今の職場でくすぶっている人にとって、裁量の幅が広くチャレンジングな仕事に携われて、成果が給料に反映されやすいベンチャー企業は魅力的に映ることでしょう。このページではベンチャー企業への転職で失敗しないためにおさえておきたいリスクとリターン、リスクにどう対策するのか、ベンチャーに向いている人と向いていない人について説明していきます。


転職エージェントは3社登録がおすすめな理由と正しい選び方
転職エージェントを複数利用する際も、同じ領域で業務を展開するエージェントに登録しても意味がありません。例えば営業職で転職を検討している場合、まず登録すべきは大手で求人数を多数抱える『マイナビエージェント』や『doda』『type転職エージェント』のいずれか一つをまず選択。
「マイナビエージェント」や「doda」の両方に登録しても構わないのですが、どちらも総合的な職種を扱うエージェントですので、高確率で紹介される求人に被りが出てしまいます。
では、2社目のエージェントはどこにするかというと、『営業職の転職に強みを持つエージェント』です。
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とはいえ、営業職はどこの会社にもある最もポピュラーな職種ですので、比較検討すべき軸としては・・・
『行きたい業界に特化しているエージェント』
『自分の年代に近い求職者が集まっている』
の2軸になります。
この場合は、行きたい業界で選ぶなら・・・
不動産業界の営業職に転職したいなら『宅建ジョブエージェント』
IT業界の営業職に転職したいなら『レバテックキャリア』
コンサル業界の営業職に転職したいなら『ムービン』
広告業界の営業職に転職したいなら『マスメディアン』
を、私たちは提案します。
そして3社目の、自分の年代に近い求職者が集まっているエージェントですが、エージェントが抱える求職者も年代にはばらつきがあり、どの年代層が得意といった色があるので、最後に年代別に強いエージェントにも登録しておくと盤石です。
たとえば、
20代後半までの第二新卒であれば『ハタラクティブ』
29歳までの狭間の世代なら『U29JOB(ユニークジョブ)』
30代前半から後半の範囲であれば『パソナキャリア』
40代後半までであれば『ビズリーチ』
50代なら『JACリクルートメント』
が良いかと思います。整理するとこんな感じですね。
評判の良い各業界別・年代別のエージェントは「こちら」にまとめてありますので、ぜひ参考にして頂けますと幸いです。
ベンチャー企業に転職する7つのリスク
ここではベンチャー企業に転職するリスクのうち代表的なものをあげていきます。人や現場によってリスクになり得るものとそうでないものがありますので、ご自分に関係ありそうなところだけ読んでみてください。
1.倒産することもある
設立した会社のうち7割が3年以内に潰れるとも言われています。夢や成長を追い求めてベンチャーに転職したとしても、会社が倒産する危険は常につきまといます。そんな理由からなんとなくベンチャーを敬遠する人もいますが、倒産したら新しい職場を探せばいいだけなので、実質的なリスクは創業社長と比べると微々たるものです。
ただし、結婚を控えているなどの理由で雇用が安定していたほうがいい人にとっては、特にスタートアップ段階の企業に転職するのは無視できないリスクになりえます。
2.特にスタートアップはものすごく忙しい
やりがいが合っていいポジションにつきやすい、ストックップションが期待できるという意味ではスタートアップは美味しい選択肢に映ります。しかし、創業当初はビジネスを継続させるためにとにかく激務になりがちです。
仕事が好きで主体的に取り組んでいる人にとっては、刺激的な毎日に感じられるかもしれませんが、イメージだけで入社した人は「こんなのドブラックじゃないか」と感じてしまうかもしれません。
3.忙しすぎて体を壊す人も
無理がたたってある日倒れる人もいるようです。キャリアは短く太くあるべきではないので心と体が悲鳴を上げていたらきちんと気づくことが大切です。特にスタートアップのベンチャーは制度も整っていないため、あなたが倒れても誰も守ってはくれません。
4.安定していない
