
転職を考えている看護師の皆さんにとって、どの時期に転職するのがスムーズかつ転職の成功率が上がるのか、気になるところではないでしょうか。
転職をする時期を間違えると、転職自体がうまくいかなかったり、転職先で苦労したりする羽目になりかねません。
この記事では、どの時期に転職をするのがよいのか、時期ごとの転職事情をまとめ、転職の成功率を上げるために必要なことを記載していますので、ぜひ参考にしてください。
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募集時期によって求人数は異なる|求人数が多い時期
まずは看護師の求人の特徴を、時期ごとに分けて確認していきましょう。鉄則として求人数が多い時期を狙って転職活動をすることが大切ですが、一般的に看護師業界は年間を通して求人数が多いのが特徴です。
その中でも多い時期と少ない時期に分かれますが、時期によって求人の内容や質も異なってくるので、求人数の多い時期を時期別に説明していきます。
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7月|企業看護師の求人募集が多い時期
7月は6月のボーナスをもらってから退職する看護師が多いため、全体的に求人数が多い時期です。特に企業看護師の求人が多い月と言えるでしょう。
企業看護師はビジネスマナーを身につけることができる上に、土日休みで夜勤がないため、規則正しい生活を送りたい看護師の方には企業看護師として働くのは最適です。
8月|公務員看護師の求人募集が多い時期
8月も7月同様、ボーナス後の退職が増える関係で全体的に求人募集が多い時期です。特に、公務員看護師の求人募集が増える傾向にあります。
公務員看護師は公務員としての扱いになるため、安定した給料に退職金も保証されていてとても人気です。そのため、求人自体は少ないのに対して競争率が激しく、国立病院または県立病院に絞って転職活動することはおすすめしません。
また、8月は夏休みシーズンで休暇を取る看護師も多いので、病院内は最低人員数で仕事を回していて大変忙しい時期でもあります。
そのため、十分な指導を受けられないかもしれないというリスクもありますので注意してください。この時期の求人の特徴としては、やはり即戦力になる人材を中心に集めているところです。
またこの時期に転職すると転職先で夏休みを取れない可能性もあることを認識しておきましょう。
9月|7・8月に次いで求人募集が多い時期
7月8月同様、ボーナス支給後に退職した看護師の穴埋めをするため、9月も求人数が多い時期と言えます。
9月は新しく入職した看護師の教育体制が整っている病院が多い時期でもあるので、ブランクのある看護師、未経験の診療科へ転職する方におすすめの時期です。
4~5月|非公開求人が多い時期
一般的に4月、5月は求人数が落ち着く時期ではありますが、同時に非公開求人の多い時期であり、春先までの就職活動に失敗した看護師の方は次の応募先として検討してみましょう。
しかしながら、この時期は新人研修が忙しい時期でもあり、また春先の求人がうまくいかなった病院が求人を募集しているケースも考えられます。
そのため、応募する前に、病院の福利厚生、残業面、離職率の高さなど労働環境を確認してください。また、非公開求人を探す上でも病院の内情を知る上でも、転職エージェントに相談することをおすすめします。
看護師の経験年数が転職に影響する
看護師の転職を成功させるためには「何月に転職するか」も大切ですが「何年目で転職するか 」も大切なのをご存知でしょうか。
ここからは看護師の経験年数によってどのように違いが出て、どのようなアピールをしたらいいのか具体的に見ていきましょう。
1年未満で転職する場合
一般的に「看護師は同じ職場で3年働いて初めて一人前」と考えられる傾向にあるため、1年未満での転職はあまりベストなタイミングとは言えないでしょう。
しかし、「職場環境が悪くて体調を崩してしまった」「今の職場ではやりたい看護が学べない」などの理由から、1年未満でも転職を考える看護師の方はいらっしゃると思います。
もし1年未満で転職するのであれば、4月に転職しましょう。4月であれば新卒の看護師と同じように研修を受けられるからです。
そして、面接では前の職場に染まっていないフレッシュさをアピールするようにしましょう。
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3年目で転職する場合
看護師として3年目となると、新人研修などを任されるようになり、教育経験を積めるタイミングになります。
