テレビCMでおなじみの「ビズリーチ」は求職者と企業・ヘッドハンターをつなぐハイクラス向けのマッチングサービスです。
スカウト型・一部有料のサービスで、求人の紹介やキャリア面談などをおこなう一般的な転職エージェントとはまったく異なるアプローチで転職を支援しています。
転職活動を始めるにあたって利用を検討している方も多いかもしれませんが、その前にサービス内容や評判を知っておきましょう。
本記事ではビズリーチの具体的なサービス内容や利用者の評判、利用のメリット・デメリットなどについて紹介します。

公式サイト:https://www.bizreach.jp/
転職エージェントを複数利用する際の正しい選び方とは?
転職エージェントを複数利用する際も、同じ領域で業務を展開するエージェントに登録しても意味がありません。
例えば、営業職で転職を検討している場合、まず登録すべきは大手で求人数を多数抱える『マイナビエージェント』や『doda』『type転職エージェント』のいずれか一つをまず選択。
「マイナビエージェント」や「doda」の両方に登録しても構わないのですが、どちらも総合的な職種を扱うエージェントですので、高確率で紹介される求人に被りが出てしまいます。
では、2社目のエージェントはどこにするかというと、『営業職の転職に強みを持つエージェント』です。
- 2社目以降の選び方を確認する
-
とはいえ、営業職はどこの会社にもある最もポピュラーな職種ですので、比較検討すべき軸としては・・・
『行きたい業界に特化しているエージェント』
『自分の年代に近い求職者が集まっている』
の2軸になります。
この場合は、行きたい業界で選ぶなら・・・
を、私たちは提案します。
そして3社目の、自分の年代に近い求職者が集まっているエージェントですが、エージェントが抱える求職者も年代にはばらつきがあり、どの年代層が得意といった色があるので、最後に年代別に強いエージェントにも登録しておくと盤石です。
たとえば、
- 20代後半までの第二新卒であれば『ハタラクティブ』
- 29歳までの狭間の世代なら『U29JOB(ユニークジョブ)』
- 30代前半から後半の範囲であれば『パソナキャリア』
- 40代後半までであれば『ビズリーチ』
- 50代なら『JACリクルートメント』
が良いかと思います。整理するとこんな感じですね。
評判の良い各業界別・年代別のエージェントは「こちら」にまとめてありますので、ぜひ参考にして頂けますと幸いです。
ビズリーチの会社概要
株式会社ビズリーチは2009年にビズリーチをスタートさせて以降、急拡大を続ける勢いに乗っている会社です。インターネットを活用したサービス事業として、ビズリーチのほかに20代向けの転職サイト「キャリトレ」や企業向けの人財活用プラットフォーム「HRMOS(ハーモス)」などを展開しています。
ビズリーチの主な特徴は?
ビズリーチはどのようなサービスなのでしょうか。主な特徴を解説します。
ハイクラス向けの転職サイト
ビズリーチはハイクラス向けの求人を扱っている転職サイトです。管理職や経営幹部を含む企業の中核を担う人材をターゲットとした求人が多く、年収も600万円以上が基本です。
上場企業や有名企業、外資系企業の求人も数多く扱っています。業種としては、金融系やコンサル系など総じて年収の高い案件が多いのも特徴です。
企業・ヘッドハンターによるスカウト型
ビズリーチがほかの転職エージェントと大きく違うのは、企業やヘッドハンターから直接スカウトを受け取るスカウト型である点です。
転職サイトのように自分で求人を探して応募することもできますが、求職者の職務経歴書を見た企業やヘッドハンターによるスカウトが転職活動の主なきっかけとなります。
基本的な仕組みはシンプルで、届いたスカウトのうち、自分が興味をもった企業へ応募するという形です。
一般的な転職エージェントの場合、求職者ひとり一人にキャリアコンサルタントが付き、求人を紹介してもらったうえでサポートを受けて転職活動をおこなうのが主流です。
これに対してビズリーチでは、自らがスカウトへの返信や企業とのやり取り、応募などを主体的におこなう形となります。
ヘッドハンターのサポートも受けられる
ビズリーチで転職活動をするには以下の2つの方法があります。
- 企業から届いたスカウトに返信または応募し、企業と直接やり取りをする方法
- ヘッドハンターから届いたスカウトに返信し、ヘッドハンターのサポートを受けて活動する方法
