証券会社を辞めたい!経験者が語る転職理由5つと転職成功のポイント

編集者
佐藤達也
【キャリアアドバイザー】国弁護士・公認会計士・税理士等の士業や、管理部門特化の転職サポートを行う人材紹介会社に在籍。士業・バックオフィスに特化した転職ノウハウ・企業調査を担当しています。分野特化だからこその、勘所を押さえたリアルな情報を発信できるよう心がけています。
証券会社を辞めたい
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証券会社での仕事ははっきり言って激務であることが多いですよね。ストレスもたまりますし、残業が多かったり上司の叱責が厳しかったり、色々と大変なことがたくさんあるもの。

証券会社の仕事を辞めたいと思っている人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、証券会社を辞めたいと思う理由や証券会社から転職する際のコツについてご紹介します。

証券会社を辞めて転職したいと思っている人、ぜひ参考にしてみてください。

目次

証券会社を辞めたい理由・主な転職理由5つ


証券会社を辞めたいと思うその理由は人それぞれですが、いずれもかなりシビアな問題であることがほとんどです。

お客さんの大事なお金を預かる立場として、責任感を持って仕事をしているからこそ心を病んでしまったり、体力的にも精神的にもすり減ったりしてしまうこともあります。

以下、証券会社を辞めたいと思う人の主な理由をまとめました。

ノルマが未達成だと毎日厳しく詰められ病んでしまう

証券会社の営業にはノルマがあります。最近では「ノルマ」という直接的な表現はせず、売上目標や導入金額目標などと言ったマイルドな表現にはなっていますが、結果的にはノルマと同じことです。

個々人に課せられた目標を達成できないと、同じ部のほかの社員がフォローしてなんとか部として目標を達成していくことも多いです。

個々人に課せられた目標に対して売上の進捗が悪ければ、上司からの叱咤激励は避けられません。

叱咤激励と言うと聞こえがいいかもしれませんが、証券会社に入社するのは体力もあり根性も十分な体育会系が多く、非常に厳しく叱責されます。人前であっても、早朝深夜であっても関係なしで怒鳴り続けられることも。

どう目標を達成するのか、具体的な策を出すよう激しく詰められます。

そして、同じ部のほかの社員にフォローしてもらっているという不甲斐なさや罪悪感、そして人前で叱責され罵られるという屈辱感や羞恥心から心が病んでしまう人も多いのです。

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長時間労働、飛び込み営業、長時間の外回りで体力に限界が来る

証券会社の社員の多くは、支店に配属され新規開拓からそのキャリアをスタートさせます。

個人の家を訪問したり、支店周囲の色んな会社をめぐったりしてお客さんになってくれる人を探します。

その新規開拓も、昔ながらの飛び込み営業が多く、新人の頃は一日中外回りをする人がほとんど。

支店に戻って電話をしても、アポイントがほとんど取れません。全く話を聞いてもらえることもなく電話を切られる毎日なのです。

大変な新規開拓を経て少し自分のお客さんができてきたところで、次は長時間労働が課題となってきます。朝早くから働く証券会社社員、夜も遅くまで残業し、1日の半分以上会社にいたという日がほとんど。

最近では働き方改革も進み、だいぶ長時間労働については減ってきたようですが、それでも早朝から夜まで外回りをしたり、叱責を受けて精神的なダメージを受けたりしながら働くのは相当大変なことです。

自分のお客さんに損をさせているのがツライ

お客さんの資産運用の相談に乗っているときに、証券会社で働いていることの醍醐味を感じる人も多いです。しかしその一方で、お客さんに損をさせてしまうことも。

日経平均が暴落した日には、自分が担当しているお客さんの顔が次々と思い浮かぶわけです。

フォローのために電話をしたり訪問をしたりするものの、合わせる顔がなく、罪悪感が募るもの。

お客さんによっては「アナタを信用していたのに」とか、「二度と顔も見たくない」など、辛辣な言葉を投げつける人もいます。

せっかく自分を信頼して商品を購入してくれた人にそんなことを言わせてしまった、自分の勧めた商品でお客さんの資産が目減りしてしまったと落ち込む人も多く、真面目な人ほどツライ思いをする仕事なのです。

周囲が体育会系&前時代的でノリについていけない

先述したように、証券会社に入社する人には体力的にも精神的にもタフでリーダーシップのある体育会系人材が多いのは事実です。

お酒も飲むしタバコも吸う、女遊びもするなどと派手な人が多いイメージかもしれません。

そのイメージは大きく外れているわけではなく、かなり体育会系のノリが根強く残っている会社が多いのです。

お酒が苦手、なんて言えない雰囲気があったり、新人は上司のお酌をするべき、と言われて女性社員はお酌をさせられたりするのが当たり前。セクハラやパワハラはほぼ日常茶飯事とのことです。

