
未経験で医療事務に就職したい、でもどうしていいのか分からないという人は多いと思います。
そんな人のために、医療事務の魅力と求人数・おすすめサイトや資格・押さえておきたい面接のポイントをまとめました。
医療事務への転職は未経験でも可能
医療事務は、未経験者でも転職可能です。
大きな病院であれば、『事務に関する知識・資格』や『実務経験』を求められるところもあります。
一方、小さな病院の場合には『未経験可』という求人が多く見られます。
詳しくは『医療事務の仕事内容』で説明しますが、医療事務の仕事において『レセプト業務』は専門的な知識も必要になりますが、『受付』や『会計』の場合には特別必要な知識はありません。
未経験可のような病院では、まず『受付』や『会計』などの業務から始め、先輩に教わりながら『レセプト業務』などの専門性のある仕事を覚えていくことが一般的なのです。
医療事務の仕事内容
医療事務の仕事内容は、各医療機関の規模によって大きく変わります。
ただ、医療事務の代表的な仕事としては以下の4つが挙げられます。
- 受付業務
- 会計業務
- レセプト業務
- カルテ管理
事前に仕事の内容を把握しておけば、働く時のイメージも掴みやすいはずです。
ここでは、医療事務の主な仕事内容を紹介します。
受付業務
受付業務は、来院した患者に初診の手続や、診察室までの案内などを行なう業務です。
初診の場合には診断書の記入などを、再診の場合には診察券や保険証の提示などを患者に求めます。
受付は患者と最も触れ合う仕事ですので『病院の顔』と言えるかもしれません。受付の対応によって病院の印象が決まってしまうこともあり、コミュニケーション能力や臨機応変な対応をすることが求められるでしょう。
会計業務
会計業務は、診察を終えた患者に、自己負担分の治療費を請求する業務です。
ご存知の人も多いかと思いますが、健康保険などに加入している場合、発生した治療費の約7割を保険者が負担し、3割を患者が負担します。
会計の仕事は、診療報酬点数(治療の内容によって決まる点数)と自己負担分の割合を計算し、患者に医療費を請求するのです。
お金を扱う業務ですので、ミスの少なさ・正確さが求められる仕事だと言えるでしょう。
レセプト業務
レセプト業務とは、公的医療保険などに治療費を請求する書類を作成する業務です。
前述の通り、保険者は治療費の7割を負担しますが、それを請求する際に『診療報酬明細書』を送付します。
この診療報酬明細書のことを『レセプト』といい、レセプト業務では、患者の治療に応じた点数をレセプトに記載します。
レセプト業務もお金にかかわる仕事ですので、正確さが求められる仕事です。
カルテ管理
カルテ管理とは、患者の症状や治療内容などを記載する『カルテ』を作成・管理する業務です。
カルテは継続して治療を行なう際に非常に重要な書類です。
なお、近年では電子化が進んでいるので、ある程度のパソコンを操作する能力が必要になるでしょう。
医療事務の重要性
医療事務は、病院・診療所の顔として最初に患者を安心させ最後に見送るという重要な役割を担っています。
患者と最初に顔を合わせるのが医療事務であり、体調不良の人と接する場合、声のかけ方ひとつで気分が悪くなってしまうことも考えられるでしょう。
患者に心地よく治療してもらうという、非常に重要な役割を医療事務は担っているのです。
また、医療事務はカルテ管理やレセプト管理など、医療機関の仕事を円滑にする役割も同時に担っています。
医療事務の仕事がなければ、医師もスムーズな治療が困難になり得るので、社会的に大変意義のある仕事だと言えるでしょう。
医療事務に求められる資質
医療事務に求められる資質は、『コミュニケーション能力』と『事務能力の正確さ・スピードの早さ』の2つだと言えます。
何度も説明していますが、医療事務は患者と接する機会の多い仕事ですので、心地よく過ごしてもらうために、患者と円滑なコミュニケーションを取るスキルが必要です。
また、レセプト業務やカルテ管理は、病院によっては膨大な量を処理しなければならず、仕事のスピードを求められます。
同時に、お金や患者の治療にかかわる仕事ですので、間違いは許されません。仕事を正確にこなす能力も求められるでしょう。
医療事務の6つの魅力
ここでは、日本医療事務協会が掲げている6つの魅力を紹介します。
【参考: 医療事務6つの魅力】
1:働き方が自由に選べる
ライフスタイルに合わせて働くことができます。フルタイムの正社員、パート・バイトなどで家庭を優先する働き方もできます。
2:正社員を目指せる
