退職時期や切り出すベストタイミングは結局いつ?円満退職を実現させるポイントとは

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CUS編集部
株式会社アシロ
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転職活動では自分の気持ちが次の職場へと向かっているため、ついつい退職のタイミングを決める作業を後回しにしがちです。しかしいつ退職するのかは重要です。

なぜなら退職のタイミングを間違えれば想定外のトラブルが起きる可能性があるからです。

とはいえ、適切な退職時期はいつなのか、どのように決めればよいのか悩む方は多いでしょう。

そこでこの記事では退職するタイミングを見極める方法や注意点を解説します。

【関連記事】【退職&面接時】それぞれ理想の退職理由と例文|退職理由を伝える時のポイント
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目次

退職を切り出せない、退職意思を伝えるタイミングを間違えるリスク

退職のタイミングを間違えると次のような事態に発展する可能性があります。

退職への強い引き止めに遭う可能性がある

退職のタイミングによっては社長や上司から引き留めを受ける可能性があります。

社長や上司が退職慰留をするのは、もちろん「優秀な人材だから辞めてほしくない」という理由もあるでしょう。

しかしそれ以外にも「職場の都合上、今は辞められると困る」という理由で引き留めをする場合があるのです。

具体的には、

  • 繁忙期に退職日を設定した場合
  • 内定から退職までの期間が短く、後任者へ引き継ぎする余裕がない場合
  • 昇格や新プロジェクトを引き受けた場合

などが該当します。

このようなケースでは職場の業務への影響が大きいため、上司などはあなたの退職を引き延ばそうとするでしょう。

よくある慰留のパターンとしては、次のようなものがあります。

  • 「条件に不満があるなら希望を聞く」と給与アップや昇格などの条件を提示して慰留してくるケース
  • 「職場の皆が困るから辞めないでほしい」と心情に訴えかけてくるケース
  • 「少し休暇を取ってみたらどうだ」「何か悩みごとがあれば聞くから焦ることない」
  • 退職の意向をはぐらかそうとするケース など

退職慰留を受けても「絶対にこの日に辞める」との強い意志があれば問題ありません

会社は労働者を強制的に働かせることなどできないので、設定した日に辞めれば済む話です。

しかしお世話になった会社からの要望ですし、上司との関係性もあるでしょう。どうしても気持ちが揺れてしまう場合があります。

人間関係に影響を与える

退職のタイミングが今の職場で築いた人間関係に影響を与える可能性があります。

繁忙期やプロジェクトの途中などで退職者がでると、職場の人たちは多忙になると予想されるため、その憂鬱さなどからあなたと距離をとる場合があります。

これまで仲良くしていた同僚が急に態度を変えることもあるかもしれません。

もちろん「退職するからといって態度を変える人と今後かかわるつもりはない」と割り切ることはできます。

【関連記事】退職届の書き方や注意点は?円満退職につながる正しい手順を解説

誰が辞めても業務が回るのが組織としては正常

人材の流出は組織において当然起こり得ることであり、誰がいつ辞めても業務がまわるのが組織としてあるべき姿です。そのため退職すること自体に責任を感じる必要はありません。

ただ、これまでかかわった人たちへできる限りの配慮をして辞めるほうが、気持ちよく次のステップへ進めるのではないでしょうか。

また転職先でこれまでの人脈を活かしたいとの希望があれば、現職への配慮は欠かせないといえます。他社との交流が活発な業界もありますので、将来的な業務の妨げにならないようにしましょう。

転職先と入社日の折り合いがつかずにトラブルに

一方で現職の事情ばかりを優先すると、転職先への影響が懸念されます。

中途採用をおこなう企業は「少しでもはやく入社してほしい」と感じているケースが多いため、入社日が後になることに不満を抱く可能性があります。

場合によっては内定が取り消しになるなどのトラブルが起きるリスクも考えられるでしょう。

金銭的に損をする

  • 「あと少し在籍すればボーナスをもらえた」
  • 「○月に辞めれば退職金が増額された」など

退職日次第では金銭的に損をする場合があります。

転職すると給与の締め切り日によっては、転職先の給与が入るまでの一定期間、金銭的に苦しくなる場合があります。

退職してから再就職を目指す場合は収入が途絶えることから生活に直結する事態になります。そのため現実的な問題として金銭面への影響はよく考えておく必要があるでしょう。

円満退職を目指す為のタイミングの見極め方は?