体育会系のノリとひと昔前のパワハラやセクハラを許容する雰囲気なので、そこについていけずに証券会社を辞めたいとを考える人も多いですね。

常に新しい知識を吸収しないとやっていけない

証券会社社員が売るのは金融商品。そして金融商品は形がなく、常に政治的要因や経済的要因、外国との関係性や需給のバランスなど、あらゆる要素が複雑に絡み合って毎日変動するものです。

常に新しい情報を吸収し、理解し、人に説明できるようにしておかなくてはなりません。

他の業種でも同じ側面がありますが、ことお金にかかわることなのでお客さんも真剣に話を聞いてきます。

ごまかすようなこともできませんし、適当にも答えられません。証券会社は研修や勉強会も頻繁にあり、取得しなければならない資格やスキルも多数あります。

証券会社に入ってから毎日勉強しているという人も少なくなく、自己研鑽を怠れない、怠ると同期に抜かされてしまうかも・・・という不安やストレスを感じて証券会社を辞めたいと思う人もいました。

番外編:女性に多い「証券会社を辞めたい理由」

証券会社はまだまだ男社会で、女性がなかなかキャリアアップできないという側面もあるようです。

福利厚生は充実しているし、産休明けの復帰が推奨されているにもかかわらず、

  • 産休明けの女性は事務職や窓際職に追いやられた
  • 管理職になるか子どもをあきらめるかの選択を迫られた


という人も少なくありません。こういった理由により、証券会社を辞めたいと思う人もいるようですね。

経験者に聞いた|証券会社を辞めて良かったこと・後悔したこと


実際に証券会社を辞めた人は、どのようなことを感じているのでしょうか。

ここでは、『とある大手対面証券会社でリテール営業の仕事をしていた20代女性Aさん』と、『中堅の対面証券会社で個人営業をしていた30代男性のBさん』に話を聞いてみました。

証券会社を辞めた理由は?

Aさん

セクハラもパワハラも多いとは聞いていたけれど、自分のキャリアを築いていきたいと思って入社した。厳しくても、大変でもキャリアのためだと思って頑張っていたけれど、同い年の同期という男性の課長と女性の平社員を見て、女性だったら管理職になれないのかと思った。

女性のほうが成績優秀で、インセンティブがあるから年収も男性管理職よりかなり上なのに、同期の男性が課長で女性は平社員。しかもその女性の先輩は『管理職になるなら子どもを諦めなさいって言われたの』と話していて、実際にその人は既婚だけど子どもはいない。

それなのに管理職になれていないことにびっくりして、自分もここではキャリアを築いていけないと思った。

Bさん

とにかく精神的に苦しかった。毎日毎日怒鳴られ叱られ、全然オススメできないような商品でもとにかく売って来いと言われていた。

到底達成できないような目標が与えられるのも苦痛で、やりがいを感じる前に精神的に病んでしまった。

どちらもひどい話ですね・・・

特にAさんの話では、男女の差別が感じられる内容でした。まだまだ男社会の証券業界では、こういった女性に対する扱いにガッカリして証券会社を辞めたいと思う人もいるのでしょう。

証券会社を辞めてよかったこと

転職してびっくりしたのは、上司に怒鳴られないこと。飲み会でお酒を無理に飲まされることもないし、泥酔するまで付き合わされることもない。皆がやさしくてびっくりした。

証券会社時代の同期は皆競争意識が高く、仲間というよりはライバルだったから、転職先の会社で皆が仲良くやっているのが衝撃だったくらい。人間関係のトラブルもなくなり、仕事で悩むことが今はほとんどない。

転職して、上司の怒鳴り声も一切聞こえず、物静かな執務室だったのでびっくりした。

証券会社時代は上司に呼び出されたら体がこわばっていたが、今では上司に優しく指導してもらえたり、楽しく雑談をしたりして、上司とサークルの先輩みたいにフランクに付き合えている。証券会社時代には考えられなかったこと。

二人に共通していたのは、上司との関係性でした。

上司の怒号が常に鳴り響いている証券会社の執務室。転職したら静かさにびっくりするのも仕方ないかもしれませんね。

証券会社を辞めて後悔したことはある?