異業種や未経験からでも就職・正社員を目指せます。本人の意思でキャリアアップをすることができ、そのための講座がいろいろな場所で開催されています。
3:子育てと両立できる
ブランクがあると再就職は難しいと思われがちですが、医療事務は違います。女性が多い職場環境ということもあり、同じ境遇の母親がいるので協力して働ける仕事です。
4:年齢に関係なく学べ、働ける
年齢にとらわれず、自分の実力で一生ものの仕事にできるのがこの医療事務の魅力です。特に人柄を重視される仕事なので、若いうちに接遇力をつけ、知識を学んでいくことができます。
5:学歴は問わない
就職に学歴を問われないのも魅力です。また、資格にも学歴は問われないので受けやすく、働きながら挑戦する人も多くいます。
6:全国どこでも通用する
医療事務の資格やスキルは全国で通用します。引っ越しなどで退職しても次の就職に困りません。
また、医療機関の規模に左右されず、今多い美容クリニックなどでも通用するスキルと資格です。
押さえておきたい医療事務6つの資格
資格は絶対必要なものではありませんが、医療事務が行なっている業務についてよく知ることができます。
仕事に全く知識がなくて就職するより、基礎知識を持っていた方が採用される確率が高くなるでしょう。
日本医療事務協会おすすめの資格
資格名 |
おすすめの人 |
試験内容 |
受験料 |
医事コンピュータ能力技能検定試験 |
|
|
6,600円(税込) |
レセプト点検業務検定試験 |
|
|
6,600円(税込) |
【参考: 日本医療事務協会】
これらの資格の試験は、専門の講座を受講した後に受けられます。
初心者向けの資格であり、知識をつけることを目的としているので、医療事務に就職する前や就職活動中に取ってもいいかもしれません。
国が認可している資格(認可しているだけで国家資格ではない)や民間資格で信頼性が高い資格
資格名 |
おすすめの人 |
資格の概要と目的 |
試験内容 |
受験料 |
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9,000円(税込) |
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7,700円(税込) |
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7,500円(税込) |
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|
6,900円(税込) |
この他にもたくさんの資格が用意されています。
働きながら取得する人もいますので、自分の目的に合った資格に挑戦しましょう。
資格必須の職業ではありませんが、資格があることで待遇にも差がつき、働く幅が広がります。
面接で押さえておきたいポイントと未経験者がよく聞かれる質問と答え方
まだ足を入れたこともない業界への就職は不安だと思います。
未経験者にとって、面接はとても大切な自己アピールの場所です。
ここでは、未経験者が面接を受けるにあたっての考え方や、面接でよくある質問と回答例を解説します。
就職活動を始める前に明確にしておくべき3つの考え
これは医療事務に限ったことではありませんが、以下の3つをしっかりと考えた上で、履歴書や面接に取り組みましょう。
- なぜこの業界・勤め先を選んだのか
- これからどのように働きたいのか
- 自分の得意なことや、自分の性格の把握
一番下の性格把握は求人サイトなどの診断ツールを活用しましょう。
また、前職がある場合は、何故辞めたのかをしっかり考えましょう。
医療事務は資格がなくても働けますが、医療機関に携わるため、志望動機や考え方をよく見られます。自信を持った対応で、自分をアピールしましょう。
よくされる質問と答え方のポイント
「なぜ医療事務を選んだのか」「なぜこの病院を選んだのか」
- 自分の体験談を踏まえて話す(高熱で待ち時間がつらかった時に事務員さんが優しく励ましてくれたなど)
- その病院が他とどう違うのか(コンセプトでもいいですが、どんな人たちが診察に来ているのか把握し、その人たちにどう貢献したいのか)
医療機関で働く上で何が大切か
- 自分が患者の場合どのような医療機関だったら安心できるか考える(患者の安心を一番に考えて不安をなくせるように接すること・患者の健康にかかわるので医師や看護師との意思の疎通を大切にしたいなど)
前の仕事について