このうち一般的な転職エージェントと似た機能なのが、外部のヘッドハンターによるサポート機能です。ヘッドハンターに会い経歴や希望の条件を伝えると、希望にあった求人や秘匿性の高い求人を紹介してもらえる場合があります。
ヘッドハンター経由で応募する場合は、職務経歴書の書き方や面接対策、面接日の日程調整なども実施してもらえます。転職サイトでありながらヘッドハンターのサポートを受けることもできるため、転職エージェントに近い感覚で利用することも可能です。
無料と有料のサービスがある
一般的な転職エージェントは基本的に求職者の費用はかかりませんが、ビズリーチは無料と有料がある珍しいサービスです。
料金形態は、「無料プラン(スタンダードステージ)」と「有料プラン(プレミアムステージ)」があります。さらに有料プランには独自の評価基準で定められた「タレント会員」と「ハイクラス会員」があり、料金は次のように異なります。
- 無料プラン:利用できる機能は「プラチナスカウト」の閲覧・返信と、公募・特集求人など一部の求人に対する応募のみ。
- タレント会員:月額3,278円。利用できる機能はすべてのスカウトの閲覧・返信、ハイクラス会員を除く求人の閲覧・応募、ヘッドハンターへの相談。
- ハイクラス会員:月額5,478円。すべてのスカウトの閲覧・返信、求人の閲覧・応募、ヘッドハンターへの相談が可能。
なお、ビズリーチの売りのひとつである「年収1000万円以上の求人」へ応募できるのは有料のハイクラス会員のみです。
有料サービスがある理由
有料である理由として、ビズリーチは「会員様のことを真のお客様だと考えているから」としています。
無料の転職エージェントの場合、エージェントの顧客は採用する側の企業になるため、どうしても企業に都合のよいサービスになりがちです。
掲載料金の高い求人ばかりが優先して紹介されることになり、求職者にとっては「希望にあわない求人を紹介される」「無理に転職をすすめられる」といった弊害が生じる場合があります。
しかしビズリーチのように求職者も料金を払うサービスの場合、求職者と企業は双方が顧客となるため、どちらかにだけ都合のよいサービスにはなりません。求職者は企業の掲載料金等に左右されることなく、フラットな目線で求人を選ぶことができます。
登録時の審査がある
ビズリーチを利用する際には審査があります。審査基準は公表されていませんが、現在の年収や職歴などが基準となっていると予想されます。審査があることで、利用者の高水準が保たれており、それが利用企業のメリットにもなっています。
ビズリーチを使おうと思っても登録時の審査に落ちてしまう場合がありますが、審査に落ちてしまう人はそれほど多くないようです。利用者もハイクラス向けの転職サイトであることを分かって登録している人が多いのが理由かもしれません。
もっとも、審査に落ちた場合でも単にビズリーチではマッチする求人がないというだけで気落ちする必要はありません。ほかの転職エージェントの利用は可能なのでそちらを利用して転職活動を進めましょう。

公式サイト:https://www.bizreach.jp/
ビズリーチの評判・口コミ
ビズリーチを実際に利用した方の評判・口コミを一部抜粋して紹介します。
よい評判・口コミ
まずはよい評判・口コミをチェックしましょう。
高年収の求人が多い
・エージェントからは「正直、今までの経歴で〇〇万円以上は厳しいです」と言われ、条件に合うものはありませんでした。自分の条件が厳しいだけなのかと思ってビズリーチに登録をしたら即解決(笑)その日のうちに3件紹介されましたが、3件とも希望の条件をクリアしていました。
※参考:BEST WORK|ビズリーチの評判
・年収500万円以下の求人はほとんどなく、年収1000万円を超える求人もごろごろ転がっています。
※参考:BEST WORK|ビズリーチの評判
高年収の求人はビズリーチの売りなので、この点を評価する人は多くいます。高年収を維持したまま、あるいは今よりも年収をアップさせて転職したい方にとって満足度が高いようです。
情報収集に効果的
・転職活動を進めていく上で参考になる求人や業界の情報が豊富ですので、実際に応募する企業の判断材料として欠かせない情報がすぐに見つかるところが大きな強みでした。
※参考:みん評|ビズリーチの口コミ・評判
・転職する気がなくても、自分の市場価値チェックのために登録しておくのもありだと思います。
