本コンテンツには、紹介している商品(商材)の広告(リンク)を含みます。
ただし、当サイト内のランキングや商品(商材)の評価は、当社の調査やユーザーの口コミ収集等を考慮して作成しており、提携企業の商品(商材)を根拠なくPRするものではありません。
中小企業診断士は中小企業の経営コンサルティング(診断・助言)が主な業務となります。
経営コンサルティング自体は無資格でもできますが、中小企業診断士資格は国家資格であり、取得した方が対外的な信頼度は増すといわれています。
特に社会人が資格取得を目指す場合、働きながらでも取得できるものなのか不安ですよね。中小企業診断士資格の難易度はどれくらいなのでしょうか?
また、1年間の学習期間で1次試験・2次試験の合格は可能でしょうか?
中小企業診断士試験の試験概要
一般社団法人 中小企業診断協会では中小企業診断士について「中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家」と言っています。
中小企業支援法第11条に基づき、中小企業診断士資格試験に合格し、実務補習または診断実務をそれぞれ15日間以上経験した者が中小企業診断士として登録できることになるのです。
(中小企業の経営診断の業務に従事する者の登録)
第十一条 経済産業大臣は、中小企業者がその経営資源に関し適切な経営の診断及び経営に関する助言(以下単に「経営診断」という。)を受ける機会を確保するため、登録簿を備え、中小企業の経営診断の業務に従事する者であつて次の各号のいずれかに該当するものに関する事項を登録する。
一 次条第一項の試験に合格し、かつ、経済産業省令で定める実務の経験その他の条件に適合する者
二 前号に掲げる者と同等以上の能力を有すると認められる者で、経済産業省令で定めるもの
2 前項の規定により登録すべき事項及びその登録の手続は、経済産業省令で定める。
引用元:中小企業支援法第11条
マーク式の1次試験
中小企業診断士の試験はマークシート式の1次試験、筆記試験・口述試験の2時試験に合格する必要があります。
マークシート式の1次試験では、「経済学・経済政策」「財務・会計」「企業経営理論」「運営管理」「経営法務」「経営情報システム」「中小企業経営・政策」の7科目を受験します。
- 「経済学・経済政策」「財務・会計」「経営法務」「経営情報システム」の試験時間は60分
- 「企業経営理論」「運営管理」「中小企業経営・政策」の試験時間は90分
です。1次試験は2日間に渡り試験が行われ、それぞれの教科の配点は100点満点です。
筆記・口述の2次試験
2次試験では筆記試験と口述試験が行われます。
筆記試験の科目は「組織・人事の事例」「マーケティング・流通の事例」「生産・技術の事例」「財務・会計の事例」です。筆記試験では4事例それぞれ80分の回答時間が与えられ、100点満点の配点です。口述試験は筆記試験の合格者のほとんどが合格する内容なので、構えすぎずに臨みましょう。
1次試験は札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡・那覇の 8地区、2次試験は那覇を除いた8地区で受験することが可能です。
また、中小企業診断士の資格試験は、1次試験と2次試験の間隔が短いので、1年で合格を目指したいのならば同時に学習を進めていきましょう。1次試験は8月上旬の土・日の2日間に渡り行われます。2次試験(筆記)は10月中旬の日曜日、2次試験(口述)は12月中旬の日曜日です。
参考:一般社団法人 中小企業診断協会
中小企業診断士試験の難易度は?
