
証券会社の営業職はかなりハードな仕事で、精神的にも肉体的にも大変な思いをしている人がたくさんいると思います。
中には「そろそろ転職しようかな」なんて考えている人もいるのではないでしょうか。証券会社の営業職として働いていた人というのは、実は転職業界においてかなり市場価値が高いのです。
そこで今回は、証券会社の営業職として働いていた人向けに転職のノウハウについてご紹介します。

都内で働く金融系アラサーOL。スポーツと音楽が趣味。
20代のうちに数回の転職を経て現職へ。
その経験を生かし、転職活動やキャリアに関するアドバイスを記事にしている。
証券会社から転職した先輩営業マン達の転職先は?
証券会社の営業職を辞めて転職したい、と考える人もいると思います。 しかし、「じゃあ次はこういう仕事をしよう」「次はあの業界で働きたい」などと具体的な転職先を絞れていない人も少なくないのではないでしょうか。
ここでは、先輩営業マンたちの転職先についてご紹介します。
1:ほかの証券会社
一番多いのは、ほかの証券会社への転職です。証券会社の営業職が嫌いになったわけではなく、業務の大変さとお給料が見合っていないと感じていたり、職場の人間関係などに対する不満があったりする人が、ほかの証券会社で働く道を選びます。
確かに、職場環境や給与水準、人間関係などに悩んでいるだけで証券会社の営業職自体に不満はないという人は、環境を変えてやり直せば即戦力として働けますし、新しいことを覚えなくていいので自分自身の負担も減りますよね。
2:コンサルティング業界
証券会社で営業マンをやっていたという人が転職先として選ぶ業界として、コンサルティング業界が挙げられます。
コンサルティング業界も非常にハードな仕事だとは言われていますが、やはりハードな仕事をこなしてきた分だけ抵抗なく受け入れられますし耐性もあります。
そして何より、給与水準も高いので、大幅なお給料ダウンということにも起きにくいのです。
3:独立系ファイナンシャルアドバイザー
証券会社の営業職として働く中で、お客さんのニーズに合った商品をきちんと勧めたい、お客さんの気持ちを大事にしたい、と思っている人は独立系ファイナンシャルアドバイザーとして活躍する道を選びます。
欧米では当たり前なのですが、まだ日本ではなかなか普及していない独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)という仕事。
まだまだこれから伸びる業界ということで将来性もありますし、お客さんのことを考えて営業活動ができるという点にメリットを感じて転職する人が多いですね。
4:不動産業界
不動産業界も証券会社と同じくらいハードな仕事と言われています。
不動産の購入は人生の中でもっとも大きな買い物と言われますし、高い営業力が求められるので業界全体としても営業職としてバリバリやってきた人は歓迎ムードです。
また、コンサルティング業界と同じく比較的給与水準が高いので、家族がいる人や給与水準を下げたくないという人が転職するにはもってこいの業界ともいえます。
5:銀行・信託銀行
同じ金融業界ですが、銀行や信託銀行への転職も少なくありません。証券会社と銀行ではやっていることは大きく違ってきますが、高い金融知識が求められるという点ではほかの業界からの転職者よりも有利に転職活動をすすめられます。
銀行や信託銀行もいろんなポジションがあるので、自分の能力を生かせるポジションを見つけることができればそれほど難しい転職にはならないでしょう。
証券会社のリテール営業マンが転職したい理由5つ
証券会社のリテール営業というハードな仕事をこなしている人たちが転職しようと思ったきっかけはどういったものなのでしょうか。
彼らの仕事が大変であることはもちろんですが、それ以外にもさまざまな理由があるようです。
1:精神的にもっと穏やかにできる仕事がしたかった
ある対面証券で働いていた人によると、精神的にかなり追い詰められていたのだと言います。「家族がいるから働かなきゃいけない、でもノルマは全然達成できないし、達成するにはお客さんを騙すようなことをしないといけない。そんなプレッシャーと罪悪感にさいなまれて毎日がつらかった」と語ります。
証券会社の営業職というのは、やはりノルマがあってそれに到達しない場合には課長や部長、支店長などに激しく叱責されます。
ちょっと厳しい言葉で叱咤激励なんてものではなく、罵声や怒号が飛び交う職場。そんな環境に身を置くだけが人生ではないと、収入が下がることを覚悟で転職を決意したのだと言います。
