さまざまな理由で転職を決意したものの、ほとんどの人が後悔するのではないかと、不安になります。「人間関係がうまくいかないので、とにかく今の仕事を辞めたい」とか、「少しでも給料が高いところにいきたい」などだけで転職すると、後悔することが多いようです。転職するにあたっては、事前に転職先の事業内容や会社の方針などを確認しておくことが大切です。
また、転職で失敗しないためには、自分を客観的に見直すことも必要です。
転職成功のために事前にやっておきたい5つのこと
入社後に後悔しないためには、まず自己分析をしっかり行なうことです。その上で、面接で何を聞きたいか、自分のアピールポイントは何か、それは会社が必要としていることなのかなどを、明確にしておくことが、転職を成功させるコツです。
①自分を知る
分かっているようで分かっていないのが自分の性格です。現代人は多面体なので、二重人格どころか五重も六重もの性格を兼ね備えています。転職を考える際には、一度自分の性格を分析してみることが大事です。
今までの経験を書き出してふり返り、いったい自分は何が得意で、何がやりたいのかを具体的に確認する作業が必要です。自分が好きで得意なことが、転職したい企業が求めているものとぴったり合ったとき、双方ともが満足できる結果となります。
②得意なことやスキルを明確化する
資格などのスキルは明確化できますが、得意なことは案外自分では気づかないこともあります。知人が何気なく口にした、「手先が器用ですね」とか、「いつもセンスのいい服を着ていますね」などちょっとした会話の中に、自分では気づかなかった長所を発見したことがあると思います。
些細なことでも書き出してみることで、長所や得意なことが明確化できます。「得意なことは何ですか」と面接で聞かれた場合、「手先が器用ですねとよく言われます」と言った方が、「手先が器用です」と言うより、謙虚に長所をアピールできます。
③自分にとって譲れるところと譲れないところを書き出す
給料の最低ラインや土日祝日の休み、残業時間、通勤時間などについて譲れるところと譲れないところを書き出してみましょう。どうしても譲れないところがあるなら、面接時に伝えておくことで、後々後悔せずにすみます。
④前職での不満点と満足点を書き出す
よほどのブラック企業でない限り、満足できたところもあるはずです。
前職でよかった点もふり返ってみましょう。そうすることで、どんな会社に転職してもよいところも悪いところもあるということが分かり、転職先でも謙虚でいられます。現代社会においては、転職を繰り返すことはマイナスではなくなりましたが、ほとんどの人はどんなに実力があっても転職先では一年生です。
⑤なぜ転職したいのか
転職したい本音を書き出してみましょう。
心のモヤモヤをすベて吐き出してしまうと、心を空っぽにすることができます。心の中に、同僚や上司に対する不満などがくすぶっていると、面接の際にうっかり口にしてしまいかねません。転職先での面接で、前職での人間関係の泣き言を言うのは絶対タブーです。
面接では必ず、転職の理由を聞かれるはずですが、そのときは給与の安さや労働時間の長さ、日曜祝日出勤の多さなど、人間関係以外のことを答えます。
転職する際は以上の5つを考えてみましょう。
自己分析は企業に提出するわけではないので、失敗したことや上司に注意されたことなどもどんどん書き出して、自分の弱点を確認してみてください。前職が激務であった場合は、体のためにも転職先では無理をせずに勤められるような体制の会社を選ぶべきです。
また、仕事をスムーズにこなしていくためにも、必要以上に人間関係に気配りをしなければならない会社は、避けるべきかもしれません。
面接の段階でこちらの意向を伝えておく
ほとんどの転職先では即戦力を求めているため、入社してからあれこれ言ってもこちらの意向がうまく伝わらないことがあります。面接の際に優先順位と妥協点を明確にしておき、はっきりと自分の意向を伝えましょう。
例えば、「妻が土日祝日勤務なので、子供の面倒を見る必要があり、できる限りカレンダー通りに休ませてほしい」など、始めに伝えておくことが大事です。
そのことが理由で不採用になったとすれば、それは企業との相性が合わなかったということなので、あきらめるしかありません。「とにかく内定をもらはなくては」との思いから、面接の段階で企業側からの要求をすべて受け入れていると、結局は再度転職する羽目になってしまいます。
実は、給与や待遇などの条件面について、ほとんどの企業は面接で具体的なことは言わないものですが、こちらからの意向を伝えておくことは必要です。なぜなら、転職先があなたを本当に必要な人物と認めたなら、特例として条件をのむこともあるからです。
企業側に不信感を抱く場合は？