今や安定している企業自体が減ってきてはいますが、それでもなんだかんだ大手企業は安定しているものです。創業して間もなかったり、成長段階だったりする場合収益源となる事業は少数しか持っていないでしょう。もし何らかの理由でその事業が不採算になると経営全体に響きます。しかし、大企業だと事業が1つ潰れたところで痛みはあるもののすぐに倒産したりはしません。
5.福利厚生などの制度は大企業のほうが充実している
福利厚生などの待遇面に関しては大企業に軍配が上がります。若いうちはあまり重要視しないかもしれませんが、結婚してマイホームを買い、これから何十年もローンを支払い続けなければならないとなると安定が欲しくなるのが人情ではないでしょうか。
ただし、大企業に入れたからといっても倒産やリストラはありえます。ベンチャーへ転職しどこでも通用するスキルを身に着けたほうが長い目で見ると安定する場合もあるので、一概にどちらが良いとはいえません。
6.大手企業と比べると実力主義
大手では優秀じゃない社員でも配置換えや、相応の仕事の振り分けなどで対処してくれますので、滅多なことでは退職になりません。しかし、実力がある人にとっては頑張りが給料に反映されにくいこともあるので旨味がありません。
実力に不安がある人にはベンチャーへの転職はリスクになりますが、優秀な人にとってはやりがいを感じやすい環境かもしれません。
7.大手のほうがネームバリューがある
現在大手企業に勤めている人にとってのリスクです。無名企業と大手では知名度や信用度が天と地ですし、今まで名刺を見せれば会えた人があってくれなくなることもあるかもしれません。企業の看板を捨ててでも転職しようと思えるほどの動機が必要でしょう。
ベンチャー企業に転職する5つのリターン

以上のようなリスクを背負ってまでベンチャー企業に転職する人がいるのは、それだけリターンが大きいからです。ここではベンチャー企業に転職すると、どのような見返りがあるのかについて確認していきましょう。
1.ストックオプション制度で一括千金を狙える
1番大きい見返りではないでしょうか。スタートアップ段階の企業に入社し相応の活躍をした場合、ストックオプション制度による見返りが返ってくることもあります。具体的な金額は株式公開時の時価総額にもよりますが、同世代の貯金残高と大きく水をあけることになるでしょう。
ただし、本人に実力があり、なおかつ将来性のある企業を見極められないといつまでも安い給料で働き続けることになる可能性も十分にあります。
2.経営者との距離が近い
大企業にはないメリットです。ベンチャー企業の社長は個性的で魅力的な人物も多く、若いうちに超優秀な人の考えを間近で見たり聞いたりできるのは生涯の財産になるでしょう。将来起業を考えている人が参考にできることもたくさんあります。
3.昇給・昇進が早い
大手では部長や役員になるまで何十年もかかりますが、ベンチャー企業では結果を出せば給与や待遇にすぐに反映されます。優秀な人にとってはチャレンジングでやりがいのある職場環境と言えるでしょう。大手企業に勤めていて、結果を出しているのに給料に反映されず不満を感じている人にも向いているかもしれません。
4.裁量の幅が広い
一人が担当する仕事の幅が広いので、経営をマクロな視点で見る機会に恵まれているといえます。大手企業では効率化のために業務が細分化されており、毎日の仕事がルーティーンでマンネリ化しやすくなります。決められたことだけをやるのは退屈だという人には向いているでしょう。
5.圧倒的に努力するから圧倒的に実力がつく
ベンチャー企業は安定性にかけていたり常に倒産と背中あわせだったりすることもあり、働く側はプレッシャーと責任が大きい分、生き残るためにより真剣に仕事に向かいます。決まったことだけをやり、1日をなんとなく過ごすのと、毎日を真剣に生きるのでは5年後10年後辿ってきた道を振り返ったときに大きな違いが生まれているはずです。


ベンチャー企業に転職するリスクを減らすための5つの対策
ここではベンチャー企業に転職するリスクを減らすためにできる対策についてご紹介します。
1.将来のキャリアプランを明確にしておく