はっきり言えばお金だけ。お給料は月5万円くらい下がったし、ボーナスも半分以下に。年収は3分の2もないくらいになったので、転職直後はお金の管理が大変だったけれど、それ以外に後悔はない。

給料面ではやはり証券会社は高い水準だった。高ストレス高収入と言う感じ。いまはほぼゼロストレスで平均的な収入なので、ストレスとのバランスで言えば今のほうがずっといい。

あとは、今の職場は私服通勤OK。スーツだから逆に浮くけれど、オシャレには自信がなく毎日スーツを着ていればOKだった時代がちょっと懐かしい。

こちらも二人とも、お給料面の話が出ました。

二人ともそれ以外は転職して満足している様子で、高いお給料をもらっていたけれどその代わりにストレスや精神的なダメージが大きかったと語ってくれました。

証券会社を辞めたい方へ|転職したい方に向けたアドバイス


では、証券会社を辞めたいと思ったときにはどうしたらいいのでしょうか。ここでは証券会社を辞めてからの転職先や転職に関してのコツをご紹介します。

証券会社の経験が活かせる業界は?

証券会社の営業経験がある人は、色んな業界で重宝されます。たとえば、メーカーの営業でもいいですし、不動産営業でもいいでしょう。

金融商品や不動産など、人生における重要な買い物をする場面に慣れているので物怖じせずに営業できるはずです。

もしくは、金融の専門知識を活かして金融システムベンダーや金融情報ベンダーなどに転職してもいいですね。専門知識が重宝されるはずです。

独立系ファイナンシャルアドバイザー「IFA」として活躍する道も残されています。証券会社の仕事にやりがいを感じていたのならいい選択肢でしょう。

証券の世界が好きなら銀行やネット証券、信託銀行なども検討してみてくださいね。

証券会社から異業種への転職は難しい?

証券会社から、全く異なる業界へ転職するのも悪いことではありません。活かせる部分は存分にあります。

対面証券会社で営業を経験しているということは、大いに評価される部分です。

ただし、あまりに離れた業界への転職を希望する場合、なぜその業種で働きたいのか、理由を明確にする必要があります。

そのうえで、「なるほど」と面接官を納得させるだけの強い動機がなければなりません。「そんなにやりたいのなら、最初からこの業種で働けばいいのに」とか「とりあえず証券会社の営業がツラくて逃げだしてきたんだな」と思われると面接に受かるのは難しくなります。

しかし、証券会社での経験はタフな精神力を評価されますし、営業の仕事をしていたらその営業力に期待されることもたくさんあります。

異業種への転職が必ずしも困難なものというわけではないでしょう。

転職成功のコツは3つ

証券会社からの転職を成功させるには、3つのコツがあります。

  • 実績を数値化して整理しておく
  • やりたいことを明確化しておく
  • 面接では堂々と、仕事に対して前向きに

実績の数値化

証券会社での経験をまずは数値化して、自分の実績をアピールできるようにしておくことが重要です。

証券会社では社長賞や年間優秀社員賞などさまざまな賞がある場合も多く、賞をもらったことはきちんと履歴書に記載すべきです。

また、「去年よりも売上が1.5倍になった」「導入資産が支店全体の30%を占めた」など、客観的に見て表現することも重要です。そのためには、実績を数値化して整理しておくことが重要となります。

やりたいことを明確化

また、やりたいことを明確化して「うちの会社で何をしたいの?」と言われたときに備える必要があります。

先述したように、ただ証券会社が嫌で離職したという人材を誰も採用しようと思いません。転職先の仕事に、証券会社での○○の経験を活かしてこうしたい、こういうことをやりたい、というビジョンを明確化する必要があります。

面接では堂々と!

あとは面接で堂々と、「なんで辞めたの?」という質問に対してもネガティブなことは言わずに、キャリアアップや証券会社での経験を活かしてやりたいことが見つかった、などの理由を伝えましょう。

実際には証券会社での業務が嫌でやめたとしても、それを言う必要はありません。

証券会社を辞めたくても辞められない場合|弁護士や退職代行の利用も検討


もし、証券会社を辞めたいと思っても強引に引き止められる、退職届を受理してもらえない、退職の相談を拒否されるなどの場合には、弁護士や退職代行サービスの利用も検討してください。

退職代行サービスとは

労働者が会社を退職したいと考えた場合に、労働者に代わって退職の処理を行ってくれるサービスです。2018年頃から業務としてサービスを提供する業者が急増し、テレビなどにも取り上げられたことにより話題になっていますので、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

