好かれるためのコミュ力が採用の鍵!心理学専門家が教える面接攻略テク

こんにちは。心理カウンセラーの田倉怜美です。
入念に会社情報を調べ、自分の伝えたい想いを事前にまとめ、面接準備は完了と思っていませんか。面接を突破するためには、それだけでは不十分なこともあります。
なぜなら、話す内容以上に“話し方や伝え方が印象を左右する”ことが少なくないためです。そこで、心理学の観点から「面接で好印象を与えるためのコミュニケーションテクニック」をご紹介します。
テクニック①面接前に丹田式呼吸法を行い、面接官に落ち着いた印象を与えよう
多くの人が面接前に、志望動機や転職理由をどう話そうか考えていたり、どのような質問を受けるかを予想したりと、しっかりと準備をしていることでしょう。
しかし、いざ面接となると緊張感が漂い、力みがちです。面接中に心臓がバクバクした状態では呼吸も浅くなり、言葉も拙くなってしまったのでは、せっかくの準備も水の泡になりかねません。
そこでおすすめしたいのが、『丹田式呼吸法』です。
丹田は、おへその下に指3本置いた場所に位置します。ここに意識を集中して、強く手をあてながら背筋を伸ばし、ゆっくり7~8秒かけて息を吐き、また息を吸って吐いてみてください。
下腹部からの呼吸は、腹式呼吸同様に深い呼吸をすることができるので、横隔膜がしっかりと動くのが感じられるかと思います。
これを3回ほど繰り返すうちに、緊張によって交感神経が優位な状態から、程よくリラックスした副交感神経が優位な状態に切り替わります。
丹田式呼吸法を行う利点は、緊張緩和ややリラックス感の増幅だけではありません。お腹から声を出すことによってしっかりと声が通るようになるので、面接官にどっしりと落ち着いた印象を与えることにも繋がります。
テクニック②自分の魅力を120%活かすカラーを身につけよう
突然ですがあなたは、「死神」と聞いて何色をイメージしますか? また、「天使」と聞いて何色をイメージしますか?
「死神」は黒、「天使」は白をイメージしたのではないでしょうか。黒は怖い、ダークな印象がありますし、白は純真、清潔といったイメージがありますよね。
このように、色が人間に与えるイメージを事前に把握しておき、“あなたのアピールに適した色”をYシャツやネクタイ、ハンカチや時計などのファッションに取り入れると、さらに効果的なアピールができますよ。
【例】
アピールしたいこと |
おすすめの色 |
画期的な発想力 |
「想像性」を連想させるターコイズブルーや水色 |
リーダーシップ |
「情熱的」「活動的」を連想させる赤や朱色 |
冷静沈着で動じない判断力 |
「落ち着き」「知性」を連想させるブルーや藍色 |
面倒見の良さ |
「親しみやすさ」を連想させるコーラルピンクやオレンジ |
10分や20分という短い時間で自分らしさをアピールするのは難しいことですが、面接官に視覚的なアピールをすることで、あなたの性格や魅力がはっきりと伝わりやすくなります。
もしファッションで取り入れることが難しいのならば、どのような印象を与えたいのかを意識して発言や振る舞いを徹底してみてください。
リーダーシップを全面的にアピールしたいのならば、テキパキと答えたり、集団面接時には一番に挙手をしたりして積極性を出したほうが良いでしょう。
冷静さをアピールしたいならば、落ち着いた低めの声で話したり、淡々と論理的に話したりしたほうがその印象を強めることができます。
テクニック③どんなタイプの面接官にも好まれる話し方をしよう
面接官の性格によっては、ロジカルに話すだけでは言わんとすることが十分に伝わらない可能性があります。
というのも、人の理解は「視覚優位型」「聴覚優位型」「感覚優位型」の3種類にわかれると言われています。以下に各種類の特徴、攻略法についてまとめたのでご覧ください。
視覚優位型 |
ビジュアルで訴えると理解しやすいタイプです。可能であれば、図付きのスライド資料を用意するとスムーズに理解をしてもらうことができます。会話だけで理解を促したいのなら、数字や具体的なエピソードを盛り込むのがポイントです。たとえば「前職で営業成績1位になりました」だけでなく、「前職では35名の社員がいる中、月内の営業成績が1位になりました」「前職では月内の新規開拓の営業成績が150万円を超え、1位になりました」などの数字を盛り込むことで理解を促せます。時系列や結論ファーストなど、論理的に事実を話すことが大事になります。 |
聴覚優位型 |
世間一般的な評価や評判、社会的な印象を重視するタイプで、テレビや新聞などのマスメディア・口コミ・ニュースなどの影響を強く受ける傾向にあります。そのため面接の場合には、世間一般的な流行、ニュースなどを関連付けて価値を伝えることが必要になります。たとえば、「前職で開発した機器は○○テレビに報道されました」「企画したプロジェクトは業界紙××に掲載されました」などの言葉が響きます。メディアなどやニュースにまつわるアピールは難しいかもしれませんが、社会から見た良さを伝えることが鍵になります。 |
感覚優位型 |
触覚や味覚、嗅覚や体感覚などの五感が強いため、視覚や聴覚以外の情報をもとに理解をすすめ、感覚的に合う・合わないをジャッジする傾向があります。このタイプと話すときには、情報は事細かく、ニュアンスやエピソードなども交えて話し、“いかにイメージさせられるか”を考えて話すと良いでしょう。その場で披露できることは実際にやってみせたり、表現したりすることも大事です。たとえば英語が得意ならば、その会社の英語が話せる社員と実際に英語で会話をしてみせるといったアクションがかなり有効です。 |