質問しても話をはぐらかしたり詳細を伝えてくれない場合や、求人票に記載されていない内容を採用条件に提示するなど不信感がつのるようなら、ブラック企業の可能性もあります。面接の段階で不信感を抱くようなら、考え直しましょう。
人間関係は妥協すべき？
転職後の人間関係に満足している人は意外と少ないようで、前の会社で人間関係に悩んだ人は転職先でも同じように悩む傾向にあるようです。「人間関係の悩みは何度転職してもついてまわる」と理解しておくと、「こんなものだろう」とあきらめもつきます。
実際、夫婦や親子の関係ですら満足している人が少ないのですから、職場の人間関係に100％満足できることなどありえないのです。前職と同じ職種についたとしても、会社によってやり方が違うのでスキルはあてにはできません。プライドは捨てて、一から覚え直す心構えが必要です。
年下の上司に対しても素直に質問をしたり、雑用なども快く引き受けたりする器の大きさが、転職先の人間関係をよくしていきます。
転職に失敗しないために事前チェックすべきこと
事前に十分な転職活動の準備ができていないと、転職で失敗してしまうおそれがあります。転職するにあたって自己分析をし、転職理由や転職先を選んだ理由などを明確にしておかないと、面接官との会話がかみ合わず、失敗につながりかねません。
限られた面接時間に同じ内容をくり返したり、前職での不平や不満を漏らしたりすることは面接官の心象を悪くしてしまいます。転職で失敗しないために、自分の性格をしっかりチェックしてみましょう
- どんな状況でも冷静でいられるか
- 迷わず決断することができるか
- 人の意見を聞けるか
- 社交性があるか
- チャレンジ精神はあるか
- 人の失敗を許せる受容力はあるか
- いったん決めたことを継続できるか
- どんなことにも慎重か
- オリジナリティが発揮できるか
- バランス感覚に優れているか
10個とも当てはまる人はいないと思いますが、転職に失敗する人の多くは、NOが多いようです。家訓というほどのことではありませんが、上記の10個を紙に書いて目に触れるところに貼っておくことで、モチベーションアップにつながります。
転職に成功する人の共通点
共通点１：ポジティブ思考である
ポジティブな人はたとえ不合格になっても、「面接の練習になった」などと楽観的に考えます。
共通点２：就職先に必要以上にこだわらない
前職が上場企業だったから転職先も一流企業にこだわるといったことはせず、こだわりを捨て、路線変更することも必要です。
共通点３：ある程度の貯蓄がある
貯蓄がないと、余裕を持って転職活動を行なうことができず、結局前職よりも条件の悪い、会社で妥協してしまう恐れがあります。金銭的に余裕がない場合は、在職中に会社に気づかれないように転職活動をすべきです。
共通点４：事前によく調査している
転職に成功した人は、応募先の企業が求める人材や企業の業績などについてよく調べています。事前にしっかり情報収集をしておくと、面接時にも的確に受け答えができます。
転職をクールに決めるための生活習慣
よく「離婚をするには、結婚をする数倍のパワーがいる」と言われますが、転職するにも新規で入社する数倍のパワーが必要です。
前職の企業の退社、資格の習得、家族への配慮、転職先の準備など、あまりにもすることや考えることが多すぎて、体や心が疲れ冷静な判断ができなかったり、集中力がなくなったりしてしまうことがあります。そんな時には次のようなことを生活に取り入れて心を落ちつけましょう。
生活習慣１：深呼吸をする
朝起きて深呼吸をするだけでも、その日1日の集中力が高まります。
生活習慣２：優先順位をつける
明日やるべきことを前日にメモする習慣をつけ、優先順位の上から順に片付けていきましょう。そうすることで無駄な時間を省けるので、効率よく仕事が片付いていきます。
生活習慣３：時間を区切る
在職中に転職活動をする場合などは、時間が足りなくなってしまいます。スケジュール表を作り、同時進行を目指しましょう。
生活習慣４：適切な睡眠をとる
資格のための勉強などを始めると、睡眠時間が短くなりがちです。疲れを取るために、昼休みに10分でもいいので仮眠して、睡眠不足を補いましょう。
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まとめ
転職したものの、自分が思っていた仕事と違っていた、社内の雰囲気になじめなかった、手取りの給料がかなり低かったなどと後悔しないためにも、できる限り転職先の情報を集めることが大事です。
その上で、妥協できる点とできない点を見極めると、転職をするかしないかを決めることができます。無用な不安や焦りを持たず、冷静な目で転職先を選択しましょう。
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