中小企業診断士資格は、勉強すべき教科も多く難易度は高いですが、他の国家資格である弁護士や税理士、公認会計士に比べると難易度は低いとされています。
働きながらスキルアップや独立のために取得を目指す人も多く、難しい資格ではありますが勉強して十分な準備をしておけば取得可能な資格といえそうです。
中小企業診断士試験の合格率
中小企業診断士の令和元年の合格率は、1次試験は30.2%でした。
過去5年間で見てみると
- 平成28年が26.0%
- 平成28年が17.7%
- 平成29年が21.7%
- 平成30年が23.5%
なので、令和元年は例年に比べると合格率が高くなったことがわかります。
令和元年2次試験の合格率18.3%でした。
過去5年間で見てみると
- 平成27年が19.1%
- 平成28年が19.2%
- 平成29年が19.4%
- 平成30年が18.8%
なので、2時試験に関しては毎年18〜19%の安定した水準で推移しています。
参考:一般社団法人 中小企業診断協会
中小企業診断士試験は働きながら合格できるか
中小企業診断士は、働きながら合格を目指す人が多い資格です。
中小企業診断士試験の特徴として、働きながら取得を目指す方が非常に多いことです。令和2年1次試験の合格者は、民間企業勤務が3,085名と一番多かったです。
続いて多いのが
- 政府系以外の金融機関勤務が496名
- 税理士・公認会計士等自営業は174名
- 経営コンサルタント事業所等勤務153名
と働きながら受験する人が非常に多いことがわかります。学生に関しては381名と、弁護士・税理士などの資格に比べると少ない傾向にありました。
参考:一般社団法人 中小企業診断協会
中小企業診断士試験の受験者の属性
令和2年の第1次試験に合格した方の性別は、男性が4,655名、女性が350名と圧倒的に男性が多いことがわかりました。
年齢は、30~39歳までの合格者が一番多く1,609名、
- 次に40~49歳までが1,398名
- 次に50~59歳が906名
- 20~29歳が816名
でした。会社員としてさらなるスキルアップを目指す年代の方が積極的に受験していることがわかります。
参考:一般社団法人 中小企業診断協会
中小企業診断士試験の勉強時間
中小企業診断士試験に合格するために必要な勉強時間は、1,000時間といわれています。
1,000時間を1年で勉強するには1週間で20時間程度、毎日3時間程度の学習が必要です。ただし、中小企業診断士資格は働きながら受験勉強をする方も多いです。平日に残業などで勉強時間を捻出できない場合には、2年~3年の長期計画で取得する方もいらっしゃいます。
大手予備校LECの調査によると、学習期間1年での合格者が27%と一番多かったです。短期集中して学習をする方がいる一方で、学習期間2年以内が21%、学習期間3年以内も21%でした。4年以上学習している方も15%いらっしゃいます。
中小企業診断士資格は出題範囲も広く難関資格ではありますが、公認会計士資格は3,600時間、税理士資格は2,500時間に比べると少ない勉強時間でも取得できます。
司法書士資格も1,000時間といわれているので、司法書士資格と同程度といえます。
参考:LEC
中小企業診断士資格を取得するメリット
中小企業資格診断士資格を取得するメリットについて紹介します。
経営に関する知識を得ることができる
中小企業診断士資格は、中小企業の経営に関することを一通り勉強します。経営の知識を得ることができれば、その企業がどうすれば収益が増やせるのか、成長できるか、リスクを減らせるのかがわかるようになります。
そのため、中小企業に対するコンサルティング業務を行う場合にはもちろんためになりますが、中小企業に対して融資を行う銀行なども経営状況を判断して融資をするかどうかの判断がしやすくなるでしょう。
国家資格なので信頼性が高い
中小企業診断士資格は経営に関するコンサルティングを行う日本では唯一の国家資格です。
コンサルティング業務は資格がなくてもすることはできますが、コンサルティングは形が無いものなので、やはりコンサルタントの経歴や実績、所属する会社などで判断されるでしょう。
大企業のコンサルティングファームならば会社の名前で引く手数多かもしれませんが、個人で事業を行うのであれば国家資格があった方が対外的に信頼度は増し、仕事も受注しやすくなります。
独立しやすい
中小企業診断士の資格を取得すれば独立しやすくなるのもメリットです。中小企業へのコンサルタントだけではなく、セミナー講師や経営系メディアの記事の執筆、商工会議所での経営指導員という役割などさまざまな業務があります。
もちろん、独立したら自身で活動の幅を広げる努力は必要になりますが、それが苦ではないのであれば会社勤めより自由に、好きな仕事を選んで活躍できます。
