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社医の魅力|臨床医から転職するメリット・デメリットなどを詳しく解説

業界別の転職活動
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周りと同じように臨床医となったものの、自分には向いてないかもと感じる方は少なくありません。

 

臨床医以外で医師資格を活かせる選択肢の一つに、保険会社で働く「社医」があります

 

社医とは、保険会社で保険加入者または加入希望者に、診査・査定を行う医師のこと。「診査医」や「査定医」と呼ばれることもあります。

 

福利厚生が充実しており、臨床医のような極度の労働を強いられることはないため、ワークライフバランスを大事にしたい医師の需要は高めです。

 

とはいえ、具体的にどういった業務か知らずに、転職するのはためらいますよね。

 

この記事では、社医の業務内容や年収、必要なスキル、転職するメリット・デメリットなどについて詳しく解説します。

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この記事に記載の情報は2021年04月26日時点のものです

社医の業務内容とは

社医の業務内容は大きく分けて3つ。

 

  1. 診査
  2. 引受け査定 
  3. 支払い査定

 

具体的にどのような業務をするのか、それぞれ確認していきましょう。

①診査

診査とは、保険加入希望者の持病の有無や健康状態について、確認する業務のことをいいます。

 

診査内容は、血圧測定や採血、問診など、一般的な健康診断で行うこととほぼ同様です。

 

診査を行う際は加入希望者に来社してもらう、もしくは、社医が往診に出向くパターンの2通りあります。

 

社医自ら診査するのが難しい場合には、嘱託医を通してチェックすることもあります。

 

必要最低限の時間の中で、加入希望者の健康状態を把握しなければならないため、医師としての深い知識や経験が求められる業務といえるでしょう。

②引受け査定 

引受け査定は、加入希望者が提出した健康管理証明書や人間ドックの成績表などの書類から、加入の妥当性を判断する業務です。

 

ただ、引受け可能かどうかを判断するだけでなく、引受け時の保険料をいくらにするか検討するのも重要な仕事となります。

 

前述の診査については行わないケースもありますが、引受け査定は保険会社が自社で必ず行う業務です。

③支払い査定

支払い査定とは、保険金を支払う際にその正確性や妥当性、公平性などを評価する業務のことをいいます。

 

生命保険であれば、保険に加入していた方が亡くなった際の死亡保険請求用診断書を査定。

 

医療保険やがん保険の場合については、入院・手術等証明書などの査定を行い、そのうえで査定担当者に対し、医学的な面からアドバイスを行います。

社医の年収

もし社医に転職しようと思っても、臨床医よりも極端に年収が下がってしまうのであれば、いくら働きやすい環境でも転職する気にはならないですよね。

 

いくつかの医師向け求人サイトを調べたところ、社医の年収相場は、大体1,000万円~1,500万円程度のようです。

 

サイト名

公開求人の最低年収

公開求人の最高年収

リクルートドクターズキャリア

1,180万円

1,500万円

m3.com CAREER

1,000万円

1,200万円

医師転職ドットコム

1,000万円

2,000万円

 

医師転職研究所が行ったアンケート調査によると、大学病院勤務医のアルバイト・副業込みでの年収中央値は1,300万円。

 

引用元:大学病院の医師の年収は低い?その他の勤務医と年収を比較した結果|医師転職研究所

 

人によっては勤務医時代よりも下がるかもしれないですが、それほど社医の年収は低くないといえます。

 

病院と比べ、保険会社は福利厚生が充実している場合が多いことを考えると、多少年収が下がる程度であれば、転職する価値はあるかもしれません。

社医として働くことのメリット

臨床医とはまったく異なるキャリアへ進むことに、抵抗がある方は多いかと思います。

 

社医として働くことのメリットについて、確認しておきましょう。

今までとは異なる人脈を作れる

病院勤務時代とは異なる人とつながりを持てるのは、社医として働く楽しみの一つといえるかもしれません。

 

基本的に病院で働いているのは医療従事者です。

 

ある意味では、似たような感覚を持っている人しか周りにいないため、居心地は良くても刺激は足りないかもしれません。

 

保険会社では営業や事務、商品企画など、さまざまな職種の人が一緒になって仕事をしています

 

部署によって雰囲気や考え方が異なる環境というのは、医師にとってはなかなか新鮮な体験かもしれません。

ワークライフバランスの良い生活を送れる

ワークライフバランスの取れた働き方ができるのも、社医の魅力の一つ。

 

常勤で働く場合、土日祝日休みの週5日勤務で、大体9:00~18:00までの8時間労働となっています。

 

当然、当直やオンコール対応はありません。むしろ、夏季休暇に年末年始休暇、有給の取得もできるため、オン/オフを切り替えた働き方が可能です。

医局のしがらみから離れられる

勤務医として働いている人の中には、医局のしがらみがつらいと感じている人もいるかもしれません。

 

他の病院へ転職しようにも、医局の力が強いと上手く退局の交渉がまとまらないケースもしばしば。

 

臨床医に未練がなければ、いっそのことドロップアウトして、社医になってしまったほうが、強い引き留めや嫌がらせに遭いにくいでしょう

福利厚生が充実している

保険会社の充実した福利厚生が受けられるのも、社医で働くことの魅力です。

 

大きな病院を除けば、自身が働く職場の福利厚生に、満足している医師は少ないのではないでしょうか。

 

ボーナスもほとんどなければ、退職金もなく、有給休暇もほとんど消化できないという医師は多いかと思います。

 

社医となれば、保険会社に勤める他の社員と同様に、住宅補助や企業年金、育児補助、育休など、さまざまな福利厚生が受けられるでしょう

 

