
管理部門(総務・経理・財務・人事・法務)で経験を積みたいと考えている人も少なくないでしょう。きついノルマもなく、業務時間内に帰られることも多い管理部門は、働きやすさでも人気の職種です。
その管理部門(バックオフィス)で転職を成功させてキャリアアップをするためには、どのようなポイントを押さえてキャリアを積んだらいいのでしょうか。
本記事では、管理部門で転職したい方のために、成功のコツをお伝えします。
管理部門(バックオフィス)の人のよくある転職理由
転職支援サービス「doda」を運営しているパーソルキャリアが2018年度に実施した「転職理由」についてのアンケート調査結果によると、管理系で転職活動をした人の上位の理由は下記のようになりました。
- 1位:ほかにやりたい仕事がある(15.2%)
- 2位:会社の将来性が不安(12.5%)
- 3位:専門知識・技術を習得したい(8.0%)
- 4位:給与に不満がある(7.5%)
- 5位:幅広い経験・知識を積みたい(7.2%)
ちなみに、総合の転職理由ランキングは下記の通り。
- 1位:ほかにやりたい仕事がある(14.7%)
- 2位:給与に不満がある(11.0%)
- 3位:会社の将来性が不安 (9.7%)
- 4位:残業が多い/休日が少ない(8.0%)
- 5位:専門知識・技術を習得したい (5.3%)
この結果から、管理部門の転職希望者は、労働環境や待遇の改善を求めるよりも、1位・3位・5位の転職理由のように自身のキャリアアップを求めて転職活動をする人が多いことが分かりました。
引用元:みんなが転職する理由は?転職理由ランキング 2018 |転職ならdoda(デューダ)
管理部門(バックオフィス)は専門性の高さが求められる業務も多く、管理職などを目指す人にとっては業務の幅を広げることも重要です。
つまり「今の職場ではこれ以上のスキルアップは期待できない」と思った人が転職を考えやすい職種であると言えます。
管理部門(バックオフィス)の転職は難しいのか?部門別の理由
総務の場合
採用枠が少ない
総務職は社内の雑務や事務作業に対応するための部署で、社内でも少人数で運営されていることが多いです。また、総務の仕事が嫌いになって辞める人は少なく、定員に空きが出ることもあまりありません。
経理や財務と違って専門的な知識も必要なく働けて、営業職のようなノルマもないため人気の職種なので、少ない採用枠に多くの応募が集まってしまい、採用倍率が高い職種なのです。
総務を兼任する場合は経験者が有利
総務職は事務的な業務が多いため、総務職専門での人員を設けていない企業も多いです。
経理や法務などと総務を兼任している企業も多いため、業務範囲が広いほど経験者を採用する傾向になってしまい、経験が浅かったり未経験だったりすると転職が難しくなってしまいます。
社内の異動先となる
社内異動を希望した社員の異動先となることも多い総務。企業側も採用コストをかけずに済みますし、社員側も転職などの負担もなく、今までの業界知識などを活かせるため、総務は社内異動で人員を埋めてしまう企業が多いようです。
経理の場合
専門性が高い
経理職は専門知識や専門スキルが必要とされるため、未経験者はなかなか手を出しにくい職種でもあります。企業によっては経理だけでなく財務なども任されるので、幅広い専門性を必要とします。
経験者が優遇される
専門的な知識のほかに、実務経験も重視される傾向にある職種です。「自分のキャリアアップのために、未経験の経理に転職したい!」と思っても、実務経験が乏しいと書類審査をパスしないケースも多々あります。
定員がすぐに埋まってしまう
総務同様に定員が少ない経理。それに加えて、社内のお金周りを扱う仕事なので、会社としても信頼している社員に仕事を任せたいと思い、社内異動で定員を埋めてしまいます。
そのため、定員がすぐに埋まってしまって、求人として出てくることが少ないのです。
財務の場合
未経験者には難しい
企業によって異なりますが、財務の主な仕事は資金調達、資金管理、財務戦略の実行などです。財務のプロとして幅広い知識が必要なため、今まで財務の経験がない人にとっては手が出しにくい職種となっています。
経理から異動するケースが多い
社内のお金周りの業務でのキャリアアップを希望する場合、経理職を経験したあとに、財務職に社内異動するケースが多いです。そのため、財務としての求人が少なくなかなか転職が難しいと言われています。
豊富な社会人経験を必要とする
財務について未経験であっても採用されやすい人の傾向として、管理職を経験した人という特徴が挙げられます。これは、財務という仕事の特性上、将来的なキャッシュフローを考えないといけないため、経営者的な視点が必要となるから。
そのため、転職希望者のなかでも社会人経験が豊富な人が優遇されることが多いです。
人事の場合
採用枠が少ない
他の管理部門の職種同様に定員数が少ない人事。社内に精通している人が業務にあたってほしいという会社側の意向もあり、社内異動で人員が埋まってしまうことが多いのです。
欠員も出にくい
人事は比較的専門性も必要なく働きやすい職種なので、欠員が出ることも少ないため、表に出る求人自体が少なくなってしまうのです。
人事自体を設けていない企業もある
最近では、人材採用や人材育成について外部のパートナー企業に依頼している会社も多く、社内での人事の仕事自体が減ってきています。
労務関連は総務と兼任したりするなど人事職専門人員を設けていない企業も多いため、採用枠が少なくなってしまうのです。
法務の場合
未経験者では難しい
社内での法律のスペシャリストという立場のため、そもそも未経験者は採用されにくい傾向にある法務。新卒でも法務職を募集している企業はほとんどなく、未経験者ではハードルが高い職種なのです。
経験者でも大変
法律は頻繁に改正され、昨年は許されていたことが今年は許されないなどが頻繁に起こります。
それが原因で会社に損失が出てしまうこともあるため、法務は経験者であってもブランクがあったり経験が浅かったりすると採用が難しい仕事なのです。
法務職を設けている企業が少ない
特に中小企業では法務職専門の人員を設けている企業は少ないため、そもそもの採用枠が少ないだけでなく、求人情報が出てくることも少ないです。
管理部門人材が転職を成功させる・キャリアアップするには?