2:残業時間を減らし、家族との時間を増やしたかった
家族ができると、家族ともっと一緒にいたいと思うものですよね。証券会社は比較的長時間労働を求められることも多く、帰宅が深夜、そして少し睡眠を取ったら早朝には出社、という生活をしている人も珍しいものではありません。
家族と顔を合わせない時間が長くなりすぎて、娘や息子がなついてくれないと嘆く人もいるほど。平日は子どもの寝顔しか見られない、どんどん成長していくわが子と過ごす時間を仕事の犠牲にしてもいいのかと悩み、退職を決意する人もいました。
3:もっと大変じゃなくて同水準の給与がもらえる仕事があったから
証券会社の営業職というのは本当にハードですし、体力的にも精神的にも消耗しやすい仕事です。しかしそれに見合った高い給料をもらって、自身を納得させているという人も多いもの。
それなのに、今よりももっとのんびりリラックスして働けて、同水準のお給料がもらえる仕事があると聞いたら誰だって転職を決意しますよね。
友人からの誘いでベンチャーの役員になったり、コンサルティング会社にスカウトを受けたり、銀行や信託銀行からオファーをもらうという人もいました。
「今のツライ仕事を続けなくても、同じくらいのお給料がもらえるんだ」と思うと、転職へ気持ちが傾くものですよね。
4:会社と顧客の利益の間で板挟みになりたくなかったから
今の日本では、まだ証券会社の利益は顧客から受け取る手数料が中心です。となると、手数料が高く取れる商品を勧めたり、手数料をたくさん取るために短期間で何度も取引させる回転売買というものを勧めなければならなくなってしまいます。
回転売買自体がすぐに悪いものかと言われるとそういうことではないのですが、経済合理性がないのに何度も取引させるのはNGです。
しかし、そうでもしないと手数料が目標に到達しないこともありますし、会社が「コレを売ってこい」と言ったらお客さんが望んでいなくても何とか買ってもらわないといけません。
そういう会社とお客さんとの板挟みの状況が苦しくなり、転職を決意することが多いようです。
5:本当に自分のやりたいことが見つかったから
仕事をしていく中で、自分が本当にやりたかったことを見つける人もいます。証券会社の営業をやっていく中で、
- 「これって本当にお客さんのためなんだろうか」
- 「どうしたらもっとお客さんのためになるだろうか」
と考えたり、
「せっかく身に着けた金融の知識があるのだから、これを使ってほかの仕事をやってみたい」などと思ったりすることもあるのものです。
また、「この仕事はやっぱり自分には向いていないな」と感じ始めたとき、「じゃあ自分にはどういう仕事が向いているだろうか?」といろいろと考えた結果、他業種への転職を決めたという人もいます。
こういった自分の中での気づきや発見が転職を決意させることもあるようですね。
証券会社のリテール営業として5年・10年在籍を続けるメリットは?
証券会社のリテール営業として長く活躍することで得られるメリットもあります。
一つは、リテール営業自体の面白みが深まってくることです。営業活動をしていく中で、どうしたら顧客が買ってくれるか、どういう言葉で顧客が動いてくれるかというのが見えてくるはずです。
2~3年のキャリアでは得られない深い知識と経験が得られるのが長く働くメリットですね。
また、証券会社のリテール営業として活躍することで、転職にも有利になります。証券会社のリテール営業はほかの仕事よりもハードで、高いレベルの営業力が求められる職業であるということは多くの人が知っているもの。
営業の仕事というのはどこの業界にもありますし、レベルの高い営業力を持った人材は非常に重宝されます。
証券会社経験者が転職を成功させるポイント5つ
証券会社経験者は比較的転職しやすい環境にありますが、より有利に転職活動をすすめるにはいくつかのコツがあります。ここでは、成功する転職のヒントをご紹介します。
1:数字に強いことをアピールする
いまの世の中で、求められているのは理系タイプです。文系でも営業はできるのですが、ビジネスというのは基本的に数字を見て行うものであり、文系といえども基本的な数字に対する理解がないとやっていけません。
数字を見ながら改善策を練ったり、数字の変化を見てその後のアクションを変えたりするというのが基本的なビジネスのやり方になるので、数字を見るのがニガテ、どうやって計算したらいいか皆目見当もつかない、なんてことになると採用基準を上回ることはできないでしょう。