視覚優位型が簡素に論理的に話したほうがわかりやすいのに比べて、事細かく如実に伝えたほうが好まれるのが感覚優位型です。
面接官のタイプをどのタイプか、瞬時に見抜くことは厳しいでしょう。だからこそ、どんな面接官にも好まれるよう、数字や社会的な評価、感覚的な表現や具体的エピソードなどを盛り込みつつ会話を進めたほうが高評価につながります。
テクニック④ペーシングで会話をスムーズにし、好感度を引き上げよう
面接中は、「何を答えようか」ということばかりに意識が向きがちです。しかし、目は口ほどに物を言うというように、何を答えるかよりもどのように答えるのかのほうが重要です。
面接中に面接官の顔が曇ったり、会話のうまくかみ合わないと感じたりしたならば、すぐさまペーシングをすることです。ペーシングとは、会話のテンポを相手に合わせることです。
面接官の中には、ゆっくり話をする人もいれば、早口に話をする人もいます。会話の間がほとんどない人もいれば、緩急がついている人もいます。
この会話のペースは一人ひとり違うものですが、大きくテンポが異なると、会話がかみ合いにくくなります。
たとえば、相続などの話を家族でしているときに、恋バナをするようなテンションで会話に参戦したら、空気が乱れることは容易に想像できますよね。
ここまで極端ではないにしても、会話が盛り上がってアップテンポで話しているときにゆったりした口調で言葉を返されたら、何だかおかしな空気になると思いませんか。
このように、場に適している会話のペースや間というものが存在するのです。
面接の場は基本的に面接官の話す口調を基準に会話を返すと良いでしょう。面接官の話すテンポがゆったりならば、同じくゆったりした話し方で呼吸をゆっくりにします。
反対に面接官がはきはきと話をして、会話の間が少ないのなら、同じくはきはきと返すとペースが合い、会話が成り立ちやすくなります。
声のトーンも同様です。相手の声のトーンが落ち着いているようならば、同じく落ち着いたトーンで返していきます。相手の声の抑揚が大きいならば、同じく抑揚をはっきりつけて会話をします。
こうすることで、相手が心地よさを感じて、会話上の信頼関係が培われやすくなります。
テンポが合わない、馬が合わない、会話をなかなか理解してもらえないと感じるときにはなおさら、相手と同じリズムで会話をするように心がけましょう。
テクニック⑤自ら微笑み柔らかな空気づくりをしよう
面接で緊張するのは実は面接を受ける方だけではありません。面接官も慣れていない方やプレッシャーが与えられている方の場合、緊張して表情が硬くなることがあります。
このように、面接官の表情が硬かったり、怒っているように感じたりした場合は、あえて自分から微笑んでみてください。そうすることで、相手も笑顔を返してくれる可能性が高くなります。
なぜなら、「人から何かをしてもらったら、自分も返さないといけない」という心理が働くからです。心理学ではこれを「返報性の法則」と言います。
たとえば、誰かから誕生日プレゼントをもらったら、同じく相手の誕生日にお返しをしようと思うのが自然なことでしょう。もらいっぱなしの状態はそわそわと落ち着かないものです。これは贈り物だけの話ではなく、好意や表情に対してもあてはまります。
面接の場で微笑むことに対して不自然さを感じる方もいるかもしれませんが、決しておかしなことではありません。むしろ面接室に入る際や自己紹介の際などに笑顔を見せるチャンスはいくつもあることでしょう。
お互いに笑顔になれれば、良い雰囲気で面接をすすめることができますよ。
テクニック⑥意地悪な質問には受容で理解を示そう
面接中に、面接官から意地悪な質問をされたり、否定的な意見をもらったりする場面もあるでしょう。
たとえば、あなたの転職動機に対して
「前の会社のほうが給料が良いのになぜ辞めたのですか」
「前の会社よりも待遇が悪くなるかもしれないのに入社したいと思う理由は」
といった質問で返されることがあるかもしれません。
このような質問をされると、否定されたように感じて萎縮したり、悪いことをしているかのような気持ちになったりして明らかに不機嫌さが表情に出たりする場合があります。
また、返答がぶっきらぼうになったり、厭味な言い方になったり、角が立つ言い回しになったりする人もいます。けれどもそれでは相手のあなたへの評価が下がってしまいます。
ですので、意に沿わない質問や意地悪に感じる質問へは、まずは深く考えずに“受容”だけするようにしてください。
「おっしゃるとおりです。前よりも給料は確かに下がるので疑問に感じるのは当然だと思います」
「待遇は確かに前職のほうが良いので、不思議に思うのは当然のことです」
などと、相手が質問する気持ちや聞きたい気持ちをまずは受け止めることを心理学では受容と言います。
この受容をしっかりと行った上で、なぜ入社したいのか、理由を述べていきます。
大事なのは“争わないこと”で、相手の考え方も間違ってはいないと肯定した上で、改めて自分の主張や考えを伝えていくのです。
こうした大人な対応をすることで、良い雰囲気のまま面接を終えられ、良い印象を面接官に与えられることでしょう。
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書籍 「こころの予防医学~偽りの仮面を投げ捨てて自分らしく生きる方法~」
ブログ・公式サイトURL https://ameblo.jp/counselor-satomi/

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