社内の2割はサボってる!?『働きアリの法則』って?

働きアリの法則というものを聞いたことはありますか?
『アリの群れの中での勤務態度には個体差がある』というもの。
よく取り上げられるのは「2割の働きアリは全然働かずサボっている」という研究結果です。
【2:8:2の割合】
アリの群れの勤務態度は勤務態度別に2:8:2に分類できるようです。
どのように分類できるのか、サラリーマンの世界に置き換えて考えてみましょう。
・上位2割のアリはよく働いて、群れで必要な食料の8割を集めてくる
いわばサラリーマンの世界でいうと会社のエースです。能力が高く、仕事量も多く、『結果にコミットするアリさんたち』ということになります。
・6割のアリは普通に働く
特段目立つことはないけれども、『真面目にコツコツ働いている普通の社員』といったところです。
状況によっては上位2割に匹敵する結果を出したり、上位2割に進化することもあるでしょう。
・2割のアリはサボる
はっきり仕事をサボっているので、社内でいうと『お荷物』扱いされているかもしれません。
環境や役割を変えることが必要です。
【なぜ2割のアリはサボるのか】
2割のアリがサボる理由も、研究で明らかになっています。
これは『休んでいる』とのこと。
人間でいうと、シフト制のような状態です。
週休2日のサラリーマンだったとしたら7日のうち2日休んでいるということになります。つまり人間でもだいたい年間の2~3割が休日です。
しかもアリの場合は生活すること=働くこと。
働く内容は食料を探したり貯蔵庫を整理したり子育てをしたり穴を掘ったりと、生命活動に直結した労働です。
四六時中働こうと思えば働ける状態なわけです。サラリーマンに置き換えると社内に住んでいるような環境といえます。
ですので、「あえて働かない」という状態を作っていると言ってもよいでしょう。
サボるアリは常に同じ個体ではなく、交代して存在しているのです。
【サボるアリが少ないと群れが滅びる?】
そして、このサボるアリが少ない群れは滅びる可能性が高いという研究結果も出ています。
上位2割のよく働くアリというのは確かに群れの中で重要な存在ですが、この2割のアリはサボるアリに変化する可能性は低いと言われています。
つまりスターはスターのままでいることが多いわけです。
それだけ聞くとかっこいいのですが…サボらないアリはサボるアリに比べて短命であるという研究結果もあります。
働きアリは生殖活動を行なわないので、死ぬまで労働のパフォーマンスが落ちません。
働き盛りの状態で、ある日突然死亡するのです。これは群れにとっては大きな痛手でしょう。
「よく働くアリの黄金世代」のようなものがあったとしたら、近いタイミングでごっそり群れからいなくなるわけで、そうなるとパフォーマンスが極端に下がる。
そのときに、今までサボっていたアリが少ないと労働力が全く埋まらないわけです。
【残ったアリがまた2:8:2に】
アリの群れでは、死亡などで群れの頭数やバランスが変わっても、また新しくよく働くアリが現れ、普通に働くアリが現れ、サボるアリが現れ…と2:8:2に収束する法則があることがわかっています。
つまり、状況に合わせて能力を開花させたり休憩したり…ということが起こるのです。
【社内の人事で応用すると…】
これを例えば社内の人事で応用すると、定期的にプロジェクトをシャッフルすることは有効かもしれません。
その際、あえてエースと呼ばれている人材を含めずに、普通のパフォーマンス以下の社員だけでチームを作ると、そこから能力を開花させる人材、つまり上位2割が出てくる可能性はあります。
今まで別のチームでサボっていた社員が意外な才能を発揮する可能性もありますし、そこまでいかなくても普通のパフォーマンスにはなってくれるかもしれません。
この理屈で言うと、新しいチーム内でもサボる人材は出てくるということになります。
このサボる人材が、別のチームのときはよく働いている、もしくは普通に働いていれば「今回はそうだったんだな」ということになります。
しかし、どのチームにいても2割の「サボるアリ」になってしまう社員が存在する場合、「フリーライダー」という分類に。
アリの世界でも存在し、このフリーライダーが多い群れも滅びる可能性が高いという研究結果が出ています。
社内では適材適所に人材を配置して、極力「普通以上に働くアリ」としてのパフォーマンスを発揮してもらうこと、そしてサボるアリの中から『フリーライダー』を見分けることが、マネジメントする上では必要かもしれません。
人間の場合はアリと違って休日がありますから、この休日をしっかりとることで、仕事はサボらずしっかり働く可能性も高めることができるでしょう。
逆に休みがしっかり取れていないと、仕事中にサボる可能性が高まり、パフォーマンスが落ちるかもしれません。
休んでいないからサボっているのか、チームや仕事内容が合わないからパフォーマンスを発揮できない状態になっているのか、慎重に判断しなければなりません。

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