トラブルを避ける意味や気持ちの面からも、できるだけ円満退職を目指したいものです。ここでは円満退職につながる退職時期の見極め方を解説します。

自身が退職したい気持ちを確かめる

まずは本当に退職したいのか、退職して何をしたいのか、自身の気持ちを確かめましょう。

  • 「友人や同僚が次々に転職しているから自分も……」
  • 「大企業に転職したい」
  • 「英語力を活かしたい」
  • 転職することに明確な希望や条件がない
  • 具体的にどんな仕事がしたいのかが分からない など

このような場合はまだ現職に留まるべきです。

転職の軸が固まってから転職活動を開始しなければ適切な退職の時期を見極めることはできません。退職を慰留された場合もすぐに気持ちがぐらついてしまいます。

【関連記事】仕事辞めたいは甘え?甘えではないと場合と辞める時にすべきこと

「在籍中の転職活動」か「退職後の転職活動」を決める

在籍中に転職活動を進めるのか、それとも退職してから進めるのか、どちらのスタイルで転職活動をするのか決めましょう。

これにより退職するタイミングも変わる可能性があります。基本的には在籍中の活動をおすすめしますが、仕事が忙しすぎて転職活動の時間がとれないなど、退職を優先したい事情があれば、退職してから始めるのも選択肢です。

【関連記事】仕事辞めたらすることは?退職後の重要な手続き4つ

繁忙期や人事異動の直後などを避ける

繁忙期に退職すると職場の負担が大きく、引き留めにあうリスクも上がるため、避けるのがベターです。

人事異動の直後やプロジェクトの進行中も退職には向かない時期です。異動が集中する時期を避ける、長期のプロジェクトは辞退するなどの配慮が考えられます

在籍中に転職活動をするときの注意事項

繁忙期と退職時期の関係について、在籍中に転職活動をするときには気をつけたい点があります。

退職後に転職活動を始めるのであれば退職時期と繁忙期が被らないようにするだけで問題ありませんが、在籍中の転職活動では退職時期と転職活動時期の両方が被らないようにする必要があるのです。

5月~9月は落ち着く時期

総務・人事などの管理部門を退職するケースを例にとると、繁忙期は年末調整や採用・退職者の処理などがある12月~4月です。

これに対して5月~9月は落ち着く時期なので、退職後に転職活動をするのであれば、退職するには適切なタイミングだといえます。

繁忙期にあたる12月~4月

しかし、在籍中の転職活動で5月頃に辞めるには、繁忙期にあたる12月~4月に転職活動をしなくてはなりません。

心身の負担が大きいうえに、仕事が立て込み転職活動に割ける時間が少なくなるでしょう。

この場合は業務が落ち着く5月くらいに転職活動を始め、9月を目標に辞められるのがひとつの理想型です。

退職を申し出るタイミングは就業規則を確認する

退職を申し出るタイミングは、法的には退職日の2週間前までで足りますが、会社のルールに従うには就業規則の確認が必要です。

多くの会社では退職日の1、2ヶ月前までの申し出を定めていますが、会社ごとに異なるため事前に確認しておきましょう。

退職を申し出る方法は?