よって、3年目の時期も転職にベストとは言えないでしょう。新人の看護師たちを教育するという大きなチャンスを逃してしまうからです。
ただ、2年以上看護師の経験を積んでいると自分が理想とする看護像が明確になってくるタイミングでもあると思います。自分の理想とする看護を実現できるような職場を求めて転職をするのであれば、転職を成功させることができるでしょう。
その場合は、面接で理想の看護像をしっかりと伝えることと同時に基本的な知識や技術、経験は持っていることをアピールしましょう。
5年目で転職する場合
結論からお伝えしますと、看護師歴5年目がもっとも転職に向いている時期と言えます。
なぜなら、看護師としての基本的なスキル、経験はもちろんのこと、新人研修など人を指導する立場も経験しているからです。
それに加え、自身の理想とする看護がどのようなものかもはっきりとしているため、転職先選びでもミスが起きにくいのです。求人募集をしている病院も即戦力として是非とも来てほしいと思ってくれるでしょう。
注意点としては、5年近く同じ職場で働いているので、新しい職場環境に順応することが人によっては少し難しく感じられるかもしれないという点です。
職場環境や人間関係などが気になる場合は、転職エージェントに相談しながら転職先を慎重に検討することが大切です。
10年目で転職する場合
看護師歴10年はベテランです。そのため、同じ職場で10年経験を積んでいるとその病院での常識やルールがそのまま看護師の常識やルールとなってしまっており、新しい職場に移ったとき、慣れるまで相当な時間がかかってしまうでしょう。
ただし、職場を変えることで今までに経験できなかったことも経験できるチャンスは広がるため、学びたいことが明確な場合は転職するのもよいと思います。
看護師の転職活動は計画的に行なうべき
少しでも自身の条件に適う職場へ転職するために、転職活動は計画的に行なうことが大切です。
特に注意してほしい点についてまとめていますので、転職活動を始める前にチェックしてみてください。
時間的・金銭的余裕を持って取り組む
転職活動を成功に導くためには、一般的には、
- 賞与がもらえる時期
- 求人数が多い時期
の2つの時期を踏まえた上で計画を立てるべきでしょう。一般的に求人数が多い時期は質のよい求人が多く、採用のハードルが低くなっているので、希望の転職先を見つけやすい時期です。
また、転職活動には交通費等の費用がかかりますが、それ以上に、退職後から転職先で任給をもらうまでの期間の生活費をまかなわなければなりません。
金銭的な余裕を持つためにも、賞与が渡された後を見計らって退職できるような転職活動のプランを立てるべきなのです。
転職活動期間3ヶ月を見て計画を立てる
転職活動は、ある程度の時間と労力を要します。転職先へ求める条件や、看護師としてどのような能力や経験がPRできるのか、求人のリサーチなど、求人へエントリーするまでにもやらなければならないことは沢山あります。
在職中から転職活動を始める方は、日常の業務をこなした上で準備を進めなければなりませんが、求人へエントリーするにあたり面接日と休みを調整しなければなりません。
それに加え、退職の準備もしなければならないので、転職活動には3ヶ月以上の期間を要すると思ってください。
もし、ご自身ですべてのスケジュールを把握したり管理したりすることが不安な場合は、転職エージェントに相談しながら進めていくと、無理なく転職活動を進めることができますので、転職エージェントへの登録も視野に入れたほうがよいかもしれませんね。
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看護師によって、転職活動に至った経緯はさまざまであり、転職活動を行なうべき時期もケースバイケースになります。それでは、ケースごとにどのような時期に転職するのがよいのか、見ていきましょう。
ブランクがある・未経験の診療科へ転職する看護師の場合
出産や育児で看護師としてのキャリアにブランクがある、または未経験の診療科へ転職を希望されている看護師の方は、研修期間が設けられている時期に転職するのがよいでしょう。
11月~3月
4月は新人の教育研修が行われますが、この時期に転職した看護師は、新人研修と併用して研修期間を設けてもらいやすくなります。そのため、4月から入職を希望する方は、11月後半~3月に転職活動を行なってください。
5月~8月
また9・10月も下半期に入職する看護師への教育制度が充実している時期です。9・10月から入職を希望される方は、5月~8月の間に転職活動を行ないましょう。
