時間もお金もムダにしてない?知らなきゃ損する『パーキンソンの法則』

イギリスの政治学者であるC.N.パーキンソンが発表した「パーキンソンの法則」はご存知でしょうか?
パーキンソンの法則はとても強力な法則で、人は知らず知らずのうちにその法則に支配されて無駄な時間を過ごしていることが多々あります。
例えば、会議の時間が無駄に長くなってしまうのもこのパーキンソンの法則によるものです。
パーキンソンの法則とは何か? そしてどうすればその法則から逃れ、自分の意思で物事をコントロールできるのかを紹介していきます。
パーキンソンの法則とは?
パーキンソンの法則は大きく2つの法則に分かれます。
第1法則 仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
第2法則 支出の額は、収入の額に達するまで膨張する
<引用:Wikipedia>
2つの法則は本質的には共通しており、「人は与えられた時間やお金を最大限まで使ってしまう」ということを表しています。
それでは、この2つの法則について、一つひとつ事例を交えながら見ていきましょう。
仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
第1の法則である「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」とは一体どういうことでしょうか?
例として、『会社での会議』に当てはめて考えてみましょう。
会社員なら誰もが経験のある社内会議ですが、『12:00~14:00』など、あらかじめ会議時間が設定されている場合がほとんどですよね。
これにパーキンソンの法則を当てはめて考えてみると、たとえ1時間で話し終わる内容だとしても、2時間すべてを使って会議を行なうことになります。
本来であれば1時間で結論が出る内容に2時間かけて会議を行なうということは、単純に考えて1時間分の時間を無駄にしていますよね。しかし、パーキンソンの法則により「結論が出たらそこで会議終了」とはならないのです。
会議の参加者は『12:00~14:00』という時間に着目しているため、予定された2時間をフルに使おうとしてしまいます。
この事例で考えた場合、どう対処すれば効率的な会議を行なうことができるのでしょうか?
今回の問題は、会議終了の焦点が”時間”に置かれている点です。
時間に焦点を置いて会議を始めようとすると、参加者の中で『12:00~14:00』という2時間をきっかり使い切ろうとする意識が生まれてしまいます。
しかし、それでは無駄な時間を過ごしてしまう可能性が高くなってしまうため、それを防ぐためには会議の”目的”を参加者全員が明確に理解していることが必要になってきます。
つまり、「この会議では何について話し合い、どの部分まで決めればよいのか?」ということを参加者が事前に把握し、その目的が達成されれば、たとえ時間が余っていてもそこで会議を終了させるべきなのです。
ビジネスにおいては、常に”目的”をはっきりさせておくという意識を持ちましょう。
支出の額は、収入の額に達するまで膨張する
次に、第2の法則である「支出の額は、収入の額に達するまで膨張する」を見ていきましょう。
こちらは『月々の収入』を例にして考えてみます。
新卒時の給料は大体20万円前後が多いですが、社会人になると予定外の出費も多く、「あと5万円もあれば貯金もできるのに…」と思うようなことってありますよね。
しかし、昇給して実際に給料が25万円に上がったとしても、パーキンソンの法則が働いてしまい今度は25万円を丸々使ってしまう人が多いのです。
そしてまた「あと5万円増えれば・・・」と思うようになりますが、また給料が30万円に上がったとしても、出ていくお金もいつの間にか同じくらいに増えてしまい貯金が全くできない、ということを多くの人は繰り返してしまいます。誰しもこういった経験はあるのではないでしょうか?
これについての対処法は、「何より先に給料から貯金額を抜き取ってしまうこと」です。
貯金ができない多くの人は「給料が最後に余ったら貯金をする」というやり方をしていますが、これではパーキンソンの法則により貯金できる金額はほとんど残りません。残りのお金を貯金しようとするのではなく、支出が発生する前に決まった金額を貯金に回し、余ったお金を日々の生活で使っていくようにしましょう。
パーキンソンの法則を知り、無駄な時間や支出を削減!
パーキンソンの法則は、与えられた時間やお金を最大限まで使ってしまうという何ともやっかいな法則ですが、この法則を理解しておくことで客観的に物事を判断できるようになるはずです。
今回の事例で挙げたように、まずは仕事の無駄を減らすためには”時間”よりも”目的”に主眼を置くこと。そしてお金の支出を減らすためには支出が発生する前に貯金額を抜き取ること。こうすることで、法則に流されることなく自分の意思で物事のコントロールが可能になります。
自分の時間とお金を守り、より質の高い人生を送っていきましょう。

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