「アポが取れない」 →1日200件×1ヶ月間続けてもですか?by元営業マン

どーも。ブラック企業で馬車馬のように働いて死にかけた経験を持つ、あんにゃです。
ブラック企業では1日3~4時間睡眠で休みなく死ぬほど働いて、体育会系営業スタイルが身に染みていました。
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まあ今どきそこまで働くのはどうかと思いますが、それでもテレアポに対しては確固たる思いがあります。
テレアポ…きつい。きついですよね。
確かにきついですが、でも、弱音を吐くのは1日200件のテレアポを1ヶ月やってみてから、です。
今回はテレアポ、そして営業に悩んでいる営業マンの方々にとって少しでもヒントになればと思い、経験談を含めて“大量コール”がもたらすメリットについて主に書いていきたいと思います。
「電話してるけど本当にアポ取れるのかな?」「テレアポなんていくらやっても無理じゃないの?」と悩んだり、ネガティブになる前に今回の記事を参考にご覧ください。
とにかくがむしゃらにかけ続けることに、実は大きな意味があることに気が付いてもらえるはずです。
そもそもテレアポとは
営業経験のある方ならおわかりかと思いますが、念のためテレアポについておさらいです。
テレアポとは、営業リストに載っている会社に対して電話をかけ、アポイントを取るための行為です。
「はじめまして~うちの会社、こういう商品売ってるんですけど、興味ありませんか~? もしよければ今度訪問させてもらって商品紹介させてもらえませんか~?」
的な内容を電話で伝えてアポイントをもらいます。
※もちろんこんなテレアポトークでは150%アポ取れません。
テレアポのアポ率相場は?
高いと見るか低いと見るかは人によって違うかもしれませんが、テレアポのアポ率相場は1%~5%、高くても6%です。
100件電話をかけて2~3件アポイントが取れれば合格ラインと言うところでしょう。もちろん、業界によってはアポ率相場が1%を切ってしまう厳しい世界もあります。
100件かけて2~3件のアポイントということは、残りの97~98件は断られるということです。しかもこっぴどく怒られたりネチネチ嫌味を言われながら断られたりすることもあるのが、テレアポの辛いところですよね。
よくあるテレアポに対する新入社員の発言と私からの愛のムチ(助言)
新入社員に限ったことではないですが、テレアポ初心者から聞くよくある発言を一部ご紹介しましょう。
「もっと効率よくアポを取りたい」
確かに、100件かけて2~3件は少ないと感じるかもしれませんね。
でも、効率的か非効率的かはある程度データを貯めないとわからないことです。
トータル5,000件以上かけてから検討してみることをおすすめします。
「スクリプトを自分なりに工夫したい」
確かに、先輩や上司から与えられたスクリプトよりももっといいスクリプトを考えて見たくなるかもしれないですね。
しかし、工夫してオリジナリティを出すということは、型が完璧に身に付いた人間がやらなければ意味がありません。
型も大してしっかり身に付いていないのであれば、工夫する段階はまだまだ先です。
まずは先輩たちがうまくいってきたスクリプトでテレアポの型を身に付けましょう。そのうえで工夫すればより効果が高くなります。
「テレアポ、辛い」
うん。うん。わかるよ。辛いよね。
新入社員のテレアポに対する愚痴は痛いほどよくわかりますが、まずは1日200件以上かけ続けてから弱音を吐きましょう… (´◉◞౪◟◉)
テレアポはデータを貯めるための実験だと考えてください。そして、テレアポの結果は実験データです。
実験データを貯めるのにいちいち一喜一憂する研究者なんていないように、テレアポでも1件1件いちいちめげていてはいけません。
むしろ、テレアポに感情をはさまなくなれたら、一流の営業マンに確実に近づいていると言えるでしょう。
ブラック企業時代の私のテレアポ実体験
ブラック企業時代、私がどのようなテレアポを実践していたのか少しご紹介します。
まず、前提として1時間あたり25コール。訪問営業が無い日は1日に9時間すべてテレアポに使っていましたので、基本的に1日あたり25×9=225コールがデフォルトでした。
目標アポ数は1日あたり4件必達とされていので、もし4件取れずに9時間経過してしまった場合は300件以上かける日もありました。
「1時間25コールなんてそんなに大変じゃないじゃん」と思われるかもしれませんが、一般家庭ではなく企業相手のテレアポで、9時間ぶっ通しで電話し続けるのはまあまあ大変なことでした。