まずは口頭で申し出ます。上司のまわりに常に人がいるなど申し出にくい場合は、メールなどでアポをとっておき、時間を作ってもらってから伝えます。

退職届には退職日を記載する必要があるので、申し出の時点では作成せず、退職日が確定した後に提出しましょう。

転職活動に要する期間を知る

転職活動の期間は人によって異なりますが、一般に準備期間として2週間、応募から内定まで3ヶ月程度かかります。

その後に1、2ヶ月かけて引き継ぎをおこない退職日を迎えるという流れです。

おおよその転職活動期間に繁忙期など職場の事情を加味すると、いつ退職できるのか見えてくるでしょう。

退職後に転職活動をするときの注意事項

退職してから転職活動を始める予定の方は、転職活動に要する期間を把握した後、失業中の経済リスクに備える準備をしましょう。

確実にやっておきたいのは、ハローワークで受給できる失業手当(基本手当)の要件、預貯金の額の確認です。

失業手当は年齢や退職理由などによって支給開始時期や支給期間が異なるため、ご自身の場合はどうなるのかをハローワークのHPなどでチェックしておきましょう。

自己都合退職の場合、退職から3ヶ月間は受給できませんので、その間は預貯金を取り崩すことになります

預貯金の額が少ないのに退職してから辞めようと考えている場合は、退職の前にお金を貯めることを意識してください。

あるいは失業中も副業やアルバイトで収入を得るあてがあるのか、転職活動中だけ実家を頼れるのかなど別の対策も考えられます。

金銭面を優先して辞めたい場合の確認事項と注意点

  • 通年忙しいため繁忙期という概念がない
  • 職場への迷惑を考える気持ちの余裕がない
  • 転職する前に学校に通いたい

このようなケースでは「金銭面を優先して退職のタイミングを決めたい」と考える方も多いでしょう。注意したいのは金銭面の影響が大きいボーナスと退職金です。

ボーナスの支給要件を確認する

ボーナスをもらってから辞めたい場合は支給要件を確認しましょう。とくに重要なのは在籍基準日です。

就業規則や賃金規定に「○月末日に在籍している者に支給する」「支給日に在籍している者に支給する」などと基準日が書かれているはずです。

基準日より前に退職するとボーナスは支給されないため注意しましょう。ボーナスを受け取ってから退職を申し出れば確実です。

退職金の支給要件を確認する

退職金制度の有無や支給要件は会社ごとに異なりますが、一般的は

  • 「一定の勤続年数を満たした者に支給される」
  • 「金額は勤続年数に応じて段階的に増える」

といった仕組みが採用されています。退職のタイミングによって退職金をもらえるかどうか、金額が増えるかどうかに関係してくるわけです。

注意点としては、区切りのよいタイミングで辞めないと退職金がもらえなかったり支給額が変わったりする可能性があります。

たとえば支給要件を勤続3年以上と定めている場合、勤続2年11ヶ月では要件を満たさないため退職金がもらえません。

金額の計算で月の切り捨てを採用している場合、仮に勤続年数4年11ヶ月だと4年として計算されます。

この場合は1ヶ月だけ退職のタイミングを後にすれば5年で計算され、退職金の額が増える可能性があるということです。

多少の文句は気にしないこと

ボーナスをもらった直後に辞める、退職金の支給要件を満たしてから辞めるなどした場合、上司から多少の文句や嫌みをいわれる可能性は否定できません。

しかしボーナスも退職金も、これまでの会社への貢献やルールにもとづき支給されるものです。正当な権利を行使するだけなので文句をいわれても気にする必要はありません。

退職のタイミングが決まらない場合に備えて知っておくべき点

現職との折り合いがつかずに退職のタイミングが決まらない場合に備え、次の点を知っておきましょう。

業務の可視化とスタッフの育成

各スタッフの業務が可視化された職場では、誰がいつ辞めても業務はスムーズにまわります

退職する際には不要な引き留めの回避につながるため、日頃から業務を可視化しておきましょう。

自分の業務は、誰が読んでも理解できるマニュアルに落とし込み、職場内で共有しておくことです。

また職場のスタッフを育成しておけば退職時に円滑な引き継ぎができます。普段から仕事を抱え込んでしまっている人ほど辞めにくくなります