社医として働くことのデメリット

社医になることで得られるメリットがある一方で、一般的な医師のキャリアと異なる道を進むことのデメリットもあります。

 

転職後に後悔することがないよう、社医として働くデメリットについても確認しておきましょう。

キャリアの幅が狭まる

社医として常勤で働くのであれば、臨床の現場から離れることになるため、臨床医としてのキャリアを諦めなければならない可能性があります。

 

一度臨床の現場を離れてしまうと、また戻ってキャリアを築くのが、簡単ではないことはご自身が良く分かっているはずです。

 

もちろん、医療の現場もだんだんと変化してきているため、復帰の可能性が全くないわけではありません。

 

ですが、復帰できない可能性を踏まえて、臨床医を辞めて本当に後悔しないのか、転職前によく考えておいたほうがよいでしょう。

医師とはいえ特別扱いはされない

社医は保険会社内で特別な業務を任される立場にあるとはいえ、あくまでも一社員です

 

そのため、会社内で特別扱いされるということはなく、他の社員と同様に、会社の方針に従って仕事をしなければなりません。

 

臨床医時代は、どちらかというと指示する側であったかもしれませんが、社医の場合は必ずしも上の立場ではない点には注意してください。

保険業界の先行きは不透明

日本の保険市場は成熟しているといわれており、今後の先行きについては不透明な部分も多いといえます。

 

経済・社会構造の変化やAI等の技術が発展するなどの影響を受けて、保険業界のビジネスにも大きな変化が訪れるかもしれません

 

大和総研が作成したレポートでは、以下のような懸念事項が保険業界に影響を及ぼす可能性があるとしています。

 

  • 少子高齢化による労働人口力の減少
  • 団塊世代の高齢化
  • 社会保険料の上昇による家計への圧迫
  • 格差社会の拡大
  • AIやFintechなどの新技術の影響 など

 

こうした懸念事項が影響して、保険業界に変化が訪れた際、社医の仕事がなくなる可能性がないわけではありません。

 

すぐさま変化が訪れることはないでしょうが、これから社医になるのであれば、ビジネスや社会問題に関して、常にアンテナを張っておく必要があるでしょう。

 

社医に求められるスキル

社医として働くためには、医師免許以外にも少なからず求められるスキルがあります。

 

具体的にどのようなスキルが必要とされるのか確認しておきましょう。

臨床経験・情報収集力

社医の業務を行う上では、臨床経験や情報収集力が求められます

 

診査や査定では、さまざまな契約者・加入希望者の症例について、判断を下す必要があります。

 

そのためには、幅広い知識が必要不可欠。

 

臨床経験はもちろんのこと、数多くのデータの中から、適切な情報を集める能力も必要といえるでしょう。

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力も、社医に求められる大切なスキルの一つ。

 

診査業務において、的確な判断を下すためには、ただ検査の結果を見るだけではなく、直接加入希望者から話を聞き出すことも大切です。

 

また、決して一人で業務に取り組むわけではないので、他の社員との円滑なコミュニケーションが求められます。

マネジメント

最近では、マネジメント能力も社医に必要なスキルといわれています。

 

一部の保険会社では、「アンダーライター」と呼ばれる専門職が査定業務を担うケースも増えているようです。

 

そうした会社では、社医はアンダーライターをマネジメントする役割を担うことが多いかと思います。

 

また、外部の開業医に診査を委託している会社もありますので、診査を行う医師ごとに基準が異ならないよう、連絡・指導等を行う場合もあります

 

社医への転職におすすめの医師向け転職エージェント

社医は求人募集が行われること自体が少ないうえ、基本的に転職エージェントの非公開求人で募集がかけられます。

 

そのため、社医に転職するのであれば、転職エージェントへの登録は必須です。

 

数少ない社医の求人情報を効率よく集めるには、できるだけ多くの転職エージェントに登録しておきましょう。

 

中でも、保有求人数が多い、以下の3社には最低限登録しておくことをおすすめします。

 

エージェント名

特徴

エムスリーキャリアエージェント

転職希望医師の登録実績NO.1医師向け転職エージェントです。公開求人数は15,000件以上。求職者・企業双方から信頼を得ており、満足度の高いサービスが受けられる。

マイナビDOCTOR

産業医求人取り揃えが豊富。ワークライフバランスを追求した医師におすすめです。

民間医局

公開求人数10,000件以上。全国に17ヶ所拠点を持っており、Uターン・Iターン転職を考えている医師におすすめです。また、女性医師向けの独自サービスがあるのも魅力的

 

また、保険会社に社医募集をしていないか、直接問い合わせてみるのも有効な手段といえます。

 

直接応募の場合、転職エージェントに手数料を支払わなくてよいので、よりよい待遇で雇ってもらえるかもしれません。

 

まとめ

保険会社で働く社医は、年収はそれほど高くはないですが、福利厚生が充実しており、ワークライフバランスを大事にしたい医師には、おすすめのキャリアといえます。

 

ですが、臨床医を辞めてしまうことで、キャリア形成の選択肢が狭まるリスクを考えると、転職は慎重に判断するべきでしょう。

 

社医の求人はそれほど多く出回ることはありません。

 

タイミングを逃さないためにも、転職を考えている方は、早い段階から転職エージェントに登録しておきましょう

この記事の執筆者
キャリズム編集部

転職・人材業界に深く関わるディレクターが『今の職場に不満があり、転職を考え始めた方』や『転職活動の進め方がわからない方』へ、最高の転職を実現できる情報提供を目指している。

本記事はキャリズムを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
※キャリズムに掲載される記事は転職エージェントが執筆したものではありません。

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