- 前の仕事で嫌だったことではなく、自分が働いてきたことで得た強みをどう医療事務で活かせるかを踏まえて話す
例: (前職ではお客様が気持ちよくお買い物ができるような接客を心がけておりました。医療事務でもこの経験を活かし、患者様を安心させる対応ができると思います。など)
- 前職と今の職が全く離れていても必ず重なる場所があるので、自分がしてきたことをしっかりと見直す
例:(前職トラックの運転手:注意を払った仕事ができる・体力に自信があるなど)
未経験から医療事務への転職を目指すなら転職エージェントの利用がおすすめ
未経験から医療事務への転職を目指すのであれば、転職エージェントを利用することをおすすめします。
転職エージェントとは、転職を希望する人と、新たに人材を確保したい企業・事業所をマッチングさせるサービスです。
転職エージェントには、『キャリアアドバイザー』と呼ばれる、あなたの転職をサポートする転職のプロが在籍しており、以下のようなことをしてくれます。
- 最適な転職先の紹介
- 面接の練習
- 入社条件の交渉
未経験から医療事務として働きたいと思った時、あなた自身で就職先を見つけるのは困難だと言えるでしょう。
キャリアアドバイザーは、各医療機関と連絡を取り、どのような人材を必要としているのかや、病院の内情について詳しく情報を集めています。
ご自身で転職先を選んだ場合、「思っていたような職場でなかった…」といったミスマッチが発生する可能性が考えられますが、転職エージェントを利用すれば、そのようなことが発生する可能性は低くなると言えるでしょう。
また、面接対策も非常に重要です。
面接は、採用担当者にあなたの強みや仕事への意気込みを伝える場所です。
本来であれば、あなたに採用されるだけの資質があるにもかかわらず、対策が十分でなかったために不採用といったことにもなりかねません。
転職エージェントはそのような事態を防ぐために、面接の練習も行ないます。充分な対策を取ることで、安心して面接に臨めるでしょう。
【関連記事】
転職エージェントを利用するメリットとデメリットの全知識
医療事務への転職におすすめの転職エージェント3選
最後に、医療事務へ転職する人におすすめの転職エージェントを紹介します。
【関連記事】
事務職に強い転職エージェント4選と利用する際の注意点まとめ
どの転職エージェントも、転職希望者に寄り添ったサポートを行なうことに定評がありますので、ぜひ登録してみましょう。
パソナキャリア
『パソナキャリア』は、自社の利益よりも転職希望者に最適な転職先を紹介することをモットーとしています。
また、未経験業界へ転職したい人に対して、親身に対応することに定評があり、
- どこに転職したらいいか分からない
- 未経験でホントに転職できるのか不安だ
- 転職をするにあたって何をしたらいいのか分からない
といった、未経験業界へ挑戦する人が持つ悩みに対して、あなたの心に寄り添って対応してくれます。
未経験の業界に挑戦する人にとっては、最適な転職エージェントだと言えるでしょう。
マイナビエージェント
『マイナビエージェント』は、『マイナビグループ』が運営する転職エージェントです。
『パソナキャリア』と同様に、転職希望者に寄り添ったサポートをすることに定評があります。
転職希望者と必ず面談を行ない、あなたの希望をヒアリングした上で最適な転職先を一緒に探します。
また、転職エージェント大手ゆえの求人数・非公開求人数の多さに強みがあると言えるでしょう。
doda
『doda』は、医療事務を含め国内最大級の求人数を誇ります。それゆえ、dodaにしかない独占求人も多数ありますので、必ず登録しておきたい転職エージェントです。
dodaは病院側からのスカウトメールが届くことも少なくありませんので、あなたの市場価値を判断しながら転職を行なえるというメリットがあります。
dodaのキャリアアドバイザーもあなたに寄り添ってサポートを行ないますので、未経験から医療事務を目指す人には最適の転職エージェントだと言えるでしょう。
まとめ
どのような仕事でも初めは未経験からなので、その職で何がしたいのかを明確に、時間があるのならば資格を取り就職活動に臨みましょう。
なお、未経験分野に挑戦する際には、何から始めればよいか、面接対策はどうすればよいかなど、悩みは尽きません。
そのような場合には、転職エージェントの利用を検討しましょう。キャリアアドバイザーがあなたの転職が成功するように、さまざまなサポートを提供してくれます。
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