総務の場合
管理職を目指す
主にマネジメント業務を行う課長などの管理職としてキャリアアップする方法です。将来、経営幹部(部長クラス)になりたいと考えている人は、課長として経験を積むことをおすすめします。
より専門性の高い職種へ転職する
総務の業務範囲は雑務や事務全般などと幅が広いですが、その中でも自分が得意とする業務が見つかっている人は、経理職や人事職などへ転職することもおすすめ。
専門性の高い職種で経験を積むことにより、その後のキャリアプランも明確になるでしょう。
総務事務のスペシャリストを目指す
大企業では、総務は雑務ではなく株主総会の運営やファシリティマネジメントといった業務を専任で行うこともあります。
そのような総務事務の業務は専門性が高いため、総務へ転職する際には専門性の高い総務事務を担当する企業を選ぶことも一つの手です。
経理の場合
資格を取得する
より専門的な業務を行うためには、予め資格を取得しておくことでキャリアアップが望めます。経理職の基本となる簿記だけでなく、FASS(Finance Accounting Skill Standard)や経理事務パスポート検定、国際的資格のUSCPAなどがおすすめですよ。
経理のスペシャリストを目指す
経理業務には主計、管理会計、税計などがありますが、まずは主計の経験を積んでから業務範囲を広げていくことで経理のスペシャリストとして市場価値が上がります。
会計士や税理士も視野に入れる
経理職では、会計士や税理士の資格取得のための勉強もすることができます。そのため、企業の経理職で働き続けるのではなく、会計士や税理士としてキャリアチェンジをすることも可能です。
財務の場合
ひとつの業務に特化する
資金運用、債券、M&Aなどの財務の業務がありますが、ひとつの業務に特化してキャリアを積んでいくプランがあります。特化したものがあれば、転職の際にも有利に働きますよ。
経営幹部になる
先述の通り、財務は経営者的な視点を必要とする職種。より経営的視点が必要となる管理会計業務などを経験することで、経営幹部としての素質も磨かれるでしょう。
資格を取得する
簿記やFASSなど比較的取りやすい資格のほか、公認会計士や税理士の資格取得を目指すことも一つの手段です。
人事の場合
制度策定や計画策定に関わる
採用活動や労務関係業務だけでなく、人事業務の中でもレベルの高い人事制度の策定や採用計画の策定に関わった人材は転職市場で優遇されます。
人材育成業務に関わる
人材育成は、その結果が顕著に現れる業務のひとつです。社内の人材育成業務に関わり、会社に貢献したという経験を持っているとキャリアアップに繋がりやすいでしょう。
労務スペシャリストを目指す
人事業務の中でもメインの仕事のひとつが労務業務ですが、ある程度の経験を積むと労務のスペシャリストである社会保険労務士の資格取得が近づきます。
法務の場合
弁護士資格を取得する
法務経験者は、法の番人として弁護士資格を取得する人も少なくありません。弁護士資格を持っていれば転職の間口も広くなりますし、独立や顧問弁護士などの選択肢も増えます。
外国語でやり取りができるようになる
海外進出をしている企業が増えている今だからこそ、法務担当として外国語で現地の人と折衝することも増えるでしょう。
特に、法務関連の専門用語や契約関係の単語などを現地の言葉で話せる人材は少ないため、外国語の会話レベルが高いほどキャリアアップが期待できます。
管理職を目指す
実務経験を積み、法務の管理職となる道もあります。法律に精通している必要がある法務職では他の部署からの異動などは難しいため、法務職として多くの経験を積んだ人材が管理職になりやすいと言えるでしょう。
管理部門の転職に強い転職エージェント5選
JACリクルートメント
外資系企業の求人情報を豊富に持っている「JACリクルートメント」は、ハイクラスの転職におすすめの転職エージェント。管理部門で管理職に就きたいと考えている人にとっては最適です。
コンサルタントは各企業について熟知しているため、応募者の要望と企業のデータを細かく分析してマッチングしてくれます。
公式サイト:http://www.jac-recruitment.jp/
ランスタッド
正社員のほか派遣社員など、転職者の要望に合わせた働き方を提案してくれる「ランスタッド」。キャリアアップを目指す人のための転職活動や、外資系などのハイクラスを希望する人のための転職活動まで幅広くサポートしてくれます。
全国に支店がありマッチングサポートを受けることができるため「エージェントを利用したいけれど遠くて機会がない」という人でも気軽に利用することができますよ。
公式サイト:https://www.randstad.co.jp/
CAREER CARVER
リクルートが運営する「CAREER CARVER」は、年収1,000万円以上の求人情報も提供してくれるハイクラス向け転職サービスです。
