

就職して数ヶ月経つと、夜勤に入ります。「夜勤って大変」って聞くけど、何がそんなに大変なのか、本当に大変なのか未知数で不安な人も多いと思います。 夜勤のサイクルや、日勤業務との違い、なぜ大変と言われるのかを、私の体験を交えてお話したいと思います。
夜勤中の主な看護師業務は5つ

私は病棟でしか夜勤業務をした事がないので、病棟での夜勤業務についてお話します。 夜勤業務の特徴は、処置が減るかわりに受け持ち患者さんが増えることだと思います。 夜勤に入り始めたばかりの頃は、患者さんのバイタルサインの測定に巡室するだけで精一杯だった記憶があります。
日勤の残務の引継ぎ
夕食までの時間は残った日勤業務を行う事が多いです。例えば、日勤で出したオペ患者さんがまだ帰ってきてなければ、オペ迎えをしてその後の術後管理をするのは夜勤者の仕事になります。
日勤の終わり頃に入院患者さんがいれば、夜勤者がアナムネをとったりします。日勤で出た指示は勤務帯で完結してくれていることがほとんどですが、難しい場合は夜勤帯で引継ぎ、夕食前に実施します。
夜勤帯面会者の対応
夜勤帯は意外と仕事終わりの方の面会者が多いです。
- 面会者がいらっしゃったら患者さんの様子をお伝えしたり
- なかなか来られない方が来た時は忘れずに書類のやり取りをしたり
医師がICを希望している場合は、日程調整をしたりします。 特に書類や日程調整は翌日には書類が必要だったり、医師からICの日程を聞かれたりするので、重要な任務です。
夕食と朝食の介助、配薬
2交替勤務の夜勤の仕事は夕食前から朝食後までになります。
(3交替の場合は日付が変わる頃から引継ぎが始まるところが多いように思います)
日勤帯ではスタッフが多いのでフリー業務や病院によっては看護助手さんが入ってくださるところもありますが、夜勤は勤務者が少ないので、1人で数人の食事介助を行います。
配薬と投薬も間違いがないように声をかけあいながら実施します。 食事前後の他に、就寝前に薬がある患者さんも多いので消灯する前に忘れずに配薬します。
コール対応、寝かしつけ(小児科)
夜は長いように思いますが、消灯後もナースコールで呼ばれる事が多いです。
呼ばれる内容は疼痛やドレーンやカテーテルの不快症状だったり、トイレの介助だったり、不穏患者さんに用事がなくても呼ばれたりします。
それぞれの訴えに応じて投薬や処置を実施したり、話を聞いたりしていると意外と早く朝を迎えます。
小児科には寝かしつけ業務があるので、準夜勤も結構大変だったります。
朝の検査の準備、検体の採取
朝の朝食前までの主な仕事は検査関係です。大体、日勤者の方への引継ぎまでに済ましておきます。 採血はメインイベントです。
採血が多い朝は結構立て込みバタつきます。 一般病棟での夜勤での仕事で多いものを挙げてみました。他にもユニット系の病棟や緊急入院受け入れの病床を持っている病棟では更に忙しいと思います。
勤務人数が少ないので、協力しながら行うこと、効率よく仕事を行うことが夜勤では大切になります。
夜勤の勤務時間はどの程度?2交代制と3交代制の違い
2交代制の場合
2交替制の場合は、だいたい16時~17時頃に出勤し、翌朝の9時~10時までという病院が多いと思います。 勤務時間は16時間前後です。
勤務時間は長いのですが、深夜勤務の次の日は休みもしくは準夜勤となり、しっかり休息をとることができるので、慣れれば3交替より楽に感じていました。
(あとでお話します)

休憩時間は病棟によってだいぶ変わってくると思いますが、 私の働いていた病院では、患者さんの夕食前後に1時間程度の夕食休憩、消灯後に3時間程度の仮眠休憩、患者さんの朝食前後に1時間程度の朝食休憩がありました。
仮眠休憩はその日の忙しさによって変わります。
急変対応があれば仮眠をとらずに朝を迎えることもありましたが、忙しいとアドレナリンが出るので意外と眠くなかったりします。
3交代制の場合
3交替制の場合は、
- 準夜勤務は16時~17時頃に出勤し翌日の0時~1時までの勤務
- 深夜勤務は0時~1時頃に出勤し、翌日の9時~10時くらいまで
の勤務になります。 休憩は、2交替制の仮眠休憩がない形になります。