少しでも気を抜くと1時間22コールとか20コールになってしまい、次の1時間の目標コール数が引きあがるので悠々とトイレにもいけません。
そのくらい、テレアポしまくっていた経験があります。
ちなみに、ちょっと手が疲れて休憩しようとしていた時、ブラック企業の社長からは「てめぇ、受話器置いてんじゃねーよ。腕にくっつけとけ!」と冷たい目で言われたこともあります。
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1日に大量にテレアポをするメリット
ブラック企業時代、毎日225件以上かけていたこと自体はきつかったですが、そこから得られたものの方が大きかったと感じています。
私のように寝食を削り無理をして電話をかけ続けろというわけではありませんが、この章では1日に大量にテレアポするメリットをいくつかご紹介します。
テレアポがうまくいかず、嫌気がさしている営業マンの方が少しでもテレアポに意欲的になるきっかけになってくれれば幸いです。
うまい抑揚がついてくる
最近では、友達や家族との電話以外で電話する経験ってあまりないと思います。社会人になるまでは目上の人に電話する機会もほとんどなかったのではないでしょうか。
そのため、目上の人、知らない人への電話での抑揚が不自然になってしまう方が相当います。もともと話し上手な営業マンですら、不自然な抑揚で電話する人が少なくありません。
しかし、テレアポでのうまい抑揚は、慣れ以外に解決方法がありません。ひたすら電話し続けて慣れていくしか上達方法はないのです。
逆に言えば、1日に200件も300件もかけていれば嫌でもテレアポがうまくなります。「自分、テレアポ下手やな」と落ち込むときこそ、かけ続けてください。
スクリプトが腹落ちしてくる
おそらくはじめは、テレアポスクリプトが先輩や上司から手渡されて「これ、練習してきて。練習が終わったらこの通りに実際かけてみて」と言われると思います。
つまり、自分が作ったわけではないテレアポスクリプトでテレアポし始めると思います。
先輩たちがうまくやってきた実績のあるスクリプトなので、おとなしくそのスクリプトでテレアポしたほうがいいのですが、最初はしっくりこないと思います。
当然です。自分で作ってないからスクリプトの内容に納得していないからです。
それが不思議と、大量にテレアポし続けることで、納得感がうまれてきて自信をもって電話口で話せるようになってきます。
すると、同じスクリプトを読んでいるはずなのに、最初の頃と比べ物にならないくらいサクサクアポイントが取れるようになってきます。
人間、同じ内容のことを言われても自信なさげに言われるのと、自信満々に言われるのでは、後者の人間の言うことを信じ、会って話してみたいと思うからです。
相手がどこに食いつくかわかる
テレアポを繰り返し行っていると、相手がどこに興味を持っているか、電話口の沈黙や反応だけでわかってくるようになります。
もちろん、電話の相手によって食いつきポイントは異なりますが、興味を持っているのか、持っていないのか、持っているとしたらどこに興味を持っているのかがだんだんと声色だけでわかってくるのです。
相手の興味がどこかがわかれば、あとはそこを掘り下げていけばアポをもらうのはそんなに難しくありません。
ただし、この察知スキルはテレアポの件数を重ねないと見えてきません。身に付けたければ、毎日毎日テレアポをし続けるしかないのです。
相手によって最善の話し方がわかってくる
相手の興味の所在がわかってくるのと同時に、相手がどんな人間なのかもわかってくるタイミングがあります。
攻撃的な人間なのか、お話し好きの人間なのか、数字しか信用していない人間なのか、評判を気にする人間なのか。
ある程度の人間性がわかれば、電話口での話し方もその人にあわせたものにでき、相手が気分よく電話で話してくれるようになります。結果的に、あなたともっと話してみたいと思ってくれ、アポイントをくれるでしょう。
もちろん、話し方が100%あっている保証はありませんし、人間性がわかりにくい人もいますが、素人よりはだいぶ見極められるようになってきます。
切り返しのトライ&エラーができる
テレアポをしていると、想定外の質問が飛んできたりします。最初はうまく切り返せなくて当然です。
しかし、テレアポは実験データを集めることと同じだということはすでに述べた通りで、大量のデータを持っていれば以前どう答えたら電話を切られ、どう答えたらやり過ごせたのかがわかります。
そして、今度はどう答えたら食いついてくれるのかを試行錯誤していけば、より洗練されたテレアポトークができるようになってくるのです。