注意点としては、6~8月は求人の多い時期ですが、ある程度、即戦力になれる人材を募集している傾向にあるため、あまりおすすめしません。
人間関係に不安がある看護師の場合
前職の人間関係に嫌気がさしたために、転職を希望される看護師は珍しくありません。
9・10月は新しく看護師の研修期間が設けられており、仕事を丁寧に教えてもらうことができるので、入職時から仕事でつまずくリスクが少ない時期になります。
この時期に入職する看護師は、同じように研修を受ける看護師が多いため、職場にも馴染みやすいでしょう。
また、応募する際は、職場の平均年齢・平均勤続年齢を確認し、自身と同じ境遇の看護師がどれくらいいるかを確認してください。9月の採用を狙っている方は、5月頃から転職活動を始めましょう。
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看護師が転職をする上でスムーズに退職するための手順
転職活動を成功させるうえで、理想の転職先を確保することももちろん大切ですが、スムーズに退職することも同じくらい大切なことです。この章では、スムーズに退職するための手順をご紹介していきます。
①就業規則を確認する
当然、入職する前に前職の雇用関係が解消されていなければなりませんが、法的には退職願の2週間で雇用関係は解消されます。
しかしながら、就業規則によっては2週間以上に設定されている場合もあるので、必ず就業規則を確認してください。
②退職の意思は3ヶ月前に伝える
退職したい旨は3か月前までに伝えておくのがベターです。看護業界は、退職者の多い業界ですので、後々、同僚と辞める時期が重なる事態を避けるためにも早いに越したことはありません。
言いにくいことではありますが、迷惑がかからないよう、早めに伝えておきましょう。
③賞与算定期間と賞与支給時期の確認をする
できることなら賞与(ボーナス)をきちんと受け取った後に退職したいですよね。
賞与には算定期間が設けられておりますが、算定期間の前に転職の意思を伝えたことにより、賞与が減額されたケースがあるため、転職活動を始める前に賞与算定期間と賞与支給時期の両方を確認してください。
転職活動だけでなく、転職後も何かとお金はかかりますので、ボーナスをしっかりもらえるように念には念を入れておきましょう。
看護師の転職活動において重要なこと
最後に、看護師の転職活動を成功させるうえで大切なことをまとめておきます。
徹底した情報収集
転職を成功させるうえで大切なことは
- 自分が理想とする病院、企業を間違いなく選べるか
- 転職先の病院、企業に自分を印象付けられるか
の2点です。そして、その2点を完璧にするうえで重要になるのが徹底した情報収集。
自分に合った病院や企業かどうかを見極めるためにも、情報収集は欠かせません。また、転職先に自分をアピールする際も「なぜこの病院に転職したいのか」を明確に伝えるうえで相手先の情報はとても重要です。
もし自力での情報収集が困難なようであれば、転職エージェントの力を借りるのも賢い手だと思います。
看護師の転職に特化した転職エージェントの活用
看護師の転職に特化した転職エージェントは数多く出てきています。求人数を多く持っている転職エージェントや、非公開求人に強みを持っている転職エージェントもありますので、自分だけで悩む前に登録してみることをおすすめします。
登録料、利用料は無料ですので、安心して活用できますね。転職エージェントについて、もっと知りたいという方は『転職エージェントを利用するメリットとデメリットの全知識』をご覧ください。
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まとめ
いかがでしたか? 転職を成功させるうえで時期やタイミングはとても大切です。
この記事で、希望通りの転職ができる看護師の方が1人でも増えてくれたら幸いです。
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転職・人材業界に深く関わるディレクターが『今の職場に不満があり、転職を考え始めた方』や『転職活動の進め方がわからない方』へ、最高の転職を実現できる情報提供を目指している。
本記事はキャリズムを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
※キャリズムに掲載される記事は転職エージェントが執筆したものではありません。
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