3交替勤務は1回の勤務時間は短いのですが、私が3交替制で働いていた時は、日勤→深夜→準夜→休みがだいたい1サイクルでした。
17時頃に退勤した後に1度家に帰り、その日の夜中にまた出勤するので、日勤で残業になってしまうと帰ってもすぐに出てくるような感じになります。
人が少ないと準夜→日勤みたいな勤務もありました。これも1時頃に退勤し、その日の8時頃にまた出勤してくる勤務のことです。
個人的には、このサイクルを繰り返しているとまとまった休息がとれず疲れがとれなかった事と、今が何日の何時なのかわからなくなるような感じがあったので、2交替制で働くようになりました。
重症度の高い病棟やユニット系の病院では、集中力が切れやすいという理由で3交替制を採用している病院も多いと思います。
一月にある夜勤の回数はどのくらい?
病院によるとは思うのですが、2交替制の場合1ヶ月の夜勤の数は5~6回です。 2018年に11時間インターバルが導入されました。
これで3交替勤務の病院はだいぶ業務改善されたように思います。 勤務後11時間のインターバルをとらなければならなくなったので、私が上記に書いたような日勤→深夜や、準夜→日勤のような勤務が組めなくなったのです。
おそらく、勤務サイクルは深夜→日勤→準夜→休みとなったので、勤務後に休息をとることが可能になり、身体に優しくなったように思います。
【体験談】夜勤明けって何してますか?

夜勤明けは、仲の良い同僚や同期とそのままランチや昼呑みに行ったりします(笑)
アドレナリンが出ているせいか、勤務終わりってちょっと目が冴えていたりするので、そのまま夕方くらいまで遊んだりもします。 あとはリラクゼーションを求めてスパや岩盤浴に行ったり、美容院に行ってリフレッシュしたりします。
でも、映画館みたいな少し暗いところに行くと確実に寝てしまうので避けています。
以前は一旦家に帰って、夜から用事を入れることもありましたが、1回帰って寝てしまうと身体が重く起きるのが億劫になるので、最近は勤務終わりで遊びに出かけ、夕方・夜から翌日まで寝るようにしています。
まとまった睡眠をとるのが疲労回復には不可欠だと最近は感じています。
【体験談】看護師の夜勤で辛かったことは?

身体が慣れるまでは昼に睡眠をとってから仕事に行くという事ができなくて、常に寝不足だったように思います。
1年目や2年目の時になりますが、人数が少ないなか働くので、できない事を先輩にお願いするのが難しいことが辛かったです。
できる事を増やそうと、日勤終わりに演習して帰ったりしました。 夜は長いので急変に当たることもあり、その対応をほぼ1人で行わなければならない事もつらかったです。
そういう時は大抵休憩はとれない事も多いので、気持ちが切り替えられずに朝を迎えることも多くしんどかったです。
1:急な休みが取りづらい
夜勤は日勤と違い人数も少ないので、体調不良や急な身内の不幸などでも休みが取りづらいです。
後者では休みをもらえるとは思いますが、代わりの勤務者を調整したりと病棟に確実に迷惑がかかるのが心苦しいです。
休まなければならない状況になってしまうのは仕方がない状況なので、変わってくれた勤務者と病棟にお礼は用意していました。
あとシフト制なので、夜勤に関わらず趣味や娯楽のために急に欠勤するのはもっての外なので、諦める事も多いです。
2:残業が多い
受け持ち患者さんの人数が多いので、記録で残業する事が多かったです。
合間を見つけて記録をすすめていても、急変に当たったりすると隙間時間がなくなるので、勤務時間終了後から記録を開始したりする事もありました。
夜勤明けで長時間残っていると日勤者の迷惑にもなるので、なるべく残業しないように、効率のよい働き方は常に模索していました。
3:当直医師への報告
夜勤帯で急変があったり、急な指示を仰がなければならなくなった時は当直医師に指示を出してもらうのですが、患者さんの疾患が当直医師の専門外であったりすると、的確な指示がもらえなかったりします。
また当直医師は24時間勤務だったりもするので、先生の休憩時間を減らさないように指示はまとめてもらう等、気を遣います。
- なるべく日勤帯のうちに主治医に指示をもらっておく
- 急がなくても良い時は朝まで待って主治医から指示をもらう 等
当直医にはどうしても必要な場合のみ指示をもらうようにしていました。
4:他の人と生活のサイクルが違う
看護職に関わらず夜勤者に共通の悩みだと思うのですが、日中にしか済ませられない用事って結構多いので、どうしても夜勤前や夜勤明けでそのまま用事を済ませなければならない事があります。
用事があっても始業時間は待ってくれないので(私用で時間給をもらう事は難しいのが現状です)、勤務前に1時間早く起きて用事を済ませてから仕事へ行く時などは、つらいなぁと思います。
こればっかりは、何でも早めに済ましておく事が1番なので、休みの日にまとめて用事を済ませておきます。
5:夜勤明け出勤がある
職場によるとは思いますが、病棟のミーティングや勉強会は日勤帯の時間終わりにセッティングされる事が多く、基本的に全員参加だったりします。
それが夜勤明けだった場合、1度帰って数時間仮眠をとりまた出勤する事になります。
寝ないで行くと寝不足で頭痛がしますし、1度寝てしまうと疲労感で起きるのが難しいので、明け出勤があると気分がどんよりしてしまいます。
対処法は人によると思いますが、私は帰らずにリラクゼーションで空き時間を埋めて出勤するようにしています。
夜勤のあり・なしで看護師の給料に差は出る?
夜勤手当の相場としては(日本看護協会の調査によると、少し古いデータになりますが)、2016年の夜勤手当の平均は、
- 三交替制では準夜勤が4,076円
- 深夜勤が5,023円
- 二交替制だと10.772円
だそうです。
日勤のみと比較|夜勤専従になった場合はどのくらい上がる?