※参考:みん評|ビズリーチの口コミ・評判
情報収集として活用しやすいという声が多くありました。今は年収が低く、応募できる求人がない場合でも、将来的なキャリアアップを見越して「どのような求人があるのか」を確認する意味で利用している方もいるようです。
スカウトが多い
・ビズリーチにして良かったところは、企業からダイレクトにスカウトメールが来ることでした。実際に、私もスカウトメールがきっかけで転職に成功しました。
※参考:BEST WORK|ビズリーチの評判
・結論から言うと、転職サイトの中では一番有益です。確かに掲載されている案件も多いですし、スカウトなどのお声がけもよくいただけます。
※参考:BEST WORK|ビズリーチの評判
スカウト機能はほかの転職サイトでもよくあるサービスですが、ビズリーチでは多数のヘッドハンターが在籍していることもあり、ほかの転職サイトと比較してスカウトを受け取る機会が多くあります。
悪い評判・口コミ
続いて、悪い評判・口コミです。利用にあたっては何に不満を感じやすいのかを把握しておくのがよいでしょう。
有料会員にならないと不便
・最初の無料試用期間で何かしらの求人が見つからなければ、例え有料にしても大した求人は見つからないので、有料化は不要と考えます。また、放っておくと勝手に有料として課金されるので気を付けましょう。
※参考:BEST WORK |ビズリーチの評判
・他の転職サイトは基本無料のものが多いですが、ビズリーチは会費が発生します。安くはないので、できるだけ短期間でいい仕事を見つけたい人向けです。
※参考:みん評|ビズリーチの口コミ・評判
転職エージェントの大半が無料なので、ビズリーチの有料サービスに不満を持つ方は一定数います。
手厚いサポートは受けられない
・この転職サイトは他のサイトと仕組みが違っていました。このサイトでは自分の希望条件にあった企業を紹介してくれたり、転職を成功させるためのサポートをするという形ではありません。
※参考:みん評|ビズリーチの口コミ・評判
サポートの少なさへの不満の声が聞かれました。この点は、ビズリーチとほかの転職エージェントとの違いを把握してから利用することが大切です。
スカウトメールが多くて読み切れない
・ビズリーチからのメールは多かったです。選考にはあまり関係のない「まずは企業の話を聞いてみましょう」というようなメールもあったので、選考が進んでからはほとんど読みませんでした。
※参考:BEST WORK|ビズリーチの評判
スカウトメールがひっきりなしに届くため煩わしいという声もありました。対策としては、ビズリーチのスカウトに2種類あることを知っておきましょう。
- 条件にマッチした人に対して機械的に送られるスカウト
- 面談・面接が確約された「プラチナスカウト」
機会的に送られるスカウトは、職務経歴書を読み込んだうえでのスカウトではありません。すべて対応していると時間がいくらあっても足りないので、特に気になった求人に絞って返信しましょう。
一方プラチナスカウトは、職務経歴書を読み込み、あなたに関心をもった企業・ヘッドハンターから送られる特別なスカウトです。気になる求人からプラチナスカウトがあれば、まずは企業の担当者やヘッドハンターに会ってみるとよいでしょう。

公式サイト:https://www.bizreach.jp/
特徴と評判から見る「ビズリーチ」を利用するメリットは?
ここまでの内容からビズリーチを利用するメリットをまとめます。
高年収&高ポジションの転職に期待できる
ビズリーチは高年収&高ポジションの案件が豊富です。年収1,000万円以上の案件も全体の3分の1ほどあり、ここまでの高年収案件はほかの転職エージェントではなかなか見られません。
管理職・経営層、大企業の役員クラスなど重要なポジションも多いので、一般的な転職エージェントでは希望の求人が見つからない方でも満足できるでしょう。
転職市場での価値が分かる
ビズリーチはスカウト式なので、自分の転職市場における価値が分かります。「自分の価値を知ってから現職を辞めるか決めたい」という方はスカウトがどのくらいあるのかを見てから判断するのが有効です。
また求人の閲覧だけすることもできるため、どの業界・業種でニーズがあるか、自分の経験を活かせる求人は多そうかといった市場感をつかむのにも役立ちます。
特徴と評判から見る「ビズリーチ」を利用するデメリットは?