費用相場は約5万円となっており、何かしらの理由で辞めるにやめられない状況であれば、非常に有効な手段となるでしょう。

ただし、退職代行業務は本来弁護士が生業としていたものですので、一般事業者が行う場合『非弁行為(弁護士法第72条違反)』になる可能性も孕んだサービスになります。

業者に依頼する際は『信頼できる業者かどうか』の見極めが大事になります。

強引な引き止め『在職強要』は不当な行為

証券会社の場合、特に営業はお客さんがいるので「あのお客さんのことはどうするんだ」「あのお客さんはお前を信頼しているんだ」など、お客さんのことを引き合いに出されることも少なくありません。

そうすると、真面目な人ほど退職を思いとどまってしまうこともあるのです。また、「引継ぎする人がいないからまだ待ってくれ」と言われることもあります。

これらの引き止めは不当であり、正社員の場合、2週間前までに退職の申入れをすれば、いつでも、どのような理由でも、雇用契約を解約することができます(民法第627条)。

(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

民法第627条|法令検索

あまりに強引で自分ではどうしようもないという場合には、弁護士の先生や退職代行サービスを利用してもいいでしょう。

法的トラブルの相談をしたい場合は弁護士へ

弁護士事務所に相談すれば、証拠にするために何を用意したらいいか、何が有効な証拠なのかなどを教えてもらえます。

まずは無料の相談窓口に問い合わせてみたり、労働問題に特化した法律相談サービスで相談してみるとよいでしょう。

転職活動の時間がないなら転職エージェントを利用しよう

通常業務や引継ぎが忙しいために転職活動に時間を割けない、という人もいることでしょう。その場合は、転職活動のほとんどを代行してくれる転職エージェントを利用しましょう。

転職エージェントによってサービス範囲はさまざまですが、求人紹介から選考の対策、スケジュール調整、条件交渉まで支援してくれる会社もあります。

証券会社出身者におすすめの転職エージェント3社

証券会社をできるだけ早く辞めて、効率的に転職活動を進めるなら、以下のような証券会社など金融業界に特化した転職エージェントの利用をおすすめします。

CFOなど企業会計に転職するならBEET

公式サイト:https://beet-agent.com/

証券会社など金融業界での経験・スキルを活かして、CFOなど企業会計に転身する人が多くいます。

BEETは、管理部門・バックオフィスに特化した転職エージェントです。「ワークライフバランスを確保したい」「安定した収入を得たい」という人におすすめです。

経理・財務などの求人も多数保有していますが、よりハイクラスの転職を望むならCFOへの転職を検討してもよいかもしれません。

公式サイト:https://beet-agent.com/

金融・コンサルに転職するならコトラ

コトラ
公式サイト:https://www.kotora.jp/

証券会社からのつながりで、金融業界や分野が似ているコンサル業界に転職を希望する人も多いでしょう。

コトラには金融・コンサル業界出身のアドバイザーが在籍しており、証券会社のマイナス面をよく理解したうえで、転職先を提案してくれます。「失敗のない転職」を実現するためには、ぴったりのエージェントといえるでしょう。

キャリアプランの相談からはじめてみるとよいかもしれません。

公式サイト:https://www.kotora.jp/

求人数・実績の多さで選ぶならリクルートエージェント

公式サイト:https://www.r-agent.com/

業界・業種を絞らず、とにかく多くの選択肢を見てみたいという人もいるでしょう。

リクルートエージェントは日本でもとくに有名なそのネームバリューを活かし、圧倒的な求人数と転職支援実績を誇ります。知名度が高いことから、サービスを利用するうえで不安に感じることもほとんどないでしょう。

BEET・コトラは特化型の転職エージェントですが、リクルートエージェントはいわゆる「総合型」と呼ばれるあらゆる業界業種を網羅したエージェントです。

公式サイト:https://www.r-agent.com/

まとめ

仕事を辞めることは決して悪いことではありません。

それがたとえ、残業時間が多いとかストレスに耐えきれないとかネガティブな理由だったとしても、そんな仕事を辞めて新しい人生を歩むことは、誰にも咎められることではありません。

ぜひいまの仕事がツライのであれば、我慢しすぎずに転職を検討してみてはいかがでしょうか。

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佐藤 達也

弁護士・公認会計士・税理士等の士業や、管理部門特化の転職サポートを行う人材紹介会社に在籍。士業・バックオフィスに特化した転職ノウハウ・企業調査を担当しています。分野特化だからこその、勘所を押さえたリアルな情報を発信できるよう心がけています。