証券会社の営業も、常に数字を求められます。金額の規模感や目標の達成率、売上の進捗などを常に確認していると思いますので、数字に対する意識は強いはずですよね。
数字に強い、数字に対する意識が高い、というのはどんなビジネスをするにしてもとても重要なことです。アピールすることはそれほど難しいものではありません。
せめて、履歴書には具体的な数字を出して成果をまとめたいものですね。
2:コミュニケーション能力を活かす
証券会社の営業職では、高いコミュニケーション能力が求められます。お金という非常に大事なものを扱う仕事なので、お客さんとのコミュニケーションも非常にセンシティブなものになります。
お金に関する話を抵抗なくできるというのはとても大事なこと。お金の話をしなれている人とそうでない人というのは、ビジネスの話をしてみるとすぐにわかります。
こうしたコミュニケーション能力を活かして次の業界を選びましょう。コミュニケーション能力は、お客さんとの交渉や商談には当然欠かせませんが、一方で仲間とのコミュニケーションにも欠かせないものです。
コミュニケーションをおろそかにする人はかいしゃで役に立たないということを人事の人はわかっているので、コミュニケーション能力の高さを十分にアピールすることを忘れないでくださいね。
3:高い営業スキルをどう活かせるかを考える
証券会社の営業職では高い営業スキルが身に付くと言う話をしましたが、営業スキルをただ有しているだけでは何の役にも立ちません。その会社のどういう事業において、どうその営業力を活かすことができるのかというところまで話をしないと、相手も納得してくれません。
営業スキルはどのビジネスでも必ず活きてくるものです。次の転職で営業職をやめようと思っている場合でも、営業スキルというのは役立つのです。
営業は相手との交渉です。他人と何かしらの交渉をしない部署なんてほとんどありません。そんな場面で役に立つのか、話をしながら面接官の頭の中に具体的な絵が思い浮かんだらこっちのものです。
4:口コミをしっかり確認する
どんな業界への転職にも言えることですが、社内の人や退職した人の口コミをしっかり確認しておきましょう。
その会社がどんな会社なのか、自分に向いているのかというのを理解しておかないと、入社後にツライ思いをします。
できれば、人づてにその会社の人を紹介してもらいましょう。大人のネットワークですから、探せば割と見つかるものです。社内の人から直接話を聞けば仕事のイメージもわきますし、職場の様子もわかります。
念入りな下調べが転職成功のカギを握っているのです。
5:面接でははっきりと「お金が好きだから」と言ってしまう
これはちょっと正攻法ではないのですが、「なぜ証券会社で働いていたのか」と訊かれたときにはストレートに「お金が好きだからです」と言い切ってしまうのもいいでしょう。
なぜこの回答がいいのかというと、相手に「正直に話してくれる人だ」という印象を与えつつ。「精神的にタフそうだな」「仕事が好きそうだな」というイメージを植え付けられるからです。
多くの面接官が、「なぜ証券会社で働いていたの?」と聞きますが、その回答には飽き飽きしています。
「顧客のために資産運用の提案をしたかった」とか「経済のダイナミックな動きを感じるビジネスだから、面白みを感じた」などといううわべの回答に何も興味はわきません。
むしろ意地悪をしたくなるくらいです。しかし、「お金が好きだからです」と言えば興味がわきますよね。あなたのことを強く印象付けることができるのです。こういった思い切りも転職活動には非常に有効ですよ。
まとめ
証券会社の営業職として働くことは大変ですが、その大変な思いをしている分、転職するときはほかの人たちよりも有利な立場にいることがほとんどです。
今の仕事は大変だと思いますが、自信を持って転職できるようにいまのうちに成果を積み上げておくといいでしょう。
転職・人材業界に深く関わるディレクターが『今の職場に不満があり、転職を考え始めた方』や『転職活動の進め方がわからない方』へ、最高の転職を実現できる情報提供を目指している。
本記事はキャリズムを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
※キャリズムに掲載される記事は転職エージェントが執筆したものではありません。
- 新着コラム
- 人気コラム
- おすすめコラム