私は2交替制の病院でしか夜勤専従をした事がないので2交替制の話になりますが、私が働いていた時の夜勤専従者の夜勤の数は9回でした。
18日間の出勤という事になり、休みは日勤者よりも多くなります。 1回あたり1万円近い夜勤手当が出ていたので、単純計算で日勤のみの勤務者よりも9万円多く稼げる計算になります。
夜勤のある月とない月で給料はどのくらい変わる?

正直、看護師は夜勤やってなんぼだなぁ・・と思うくらい夜勤のある月とない月ではお給料に差が出ます。
通常の2交替制勤務でも月に4~5回が入るので、上記した夜勤手当の平均と照らし合わせても給料に大きく差が出ることがわかると思います。
通常のフルタイム勤務に比べて業務に違いはある?

なるべく済ませられる事は日勤帯で済ませておく事が多いと思いますが、病院はいつ急変等イレギュラーな事態が起こるかわからない職場でもあります。
夜勤は人数が少ない勤務になるので、看護師としての経験が豊富な即戦力が求められます。
教えてもらいながら働く事が難しい環境なのですが、即戦力として何でも頼まれてしまいがちです。
個々の能力に合わせた仕事を振る事が難しい、フルタイムのパートとの違いはそこにあるように思います。
時給は割にあう?

これは派遣先によると思います。
また、派遣先のその日の忙しさにもよると思います。だいたい相場をみても勤務時間が長い事もあり、割に合っているところが多いように思います。
夜勤をやってよかったことは?

夜勤帯は日勤帯よりも処置やイベント(オペ出し等)が少ないので、比較的ゆったりとしています。
慣れてくれば患者さんとの関わりを楽しむ余裕も出てきて、私は日勤よりも夜勤が好きな時期もありました。
すごく夢がない事を言うと、夜勤が多かった次の日の給料明細をみた時は達成感があります笑
まとめ
夜勤に関する事をいくつかお話させてもらいました。夜勤のネガティブな話が多くなってしまいましたが、実際働いてみると悪い事ばかりではありません。

看護師をしてると言うと世間の人から「夜勤があるなんて大変だね。」「夜勤つらいよね。」と言われる事があります。
しかし慣れてしまえば、夜勤も良いものだなぁと思えたりするから不思議です。
患者さんとじっくり関わる余裕が生まれてくる頃には夜勤のある生活が当たり前になっています。
夜勤に入ると責任も大きくなるので、自分自身の成長にも繋がります。
色々と大変な事はありますが、患者さんにとって頼もしい存在になれるよう頑張っていきたいです。
転職・人材業界に深く関わるディレクターが『今の職場に不満があり、転職を考え始めた方』や『転職活動の進め方がわからない方』へ、最高の転職を実現できる情報提供を目指している。
本記事はキャリズムを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
※キャリズムに掲載される記事は転職エージェントが執筆したものではありません。
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