正社員などと幅が狭い
求人サイト
メリット
- 求人情報が多く掲載されている
- Webから自分で直接応募できる
- 多くの雇用形態、勤務地を選る
- 利用時間が24時間で、時間に縛りがない
デメリット
- 全部自分で進めなくてはいけない
- 面接や書類などのサポート体制はない
※正社員でしっかり働きたい、ある程度就職に時間がかけられる、初めての転職が不安という方は、エージェントの活用をおすすめします。
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転職サイトと一口に言っても、その種類はかなり多いです。女性が事務職に転職するならどの転職サイトを活用した方がよいのか、おすすめの転職サイトを3つご紹介します。
①doda
パーソルキャリアが運営しています。キャリアアップに意欲的な女性をターゲットにしており、自分のスキル・希望に合わせて求人を紹介しているエージェントサイトです。
②マイナビ転職女性のおしごと(求人サイト)
大手人材企業なので求人の数が多く、種類も幅が広いです。毎週2回、希望条件に合う求人メールを受け取れます。また、スカウトメールを受け取ることができます。
③とらばーゆ(求人サイト)
リクルートグループが運営する、老舗の女性求人サイト。求人数も多く、毎週2回更新されます。正社員・パート・バイトなど幅広い雇用形態を掲載していて、転職トレンド、ランキング、女性のライフ&マネーなど、コンテンツが充実しています。
まとめ
いかがでしたか?女性にとって、転職は今後の人生の方向性を決める上でもとても重要です。それゆえに不安も大きいでしょう。
転職した後に後悔しないよう、本当に事務職に向いているのか、事務職に転職したらどのように働きたいのか、事前にしっかりと考えてから転職活動をするようにしてください。
今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。
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