自分の情報が掲載された匿名のレジュメを見たヘッドハンターがスカウトをしてくれるので、求人情報を公開していないような企業とも出会うことができます。日本を代表するような企業の管理部門からもスカウトが届く可能性が高いです。
公式サイト:https://careercarver.jp/
MS-Japan
管理部門に特化した転職エージェントを探している人には「MS-Japan」がおすすめです。
なかなか表に出てこない管理部門の求人情報を数多く保有しており、総務・経理・財務などの領域ごとに専任のコンサルタントが置かれていることも強み。
高年収の求人も多いため、キャリアアップを目指している経験者はぜひ登録しておきたいサイトです。
Spring転職エージェント
世界60カ国に拠点をもつ総合人財サービス企業アデコグループが運営する転職エージェントが「Spring転職エージェント」です。
そのネットワークを活かして、外資系企業やグローバル企業の求人情報を保有しています。専門分野に精通したコンサルタントが担当してくれるため、管理部門でのキャリアアップを望む人を最後までサポートしてくれますよ。
管理部門の転職を成功させるポイント5つ
求人情報にはすぐに応募する
先述の通り、管理部門は定員が少ないうえに採用枠も極端に狭いことが多く、求人情報があまり出回りません。
あっという間に応募者が殺到してしまうことも多いため、悩んだ末に応募した時にはすでに求人を締め切っていたなんてことも。
せっかく求人を見つけたならチャンスを逃してしまうのはもったいないので、気になる求人にはすぐに応募するようにしましょう。
資格を取得しておく
経理や法務などの専門性が高い職種を希望する際には、実務経験だけでなく専門知識も求められます。専門知識をアピールできるような資格を取得することは、転職成功の近道。
転職が成功しやすくなるうえに、先ほど述べたように転職後のキャリアアップにも繋がるので、資格は積極的に取得しましょう。
企業によって管理部門の担当領域が異なるため、どの職種を狙うにしても、簿記や給与計算検定、ビジネス会計検定などは最低限取得しておいたほうが良いですね。
また、専門性の高い資格だけでなく、TOEICや中国語検定などの外国語のスキルをアピールできる資格も、グローバルな現代では価値のある人材だと思ってもらえるでしょう。
人間性をアピールする
営業職などと違って管理部門の仕事はプレゼン能力やコミュニケーション能力が必要ないと思われがちですが、それは大きな勘違い。社内の他の部署の社員とも密にコミュニケーションを取って情報を共有し、会社をサポートしていく人材が求められるのです。
また、法務や財務などは社外の人との交渉も多い仕事。コミュニケーション能力や交渉スキルが高い人材ほど採用されやすいため、そのようなスキルや経験をアピールできると良いでしょう。
明確なキャリアプランを立てる
採用活動をしている企業は、せっかくコストをかけて採用した人材には長く働いて会社に貢献してほしいと考えます。
つまり、「この会社に入ったら、どんな仕事をして、どんなふうに貢献していきたいか」というキャリアプランを明確に持っている転職者には、企業側も退職のリスクがないと見なして採用しやすくなります。
そのため、まずは自己分析や今までの自分の仕事の棚卸しをして、明確なキャリアプランを立ててから転職活動に臨みましょう。
短期的なビジョンだけでなく、中長期的なビジョンも持っていることで、企業側にとっても魅力的な人材として見えるはずです。
転職エージェントを活用する
先述の通り、公開されている求人情報が少ない管理部門領域。ハイクラスや未経験などを狙うと、更に選択肢が狭くなってしまいます。
そんな時に活用したいのが転職エージェントです。
転職エージェントは転職者と企業のニーズをマッチングしてくれるだけでなく、面接日の設定や面接対策、業務内容や年収の交渉まで担当してくれるため、現在の会社に在籍しながら効率的に転職活動を進めることができます。
転職エージェントによって得意としている業界が違ったり独占公開求人の情報があったりするため、更に効率よく転職活動を成功させたい人は、複数の転職エージェントに登録することもおすすめですよ。
まとめ
管理部門は担当する業務領域が企業により異なるうえに、公開されている求人情報も少ないため、転職を成功させるためにはポイントを押さえて転職活動をしなければいけません。
管理部門業務のキャリアアップを目指している人は、資格取得や転職エージェントの活用など、積極的に動いてみてくださいね。
転職・人材業界に深く関わるディレクターが『今の職場に不満があり、転職を考え始めた方』や『転職活動の進め方がわからない方』へ、最高の転職を実現できる情報提供を目指している。
本記事はキャリズムを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
※キャリズムに掲載される記事は転職エージェントが執筆したものではありません。
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