以下のように、ビズリーチを利用するデメリットもあります。
ヘッドハンターの質に偏りがある
ビズリーチに登録しているヘッドハンターは3,700人以上(2020年9月時点)もいますので、その質には当然、差があります。
ヘッドハンターに会ってみたはいいものの、相性が悪い、納得のサポートを得られないといったこともあるでしょう。ビズリーチの評価の中には「利用したヘッドハンターがよくなかった」という厳しい声も複数あり、人によって評価がかなり分かれているようです。
ヘッドハンターの質を確かめる方法
対策としては、ヘッドハンターの検索機能から「ヘッドハンタースコア」や「ヘッドハンターの受賞歴」をチェックするのがひとつです。
ヘッドハンタースコアは成約数や求人数など複数の指標からなる評価をもとに、登録ヘッドハンターをS~Dまでランク分けしたものなので、ランクの高いヘッドハンターが誰なのかを知ることができます。優秀なヘッドハンターは受賞歴があり、「ヘッドハンター大賞受賞者のみ」で絞り込むこともできます。
無料で利用できる機能が限られる
ビズリーチは無料でも利用できますが、利用可能な機能が限られるため、不満を感じることがあります。
最大限活用するという点では有料会員登録が必須ですが、まずは使い勝手を試したいという場合は無料会員から始めるとよいでしょう。
ビズリーチの利用をおすすめできる人
ビズリーチな優良なサービスですが、どなたにも向いているわけではありません。おすすめできるのは以下のような特徴をもつ方です。
高年収で転職したい人
年収800万~1,000万円の求人が豊富なので、経歴やスキルを活かして年収アップを叶えたい方に向いています。現在の年収を維持したい人、年収を上げたい人は必須で登録しましょう。
責任あるポジションで活躍したい人
ビズリーチでは管理職や経営幹部など企業の中枢を担う重要なポジションのスカウトが多数あります。
このような責任あるポジションの求人が多いのはビズリーチの特徴なので、該当する方はビズリーチを利用して効率よく活動することをおすすめします。
主体的に活動できる人
ビズリーチを利用した転職は主にスカウトがきっかけとなりますが、その前提として企業やヘッドハンターの目にとまる職務経歴書を作成する必要があります。
そのためには自分のアピールポイントを、客観的な視点をもとに整理できていなければなりません。またスカウトを受けた後は企業と直接やり取りをすることになるので、本当に自分に合った企業なのかの見極めは自身の価値基準にゆだねられます。
こうした点から、主体性をもって転職活動に取り組める人に向いています。

公式サイト:https://www.bizreach.jp/
ビズリーチの利用をおすすめできない人
以下のような方はビズリーチの利用が不向きですので別の転職エージェントの活用をおすすめします。
経歴・スキルに自信のない人
ビズリーチはハイクラス&ミドル向け、つまり相応の経歴やスキルがあり、転職先に対して高年収に見合った価値を提供できる人に向いているサービスです。またビズリーチを利用する企業のほとんどは、優秀で即戦力となる人材を採用したいという希望をもっています。
そのため経歴やスキルがほとんどない方の場合、スカウトが届かない、応募してもマッチングが成立しないなどで利用料金が無駄になってしまう可能性が高いでしょう。
若手人材は「キャリトレ」の利用も
若手で今後キャリアアップしたい方は、ビズリーチの利用は難しくても「キャリトレ」を利用する方法があります。
20代を中心とした若手向けの転職サイトで、AIを活用したレコメンド機能が特徴です。ビズリーチとはまた違うサイトですが成長企業の求人が多めなので、試してみてはいかがでしょうか。
手厚いサポートを受けたい人
一般的な転職エージェントのようにキャリアコンサルタントから求人を紹介してもらったり、キャリア面談を実施したりといったことはありません。
そのため初めての転職活動で具体的な活動方法が分からない、自己分析に自信がないなどの理由で手厚いサポートを受けたい方はビズリーチの単独利用はおすすめしません。
キャリアカウンセリングや職務経歴書の添削などを丁寧にしてくれる転職エージェントとも併用しながら、転職活動の方向性やアピールポイントが定まった時点でビズリーチを使うのもひとつの方法です。
転職活動にお金をかけたくない人
転職活動は交通費やスーツ代など何かとお金がかかりますので、やはり無料がよいという方もいるでしょう。
一般的な転職エージェントはほとんどが無料で、希望にあった求人があれば紹介を受けられます。お金をかけられない人はビズリーチ以外のエージェントを使うことをおすすめします。

公式サイト:https://www.bizreach.jp/
年収600万円以上・管理職ポジションを狙う方は是非ご登録を
ビズリーチは「高年収の求人が多い」「優良なスカウトが多い」「情報収集にも役立つ」といった点が評判の転職サイトです。一方で、有料会員制である点や手厚いサポートが受けられない点に不満を感じる方もいます。
ビズリーチを利用する目安としては、「20代後半以降かつ現在の年収が500万円以上」でかつ「管理職や経営幹部候補などの重要なポジションでの転職を希望する方」になります。向き不向きがはっきり分かれますので、利用前に把握しておきましょう。

公式サイト:https://www.bizreach.jp/