「もう無理!辞めたい!」自分の心との上手な向き合い方を専門家が解説

お局様からのくどくどした嫌味を言われたり、コロコロと仕事の方針が変わる業務環境に身を置いていたりすると、ストレスが溜まって「もう辞めたい!」という衝動に駆られるものです。
けれども今すぐに辞めるのは得策でないこともありますし、興奮状態で判断するのはおすすめできません。
そこで心理学の観点から、気持ちをクールダウンさせて落ち着ける方法や、何をどう整理して考えるべきなのかをご紹介します。
「辞めたい!辞めたい!辞めたい!」自分の気持ちと上手に向き合うには…
イライラ・もやもやが募るときには感情筆記法を
男尊女卑を感じさせる発言や嫌味っぽいセリフなど、仕事をしているとイライラしたり、もんもんと悩んでしまう場面もあるでしょう。そのようなときには、怒りやもやもやした感情を紙にぶつけてみてください。
やり方はシンプルです。紙を一枚用意して、ムカついたことやもやもやしたことなどを、ひたすら書いていくだけです。時系列で書く必要はありません。
さぁ、思いつくままに嫌だったことやネガティブな気持ちになることを、紙にぶちまけてください。誰かに見せるものではないので、きれいに書いたり、わかりやすく書いたりする必要はありませんよ。
ひたすら自分の感情にフォーカスを当てて、心の中にある感情を紙の上にすべて吐き出します。するとどうでしょう、不思議と気持ちがスッキリしてくるはずです。
心理学ではこの行為を「感情筆記法」と呼んでいます。興奮状態をクールダウンさせ、今あるストレスを緩和させたりなどの効果があることで知られています。
また、直面しているトラブルや自分自身の行動を客観的に物事を見つめる役割も持っています。
書かれた気持ちを見つめることで、今、仕事の何に対して無理と感じ、どのような扱いにやめたいと思っていたのかも見えてくるでしょう。
素直な自分の気持ちを見つめなおすスケール化を
「もうここで働き続けるなんて無理」「すぐにでも辞めたい」などの気持ちが強くなっているときには、素直な自分の気持ちを見つめなおす「スケール化」をすることも大切なことです。
「辞めたい」と言っていますが、100%中何%辞めたいと思っていますか。その理由をはっきりと答えられますか。
ひょっとしたら100%と答える人もいるかもしれません。けれども今なおその会社で働いているのは、何%かはその会社にいるメリットがあったり、今すぐに離れられない理由があるからではないでしょうか。
たとえばサービス残業の日々に嫌気がさして辞めたいのかもしれません。しかし一方で、給料が良かったり、仕事そのものは好きだったりなどの辞められない理由があったりしませんか。
あるいは人材不足で今すぐ辞めるのはかわいそうだと言う気持ちがあるのかもしれません。その場合においても、すぐに辞められない何らかの理由や心残りがあるからです。
本当に辞めたい気持ちが何%あるのか、その理由は何かを明確にしてみましょう。
心理学では悩みや問題点を具体的なパーセントや数字化して、見える化する手法を「スケール化」と言います。辞めたい理由を明確にすることで、心の奥底に眠る素直な気持ちを知ることができます。
また、今辞めるメリットやデメリットなども見えてくるでしょう。
カラーセラピーで心のケアを
「もう辞めたい」と思うときは、あなたの心の中にストレスが溜まっている証拠です。無理やり気持ちを抑え込もうとするのではなく、苛立ちや悲しみなどの感情をそっと癒し、ぬぐい取りましょう。おすすめの方法は、カラーセラピーです。
カラーセラピーは「色彩療法」と呼ばれ、古くから自分自身を見つめなおしたり、心を癒やしたりする効果があることで知られています。対人関係や過剰業務などでストレスが溜まっているときには、色の力を借りて、心の負担を軽減させましょう。
対人関係で疲れてしまったのなら、コーラルピンク色を取り入れてみてください。コーラルピンクは子宮の中の色です。
お腹の中でお母さんに守られていた時のように、自分自身に愛情や思いやりの心を注いでくれます。頑張って気を張っている状態から、守られているかのような安らぎを得ることもできます。
ストレスが溜まってイライラしているのなら、グリーンを洋服や小物で取り入れてみてください。グリーンは草原や森林の色であり、心の中に癒しや落ち着きをもたらしてくれる色です。
自然が伸び伸びと自分を表現するように、自分らしさやナチュラルさを取り戻すのにも役立ちます。
まとめ|身体に異変を感じるような場合は
いかがでしょうか。仕事でストレスが溜まりすぎると、「もうこれ以上働きたくない」「辞めたい」ばかり考えてしまうものです。
そのようなときには、ストレスを緩和させてくれる色合いを身につけたり、感情筆記法を実践したりしていきましょう。
しかし、すでに仕事のストレスが溜まりに溜まりすぎて、発熱や嘔吐、めまいやフラつきなどの症状が出ているなどは深刻です。
自分一人で抱え込まず、医師やカウンセラー、転職アドバイザーなど専門家の力を借りて解決することをおすすめします。
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心理学歴13年、臨床経験500名以上の心理カウンセラー・不眠症改善アドバイザー。いじめ、セクハラ、パワハラの三重苦を経験した苦い過去から、悩みが深刻化する前のケアが重要と気づき、こころの予防医学の普及に邁進している。心理セミナー講師経験 延べ120回を超え、現在は企業・団体でのセミナー講師や社内報等の執筆等も務めている。主な資格として、日本心理学会「認定心理士」、日本健康心理学会 「認定健康心理士」他。主なメディア出演経歴として、かわさきFMラジオ、TBSテレビ、朝日新聞などがある。
書籍 「こころの予防医学~偽りの仮面を投げ捨てて自分らしく生きる方法~」
ブログ・公式サイトURL https://ameblo.jp/counselor-satomi/

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