最終的にどのような働き方をしていたいのかを決定し、そこから逆算してどんな企業へ転職すべきか考えましょう。例えば将来起業したり、ベンチャーの役員になったりしたいのであればベンチャー企業への転職は役に立つ経験になりえます。
しかし、最終的なゴールが大企業の中間管理職など安定感を求めるものであれば、転職はしないほうが良いかもしれません。これは極端な例ですが、将来のキャリアビジョンから考えてベストな転職先を選んでいきましょう。
2.できるだけ若いうちに挑戦しておく
仮に転職した会社がダメだったとすると、当然再び転職活動をすることになります。特別な強みがない限り、転職では若いほうが有利になりますので、早いうちに失敗しておいたほうが再スタートを切りやすいといえるでしょう。
3.男性は家族を養えるだけの年収を将来的に得られそうか考える
結婚出産の予定があるのであれば、若いステージのベンチャーに飛び込むにはかなりの勇気がいるでしょう。ある程度成長した企業に転職するにしても、将来的にどの程度まで年収を伸ばしていけそうなのかは確認しておきたいところです。
4.専門性を身につける
特定の仕事に精通しておくことで、例え企業が潰れても引く手あまたの人材を目指しましょう。ベンチャーを志す人は元々向上心が高いので、目標を設定し全力で走りきるのはさほど苦にはならないでしょう。実力を身につけると年収や待遇が良くなるばかりか、なおかつ倒産したときのリスクヘッジになります。
5.将来性のある企業を見極める
社会人経験が少ないほど、業界知識が少ないほど将来性のある企業が見極められなくなります。単に有名だとか社長がすごい人だとかそんな理由で会社を選んでしまっては、まるで当たりそうだからと宝くじを買うような転職をすることになります。
情報収集をするのであれば、ベンチャーの転職に強い転職エージェントに相談するか、業界に詳しい人の話を聞くかして、イメージではなく現実に近い情報を集めるようにしましょう。
ベンチャー企業への転職に向いている人、向いていない人
最後にベンチャー企業に向いている人とそうでない人の特徴を説明していきます。以下の点に当てはまっているいないにかかわらず活躍する人もいます。あくまで参考程度に考えてみてください。
リスクという言葉をどうとらえているか
リスクと聞いて「怖いもの」「避けるもの」と言ったネガティブな言葉を連想する人はベンチャー企業はやめておいたほうが良いかもしれません。逆に「チャンス」「おもしろい」「スリル」など前向きの言葉を想像した人は向いているでしょう。
リスクを恐れて少しの犠牲しか払えなければ、当然いい結果はえられません。ベンチャーへ行くなら徹底的にやり遂げるぐらいの気持ちでいましょう。中途半端に仕事してずっと中途半端なポジションにいるだけなら給料も早いうちから頭打ちですし良いことがありません。
企業の知名度やブランドをどう考えているか
現在大企業で働いている人は、大企業の看板があるからこそ享受できるメリットを捨てる覚悟が入ります。社名を大事にしている人はベンチャー企業転職するメリットが薄いといえるでしょう。
楽しさが大事か、安定が大事か
ベンチャー企業に安定はありませんが、業務範囲や裁量の広さ、高い成長性など人によっては楽しい要素がいっぱいあります。大企業は仕事が細分化されており、急成長の楽しみもありませんが安定感はあります。極論、自分の人生には安定と成長のどちらが欲しいのかという話になってきます。
仕事が好きな人には向いている
ベンチャー企業で働くと仕事第一の人生になることも多いので、仕事が好きな人のほうが向いているでしょう。仕事は早めに切り上げてプライベートを充実させたいのであれば、忙しくない企業に行ったほうが利口です。
実力と野心がある
結果が出るまでは目標達成にこだわり続けられるだけの粘り強さと負けん気がいります。そこそこで良いという人は給料もそこそこになってしまいますので、わざわざベンチャーに行くメリットは薄いといえるでしょう。


まとめ
いかがでしたか?ここまででベンチャー企業に転職するリスクとリターン、リスク対策や向いている人・向いていない人について見てきました。自分の価値観と向き合った上で転職先を決めていきたいものです。最後まで読んでいただきありがとうございました。