テレアポリスト作成の効率が劇的に良くなる
1日に200件以上も毎日かけ続けていると、リスト作成も同時に大量に行わないと間に合わないことは営業マンならご理解いただけると思います。
そして、そのリスト作成が案外アポ取得において肝になります。
質の良いリストからテレアポしたときと、質の悪いリストからテレアポしたときではアポ率が1%~2%も変わってくるのです。
※実体験として、リストの質を見直したとき、もともと2%だったのが4.5%近くまで上がったことがある。
しかし、最初はどういうリストが質が良くて、どういう方法でリストアップすれば効率が上がるのかわからないと思います。
それがわかってくるのも、大量にテレアポしつづけ、大量に失敗し続け、ときどきアポ取得の成功を積み重ねていった後です。
大量のテレアポデータが自分の中に蓄積されてくると、不思議とリストアップ候補の企業HPを見ただけで、アポをくれそうかくれなさそうかわかってくるようになります。
テレアポ以外のアポ取得方法
今回、テレアポでのアポ取得についてお話してきましたが、営業は「勝てば官軍」です。どんな方法だったとしてもアポをもらい、売り上げをあげればそれが正義という考え方もあります。
テレアポ以外にもアポ取得方法をご紹介しますので、テレアポに飽きたら是非とも試してみてくださいね。
飛び込み
昔からある営業方法です。体育会系の営業会社であれば1度は経験させられると思います。
ただし、テレアポより非効率な上に、メンタルブレイクが激しいかと思います。力試しに行うのにはおすすめです。
手紙、チラシ
「あなただけに書きました」という感じで、丁寧に手紙を書いてアポを懇願する方法もあります。また、宣伝用のチラシをまく方法もあります。
私は手紙とチラシ両方試しましたが、手紙は5通書いて1アポ、チラシは0アポでした。
手紙は効率的と思えるかもしれませんが、1通1通丁寧に書くのに時間がかかるため、「どうしてもこの会社からアポがほしい!」「この会社はアポさえ取れれば売れる!」など特別なときの切り札に取っておいた方がいいかもしれません。
メルアポ
私はこの方法で大成功しました。会社のメールアドレスに営業メールを送る方法です。
1日30通~40通ほどしか送れませんが、アポ率、アポからの受注率ともにテレアポの倍くらいに伸ばせた実績があります。
詳しくは、後日メルアポ術について書きますので楽しみにしていてくださいね。
SNS
FacebookやTwitter、インスタグラムが流行っていますが、それをビジネスに応用することも考えるべきでしょう。
Facebookなどは特に、どこの会社に勤めているのかや、どういう職種についているのか公表しているケースが多いのでアポ取りに大いに活用できます。
紹介
自分のお客様を持っていないとできない方法ですが、お客様に別のお客様を紹介してもらう方法もあります。そして、これが一番、受注率が高いです。
お客様に別のお客様を紹介してもらうのは気が引けるかもしれませんが、気が引けないくらいにあなたがお客様に対して成果をあげていれば、必ず紹介に協力してくれるはずです。
まとめ|まずは1日200件を1か月以上かけ続けることから始めてみよう
いかがでしたか?私も新人時代からずっと営業をしていたので、テレアポの大変さや辛さは痛いほどわかっています。
しかし、辛いからと言ってネガティブに考えてばかりいても前に進みませんし、毎日のテレアポから得られるスキルはバカにできないくらい大きいものです。
まずは、騙されたと思って毎日ひたすら、がむしゃらに電話をかけつづけてください。そして、根気よく1か月以上やり続けてみると、最初にはわからなかった工夫の方法が見えてくると思います。
自分のオリジナリティを出すのはそれからでも遅くありませんよ。Fightです!
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ブラックベンチャーからほぼ夜逃げ同然に逃げ出した後は歌舞伎町のキャバクラでひっそり働いていたが、キャバクラでスタートアップベンチャーの社長に拾われ、その会社で売れっ子営業マンとして3年ほど勤務。
自身の売り上げを伸ばすだけでなく、新人・後輩の指導にも尽力し会社の成長に貢献。現在はスノーボードを主軸に自由気ままに各地を転々とする完全旅人生活を満喫中。
ブログURL http://www.anna-jiyuuni-ikiru.com/

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