名刺に「中小企業診断士」と書ける
中小企業診断士の資格を保有できれば、それを名刺に記載することもできます。
一般的なビジネスマンであれば中小企業診断士資格は難易度が高いと認知されているので、一目おかれる存在になれるのではないでしょうか。
どうして資格取得を目指したのか、どれくらい勉強したのかなど会話が弾むきっかけになるかもしれません。名刺交換でインパクトを残せるのも中小企業診断士資格取得のメリットです。
昇格や昇給の基準になる
中小企業診断士資格の取得が昇格や昇給の基準となっている会社もあります。また、お祝い金として数万円支給される場合もあるようです。中小企業診断士の知識を業務に活かせるだけではなく、キャリアアップとなればさらにメリットがあるといえます。
人脈が広がる
中小企業診断士資格を勉強するために予備校に通えば、将来中小企業診断士として活躍する仲間の繋がりができます。予備校に通わなくても、実務研修などで交流の機会はあるでしょう。
また、中小企業診断士は仕事上でもクライアントとなる中小企業はもちろんですが、行政、他の士業などとの交流も増えます。交流が増えるほど仕事につながる可能性は高くなるので、資格取得のメリットは大きいといえそうです。
会社員でも副業しやすくなる
中小企業診断士資格を所有していれば会社員でも質の高い副業ができます。たとえば、経営者向けのメディアでの執筆や補助金申請のサポートなら会社員の副業でも十分できます。
中小企業診断士の資格があることで、単価が高い仕事も受注でき、効率よく働くこともできるでしょう。
効率的な勉強には通信講座がおすすめな理由
中小企業診断士資格の取得を目指す場合、独学・予備校通学・通信講座という学習方法があります。
独学は無理ではありませんが、中小企業診断士資格は出題範囲が広いので効率的に学習したい場合には向きません。また、記述問題の添削が受けられないのも大きなデメリットです。
予備校に通学する時間を捻出する必要があり、残業が不定期にある場合はスケジュール調整が難しいでしょう。また、一般的に通信講座に比べると通学式の予備校の方が授業料は高い傾向にあります。さらに、通学式の予備校は校舎毎に講師が配置されますが、校舎によって講師の質にバラつきが出るのもデメリットです。
そこでおすすめしたいのは通信講座です。
1年間という短い期間でも合格の可能性が高い
通信講座で勉強すれば、スキマ時間に学習することができますし、最近は講師に対して直接質問する時間があるコースもあります。1年という短い期間に集中して合格を目指すコースも多いです。
質の良いプロ講師によるビデオ講座
通信講座の場合は各校舎に講師を配置する必要がないので、質の良いプロフェッショナル講師のビデオ講座を受けることができます。
通信講座もほとんどが1年の学習期間で合格を目指すカリキュラムになっています。ほとんどの通信講座ではマルチディバイスで視聴できる講座内容になっているので、通勤時間や昼食時間なども、隙間時間を上手く使って学習できるのも大きなメリットです。
webテキストだから参考書を持ち運ぶ必要がない
また、通信講座によっては紙のテキストだけではなく、webのテキストを用意しているところもあり、重いテキストを持ち運ぶ必要もありません。
通学式の講座に比べて費用が安い
さらに、通信講座は通学式の講座に比べて費用が安いのもメリットです。安い物であれば50,000円程度から用意されています。
通信講座なので独学に近いと感じるかもしれませんが、講師への質問ができる講座もあり、質問をたくさんしたいという場合には質問を無制限にできるような講座を選ぶのも良いでしょう。
さまざまな講座があり、それぞれの講座にメリット・デメリットがあるのでよく比べて受講を決めてくださいね。
まとめ
中小企業診断士の資格試験は勉強すべき科目が多く、1次試験・2次試験の間が短いので、しっかりと準備しなければ合格は難しいです。
公認会計士や税理士に比べると難易度は低いものの、1,000時間程度の学習が必要といわれており、1年で合格を目指すのであれば1日2〜3時間の学習が必要になります。
中小企業診断士資格の受験者は圧倒的に会社員が多いので、働きながら隙間時間を見つけて学習しなくてはいけません。独学では非効率ですし、通学式の予備校は時間の融通が効きづらいです。
中小企業診断士資格の受験勉強は通信講座がおすすめです。受講は好きな時間に好きな場所で何度でもできるカリキュラムが多く、通勤時間や昼休憩の時間も効率的に使えます。
さらに、受講料は通学式の予備校に比べるとリーズナブルに設定されているのも嬉しいポイント。一口に通信講座と言ってもさまざまなカリキュラムがあるので、メリット・デメリットを比べながら選んでみてはいかがでしょうか。