職場や後輩のためにもなるので、はやめに育成しておきましょう。

在籍中の企業との交渉について

最初に退職の交渉をするのは直属の上司です。直属の上司を飛ばしてほかの役職者や人事部など交渉すると、上司へ不信感を与え退職交渉がこじれる可能性があります。

また退職理由を伝える際には、給与や仕事内容の不満だと慰留されやすいため、前向きな理由や個人的な理由を伝えるのがよいでしょう。

詳しく述べる必要はなく、「やりたい仕事がある」「家庭の都合」といった程度で構いません。転職する先の社名を伝える必要もありません。

転職を妨害されるなどのトラブルも珍しくないため、どうしても伝える場合は「○○関係の仕事」などと濁しましょう

転職先の企業との交渉について

転職先の入社日は事前に決まっているケースとそうでない場合があります。

たとえば募集要項に「4月入社」などと書かれていた場合は、企業が4月に入社できる人材を想定して内定をだしていますので、交渉して決められるものではありません。

一方、求職者の事情にあわせて流動的に決めてもらえるケースでは交渉の余地があります。

ただし内定がでる前でないと交渉が難しいので、希望を聞かれたタイミングで交渉できるよう事前に入社日の候補を考えておきます。

最短で入社できる日」と、有休を消化するなどして「余裕をもって入社したい日」の2つを用意しておき、その中でバランスをとりながら交渉しましょう。

転職エージェントの利用を検討する

転職エージェントを利用すると、転職活動全体でサポートを受けられます。退職するタイミングをどう決めるのかのアドバイスも得られるため活用しましょう。

自身で入社日の交渉が難しい場合でも、エージェントがサポートや代理をしてくれます。

退職するタイミングを決めた後にやるべきこと

退職時期が決まったら実際の退職までに次の活動をおこないます。

有休残日数の確認と消化の計画

有休が何日残っているかを把握し、退職日までにいつ消化するのかの計画を立てます。それにより引き継ぎのスケジュールが変わってきます。

退職後に転職活動する予定の場合は、有休残日数によっては最終勤務日から退職日までに有休をあて、その間に一気に転職活動を進められます。

結果的に早期に内定を得られ、経済的なダメージが少ない状態で転職できる可能性も生じますので、上手に活用してください。

後任者への引き継ぎ

引き継ぎをしっかりおこなって辞めるのが円満退職の秘訣です。ただし職場の事情も考えると勝手に引き継ぎを始めるのは御法度なので、いつから引き継ぎを始めるのかを上司と相談しておきましょう。

後任者にも現在の業務があるので、自分の都合だけを優先しないよう配慮します。後任者との都合がつかない時間帯はマニュアルを作成するなど自分ひとりでできる作業をおこないます。

社内や取引先への挨拶

社内の人への挨拶はできるだけ最終勤務日の就業後におこないます。ただし最終勤務日には社内のすべての人が出社しているとは限りません。

確実に挨拶したい相手が出張や有休などで不在だったということのないよう、事前に確認しておきましょう。

取引先への挨拶は退職が確定し、後任者が決まったタイミングでおこないます。後任者と一緒に挨拶にいくと取引先も安心できるでしょう。

退職届の作成

退職届の提出は法律で義務づけられていませんが、社内規則にもとづき提出するのが一般的です。

転職する場合は自己都合退職になるため、氏名や部署名、「一身上の都合」などと記載したオーソドックスな退職届を作成します。

社内で共通のフォーマットがある場合も多いので、上司や人事部などに確認してください。

退職の手続き

総務課などの担当部署で退職の手続きをおこないます。社会保険や雇用保険の脱退手続き、貸与物の返却などがありますので担当者に確認してください。

有休消化して辞める場合は退職日まで今の健康保険証が使えるので、返却方法などについてあらかじめ聞いておきましょう。

まとめ

不要なトラブルを避けるには退職のタイミングを決める際に一定の配慮が必要です。

また退職後の生活を考えればボーナスや退職金の要件を確認し、金銭面で損をしないよう決めることも大切でしょう。

適切な退職のタイミングは状況によって異なりますので、紹介した内容を参考に納得できる時期を選びましょう。

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